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2020年6月28日日曜日

29週目:6月29日~7月5日のリーディングマラソン予定

前週、28週:上橋菜穂子「鹿の王3」、ブレディみかこ「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」、高木仁三郎「新版 元素の小辞典」、左巻健男「面白くて眠れなくなる元素」の計1,006ページ、28週目までの累計は31,568ページです。

 上橋菜穂子「鹿の王3」は、前週から引き続き第3巻を読みました。今回は、ヴァンとともに奇跡的に生き残った『ユナ』という幼子が攫われたところから物語は始まります。ヴァンは『ユナ』を探します。そして、『ユナ』をさらったのが、〈火馬の民〉だと知ります。〈火馬の民〉になぜ『ユナ』をさらったのか聞くと、ヴァンと話したかったからと答えます。その話とは、「なぜ黒狼熱に罹って死ぬものと死なないものがいるのか」、ということでした。ヴァンは、自身の身体に起こった異変の真相を明かされ戸惑います。また、ホッサルは黒狼熱から皆を守るために一人の男を追い始めます。次回は最後の巻(2014年発刊)ですが、どんな結末になるのかとても楽しみです。(「鹿の王」シリーズは、「鹿の王-水底の橋-」が2019年に発表されました。すでに手元にありますので続けて読んでいきたいです)

 ブレディみかこ「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」は、昨年2019年の「ノンフィクション本大賞」を受賞した本です。この本の主人公の男の子は、作者であるブレイディみかこさんの息子さんが、モデルになっています。主人公の、住んでいる地域はいわゆる「いいところ」ではありませんが、男の子はクリスチャンだったのもあり、国の中でもトップクラスの小学校に通っていました。この学校に行ったら、エスカレーター式でまたまたトップクラスの中学校に行くことになっています。学年のほぼ100%が、そのまま系列の学校に進学します。しかし、男の子は仲の良い友達が「(元)底辺学校」に行くことになったため急遽、進学する学校を変更します。この学校は、昔、白人労働者の子が通ってた「(元)底辺学校」です。主人公のような見た目が白人じゃない子はほんのわずかでした。この学校には「人種差別丸出しの子」「ジェンダーを気にする子」など様々な子がいて「いじめ」もありました。そんな一つ一つの出来事を家族で乗り越えていくお話でした。こんな人種差別をするんだ!と驚いたり、今の自分には全く理解できない場面もありましたが、息子と母親であるブレディみかこ3の乗り越え方がすごく前向きで面白かったです!!少しでも多くの人が、声をあげて人種差別的な発言をする人がなくなることをお祈りしたいです。

 高木仁三郎「新版 元素の小辞典」は、元素一つ一つについて見開きでわかりやすく書いてありました。その中で私が興味を持ったのは、「42 モリブデンMo」です。「モリブデリン」の地上の存在度はあまり高くありません。しかし、空気中の質素を生物が固定するