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2021年5月29日土曜日

77週目:5月31日~6月6日のリーディングマラソン予定

前週、76週目;ハッピー「福島第一原発収束作業日記: 3.11からの700日間、NHKスペシャル『メルトダウン』取材班「福島第一原発 1号機冷却『失敗の本質』」、高木仁三郎「原子力神話からの解放―日本を滅ぼす九つの呪縛」、新藤宗幸「原子力規制委員会―独立・中立という幻想」の計1,065ページ、76週目までの累計は85,838ページです。

 ハッピー「福島第一原発収束作業日記: 3.11からの700日間」の著者は福島第一原発で作業中に東日本大震災に遭い、事故発生当初から現在まで断続的に収束作業をされている20年近くのキャリアを持つ原発作業員の方です。そんな著者が3月11日からほぼ毎日Twitter上に書いた事故の収束作業日記がまとめられた本でした。揺れているときの思いやその後の事故の時の様子などが細かく書かれていました。3.11のその時の現場にいた方の様子や気持ちを目の前で起こっていることのように想像することできました。このような実際の現場で作業された方の日記は貴重な記録だと思います。過去には戻れないですが、社会全体が記録を検証し、過去から学ぶことによって将来に同じ過ちを起こさないようにしなければいけないと思いました。

 NHKスペシャル『メルトダウン』取材班「福島第一原発 1号機冷却『失敗の本質』」は、3.11の原発事故の時に官邸などの指示に従わず海水注水をした吉田昌郎所長(故人)の「海水注水騒動」が本当は原子炉にほとんど水が入っていなかったことが判明しました。このことについて約6年間かけて東京電力の技術者や専門家など1000人以上を取材をし、なぜ入っていなかったのか調査していく過程が書いてありました。私はNHKスペシャルなどのドキュメント番組をよく見るのでこれも見て卒業研究の資料としていきたいです。

 高木仁三郎「原子力神話からの解放―日本を滅ぼす九つの呪縛」では原子力関係の様々な神話=国民への洗脳と表現して反原発活動として生涯活躍した著者が原子力の利用をなぜやめることができないのかについて書いた本でした。なぜ、原発事故は絶対に起こらない、ということを前提に原発が建設されていったのか。なぜ、建設地の住民の意見が賛成、反対と分かれていたにも関わらず、原発を受け入れることになったのか。東日本大震災によってあれほどの被害をもたらし、現在もそしていつ終わるとも分からない廃炉作業が続く中、なぜ、原発依存を止められないのか。原発を止められない社会を止める、にはどうしたらいいのか、私の今回の卒業研究のテーマにすごくあっていると思ったので何度も読んで参考にしたいです。

 新藤宗幸「原子力規制委員会―独立・中立という幻想」、この本を通して私は原子力規制委員会が「世界一厳しい」と言われている新規制基準によって再稼働審査を行っているということを知りまず驚きました。この本はそんな原子力規制委員会が皆からのプレッシャーがありながらも独立性と中立性を維持することができているのかということについて書かれていました。実際、原子力を規制するための真の独立性は保てていないのではないか、原子力発電所の再稼働について本当に正しいのか疑問があったのでこの本も参考文献としてたくさん読みたいと思いました。

77週目:5月31日~6月6日は次の本(計1,058 ページ)でリーディングマラソンの予定です。
・矢部宏治「日本はなぜ、『基地』と『原発』を止められないのか」(集英社インターナショナル)P288
・広瀬隆「原子炉時限爆弾」(ダイヤモンド社)P308
・本間龍「電通と原発報道-巨大広告主と大手広告代理店によるメディア支配のしくみ」(亜紀書房)P208
・海渡雄一「原発訴訟」(岩波新書) P254

2021年5月23日日曜日

76週目:5月24日~5月30日のリーディングマラソン予定

前週、75週目;鴻上尚史「親の期待に応えなくていい」、小出裕章 「隠される原子力・核の真実―原子力の専門家が原発に反対するわけ」、宮台真司、飯田哲也「原発社会からの離脱―自然エネルギーと共同体自治に向けて」、米本昌平「地球環境問題とは何か」、小出裕章「この国は原発事故から何を学んだのか」の計1,046ページ、75週目までの累計は84,773ページです。

 鴻上尚史「親の期待に応えなくていい」は今年の誕生日に父からプレゼントされた本です。この本は5章に分けて親と子供の関係や接し方についてわかりやすく書いてありました。この本には「親を大切にすること=親の期待に応えることではない」と書いてありました。親は尊敬して大切にすることはとても重要ですが、自分のやりたいことや才能を我慢する必要はないと書いてありました。私の友達にも将来の夢について授業などで触れることがあったとき、「やりたいことはあるけど親の会社を継ぎなさいと言われている、どうしよう」と相談されることがありました。私は自分のやりたいことをさせてもらってるし、将来についても「自分の道は自分で探し自分で切り拓きなさい」と父や母も協力してくださっているので不自由はないですが、友達から相談を受けたり悩んだりしたときはこの本を手に取ってみようと思いました。

 小出裕章 「隠される原子力・核の真実―原子力の専門家が原発に反対するわけ」は核物質についてや、ウランの破壊力などがグラフなどを用いて詳しく書かれていました。原子力という物質について化学的にとても詳しく書いてあったので原子力とはどのようなものかについて、卒業研究の文献としてとても参考になります。

 
 宮台真司、飯田哲也「原発社会からの離脱―自然エネルギーと共同体自治に向けて」は宮台真司さんと飯田哲也さんが原子力発電所について対談したときの内容がまとめてありました。社会学者の宮台さんとエネルギー学者の飯田哲也さんの専門家の方々の考え書いてありました。原子力発電所について専門家の方はどのような意見を持っているのかがこの本を通して知ることができました。

 米本昌平「地球環境問題とは何か」は原子力発電所ではなく地球の環境問題に焦点を当てた本でした。私は水力発電や火力発電、太陽光発電などが原子力発電所にとって変わることはできないのかと考えたことがあるのでもう少し視野の広い本も参考にしました。この本にはほかにも世界の環境問題の取り組みや歴史についても書いてありました。

 小出裕章「この国は原発事故から何を学んだのか」は東日本大震災福島第一原子力発電所事故から一年半後に出版された本です。福島第一原子力発電所事故に主に焦点を当てているので事故以前の設備、被害、国の対応などが詳しく書いてありました。一つの事故について深く書いてあったので研究の文献としてとても向いていると思いました。

上の4冊は「情報カード」というものを使って内容を整理しています。この「情報カード」をつかってレポートの構成を立てています。

76週目:5月24日~5月30日は次の本(計1,065 ページ)でリーディングマラソンの予定です。
・ハッピー「福島第一原発収束作業日記: 3.11からの700日間」(河出書房新社)P256
・NHKスペシャル『メルトダウン』取材班「福島第一原発 1号機冷却『失敗の本質』」(講談社現代新書)P288
・高木仁三郎「原子力神話からの解放―日本を滅ぼす九つの呪縛」(光文社)P281
・新藤宗幸「原子力規制委員会―独立・中立という幻想」(岩波新書)P240

2021年5月16日日曜日

75週目:5月17日~5月23日のリーディングマラソン予定

前週、74週目;鳥濱明久「知覧いのちの物語―「特攻の母」と呼ばれた鳥濱トメの生涯」、鳥濱初代「なぜ若者たちは笑顔で飛び立っていったのか」、清武英利「特攻を見送った男の契り」、「陸軍特別攻撃隊の真実 只一筋に征く―愛するものを護るため、大空に飛び立った若者たち」、白井明大(著)、有賀一広(イラスト)「暮らしのならわし十二か月」の計1,016ページ、74週目までの累計は83,727ページです。

 鳥濱明久「知覧いのちの物語―「特攻の母」と呼ばれた鳥濱トメの生涯」はトメさんと特攻隊員の関わりや生い立ちについて書かれていました。私は4年前、家族と「知覧特攻平和会館」へ行きました。訪問した日は、毎年行われている「戦没者慰霊祭」の日にあたり、参加することができました。トメさんの食堂、資料館も訪問しました。この本を読んでトメさんのご家族の方々の支えという存在に改めて気づきました。特にトメさんの旦那さんは、トメさんが憲兵から隠れて特攻隊員の手紙を出しに行ったり時間外営業をしたりしているときも協力してくださったそうです。また、娘さんも「なでしこ隊」として出撃に向かう特攻隊員を見送ったり、お世話したりする役割を担っていたことを知りました。トメさんの陰には家族という大切な支えが大きかったことを認識し直しました。

 鳥濱初代「なぜ若者たちは笑顔で飛び立っていったのか」は題名の通り特攻隊員たちは、なぜ笑顔で出撃していったのか、という疑問について深く考えさせられる本でした。特攻隊員たちは明日出撃が決まるとトメさんの食堂に行き夜を過ごしました。最後の別れの時ほとんどと隊員は笑顔で帰っていったそうです。その当時の情景やトメさん自身の心情などを3代目のおかみである著者が書いた本でした。みんな笑顔でも震えていたり、上の空だった理とやはりつらかったということが本書を読んでいて伝わりました。それでも最後くらいはとトメさんに本音を言う方もいたことを知りました。この本も当時の人たちの気持ちに触れることのできる本でした。

 清武英利「特攻を見送った男の契り」は「万世」という幻の特攻基地について書かれていました。特攻基地といえば、知覧を思い浮かべる人が多いと思います。しかし、知覧の北西20キロに幻の基地「万世」というところがありました。戦後、この基地は忘れ去られた存在でした。当時、第六六戦隊の苗村七郎さんは仙台からこの基地にやってきました。苗村さんは特攻に志願しましたが特攻隊員を見送る側になってしまいました。戦後、苗村さんは、自分だけが生き残ったというつらい思いもちながらも特攻隊について戦後、そして現代に生きる人々に伝えていくために生涯をささげます。私も特攻基地といえば知覧でこの本を読むまでは「万世」という基地の存在を知りませんでした。しかし知覧、万世だけでなくほかの場所からも特攻隊員は出撃に行っていたということを知りました。また、今まで特攻隊員を基地で間近に見ていた方の本を読んだことがなかったのでまた別の視点で当時を知ることができました。

 「陸軍特別攻撃隊の真実 只一筋に征く―愛するものを護るため、大空に飛び立った若者たち」は特攻隊に写真と説明が書いてある写真集とそれについての解説書でした。特攻隊員の方はたくさんいますが一人一人大切なエピソードありそれがこの写真集に収められていて当時の情景を想像することができました。実際の写真を眺めていると、そこにいる若者たちがとても身近に感じられ、目の前にいるように思いました。彼らはあの時代に、懸命に、誠実に生きていた、と思います。ただ、トメさんの本にも書いてありましたが笑顔の写真がとても多いように感じましたが、彼らの本当の気持ち、本心はどうだったのかがとても気になりました。

 白井明大(著)、有賀一広(イラスト)「暮らしのならわし十二か月」は日本の伝統食や行事について絵付きで書かれていました。今は正月などに親戚一同で集まってお祝いしたりお盆の日にお供えをしてみんなで提灯を持って歩いたりということをする家庭は少なくなったと思います。私もあまり経験がありません。だから、この本に書いてあることは新鮮なものが多かったです。昔の人たちにとっては当たり前だったことが今は新鮮に感じられると伊野は時代が大きく変わっている証拠だなと思いました。この本に載っていることをすべて行うのは難しいですが、今日は○○の日だと心にとめて生活したいです。また、たまには家族でこのような行事をしてみたいとも思いました。

75週目:5月17日~5月23日は次の本(計1,046 ページ)でリーディングマラソンの予定です。
 *中学校の卒業研究テーマ「原発と私たちの社会」について文献カードを作成しています。関連資料、書籍を精読する必要があり、以前、リーディングマラソンで何度か取り上げた本が重複します。
 
・鴻上尚史「親の期待に応えなくていい」(小学館Youth Books)P192 
・小出裕章 「隠される原子力・核の真実―原子力の専門家が原発に反対するわけ」(創史社)P157
・宮台真司、飯田哲也「原発社会からの離脱―自然エネルギーと共同体自治に向けて」(講談社現代新書)P208
・米本昌平「地球環境問題とは何か」(岩波新書)P265
・小出裕章「この国は原発事故から何を学んだのか」(幻冬舎ルネッサンス新書)P224

2021年5月9日日曜日

74週目:5月10日~5月16日のリーディングマラソン予定

前週、73週目;ダニエル グリーンバーグ、大沼 安史(翻訳)「世界一素敵な学校 -サドベリー・バレー物語-」、ランディ パウシュ、矢羽野 薫(翻訳)「最後の授業 -ぼくの命があるうちに-」、苅谷剛彦「学校って何だろう-教育の社会学入門-」、藤原和博「お金じゃ買えない。-[よのなか]の歩き方(1)- 」の計1,037ページ、73週目までの累計は82,711ページです。

 ダニエル グリーンバーグ、大沼 安史(翻訳)「世界一素敵な学校 -サドベリー・バレー物語-」は、カリキュラムも試験による点数も卒業証書もない「世界一自由な学校」と呼ばれているアメリカの「サドベリー・バレー校」について書かれた本でした。私はこの本を読んでこんな学校に行ってみたいと強く思いました。この学校は点数や成績による人の価値ではなく本当に自分のやりたいことを最後までやり遂げた人を評価するところです。学歴にとらわれず好きなことを伸ばして社会性を身に着けていったほうが将来ものすごく役にたつのではないかと思いました。日本にいる私はこの学校に通うことはできませんが、どんな場所にいても、自分で自主的に考え、計画し、行動することはできます。そのような能力を伸ばしていきたいと思いました。 
 
 ランディ パウシュ、矢羽野 薫(翻訳)「最後の授業 -ぼくの命があるうちに-」はカーネギーメロン大学の終身教授でコンピュータ科学やマンマシンインタフェースを専門としている著者が最後に行った講義の内容がまとめられていました。この話の最初は著者の自己紹介や体験について書いてありましたが、後半は人生を支える感動する言葉や、行動するモチベーションが出る言葉がたくさん載っていました。「人にしてもたっらことを人にしてあげる」「自分の常識にとらわれない」など教訓になる言葉がたくさん書いてありました。私は「自分の常識にとらわれない」が一番心に刺さりました。自分の考えをもって意見したり発言したりするのはいいですがそれは自分の見た世界で考えたことに過ぎないということに気が付きました。物事には様々な側面があります。人にも良いところと悪いところがあります。このように自分の見て感じたものだけがすべてだと思わず様々な側面から物事を考えられる人になりたいと思いました。ランディ・パウシュさんは、この「最後の授業」から約1年余り後に病気で亡くなっています。文字どおり、「最後の授業」を前向きで幼い頃の夢を一つ一つ叶えていき、人生を生き切った彼をとても尊敬します。この講義は、DVD付属もありますし、YouTubeでも公開されています。
 
 苅谷剛彦「学校って何だろう-教育の社会学入門-」は「どうして勉強しなければいけないの?」「どうして校則で靴下の色まで決められているの」などという子供たちの疑問を通して『学ぶことの意味』を考える本でした。私は第3章が最も印象に残りました。第3章は「学校の校則」について書いてありました。この章には校則があることによって一体感が生まれるという良い部分と髪形などは自由を奪うのではないかという否定的な意見の二つの意見が述べられていました。両方の視点から書かれているのがいいと私は思いました。また、本の中でそれぞれの問いに対して「模範解答」をはっきりと述べず、このことについて皆さんはどう思いますか?などと疑問形になっているのもよいと思いました。

 藤原和博「お金じゃ買えない。-[よのなか]の歩き方(1)- は「よのなか」にはどうして勝ち組と負け組が生じるのか。どうすれば満ち足りた生き方を手にできるかという疑問から始まります。この本の著者、藤原さんは《スーパーサラリーマン》と異名を持つ方です。私は第一章の「会社ではなく働き方から変えてみる」という所が印象的でした。会社や学校という組織に対して不満があるかもしれませんがそれでイライラするだけで終わるのではなく自分自身の考え方や仕事の仕方を変えて少しずつ良くしていくことが大切だということを学びました。大人になってから改めて読みたい本です。

74週目:5月10日~5月16日は次の本(計1,016ページ)でリーディングマラソンの予定です。
・鳥濱明久「知覧いのちの物語―「特攻の母」と呼ばれた鳥濱トメの生涯」(きずな出版)P240
・鳥濱初代「なぜ若者たちは笑顔で飛び立っていったのか」(致知出版社)P192
・清武英利「特攻を見送った男の契り」(WAC BUNKO)P224
・「陸軍特別攻撃隊の真実 只一筋に征く―愛するものを護るため、大空に飛び立った若者たち」(ザメディアジョン)P96
・白井明大(著)、有賀一広(イラスト)「暮らしのならわし十二か月」(飛鳥新社)P264

2021年5月2日日曜日

73週目:5月3日~5月9日のリーディングマラソン予定

前週、72週目;橋爪大三郎「面白くて眠れなくなる社会学」、重松清「とんび」、重松清「その日のまえに」、阿久悠「凛とした女の子におなりなさい-日本人らしいひと-」の計1,126ページ、72週目までの累計は81,674ページです。

 橋爪大三郎「面白くて眠れなくなる社会学」は『言語』や『戦争』から『結婚』など社会の成り立ちについて『なぜ?』を中心に解説しているとても面白い本でした。私が一番面白いと思ったお話は『憲法』です。この本には憲法は「国民から国に宛てた手紙」だと書いてありました。確かに憲法と聞くと少し堅苦しいように感じますが、私たちから国の政治家に対して約束された手紙だとするとわかりやすいです。私は社会は得意なのですが、公民分野が少し苦手でした。理由は言葉が少し難しいものが多くて覚えにくかったからだと思います。しかし、この本には難しい言葉や意味が分かりやすくかつ面白く書いてあったので頭の中にすんなりと入っていきました。他にも様々な社会を形成しているものをわかりやすく解説してあり、教科書と一緒に読むと理解しやすいと思いました。

 重松清「とんび」父親と子供の成長を描いた物語でした。舞台は広島県備後市です。登場人物であるヤスさんと妻の美佐子の間アキラという男の子が生まれます。ヤスさんと美佐子はアキラは幸せな日々を送ります。しかしアキラが4歳になったとき職場の事故でアイラを守るために美佐子は亡くなってしまいます。この事件からヤスさんは男手ひとつでアキラを育てることになります。しかし、もともと不器用なヤスさんが突然子育てをすることは難しいです。アキラはヤスさんとは正反対に頭の良いおとなしい子に育っていきます。しかし、アキラは大きくなるにつれてなぜ母親がいないかなど両親に対して疑問を抱き始めます。この本は親の気持ちと子供の気持ちが3人称を使ってわかりやすく描かれています。この本は来年映画化もされます。きっと子供も大人も共感しながら読むこと、見ることのできる作品だと思いました。

 重松清「その日のまえに」は人の死について考える連続短編集でした。私は『潮騒』が一番心に残りました。主人公は佐藤俊治(シュン)です。シュンはある日、
ガンの宣告を受け自分が余命3か月ということを知ります。シュンは小学生の頃、同級生のオカちゃんという子を海で亡くしています。シュンはオカちゃんからその日一緒に海に行こうと誘われていましたが断っていました。そして、ガキ大将だった石川に人殺しと言われたり、オカちゃんのお母さんは息子を失った悲しみからおかしくなってしまったりします。それから約30年たった今シュンは海で石川と話そうと思っていました。しかし3か月しか自分の命がない・・・ この本はシュンが余命3か月の中で何を優先させて生活していくのかをリアルに描いていました。実際、もし私が余命3か月を言われたら残りの日数は何をして過ごすのだろうと、ふと考えてしまいました。今週読んだ重松清さんの『とんび』『その日のまえに』の2冊はどちらとも死と隣人の大切さについて深く考えさせられる本でした。

 阿久悠「凛とした女の子におなりなさい-日本人らしいひと-」は詩集でした。私が一番印象深かった詩は、本の表題にもなっているP53 の『凛とした女の子におなりなさい』です。この詩には女の子だからと言ってめそめそしたり、他人を頼りにしたりしなくてもよいと書いてありました。また、男の人は守りたいと思うかもしれませんが、嫌なことははっきり言いなさい、自由に行きなさい、強く生きなさいと書いてありました。私はこの詩を読んで女の人だから、男の人だから、という性別にとらわれず、自由に自分で考えて生きようと思いました。また自分自身を養って自立するためにも今からしっかりと教養を身に着けておこうと思いました。

73週目:5月3日~5月9日は次の本(計1,037ページ)でリーディングマラソンの予定です。
・ ダニエル グリーンバーグ、大沼 安史(翻訳)「世界一素敵な学校 -サドベリー・バレー物語-」(緑風出版)P312
・ランディ パウシュ、矢羽野 薫(翻訳)「最後の授業 -ぼくの命があるうちに-」(ランダムハウス講談社)P256
・苅谷剛彦「学校って何だろう-教育の社会学入門-」(ちくま文庫)P248
・藤原和博「お金じゃ買えない。-[よのなか]の歩き方(1)- 」(ちくま文庫)P221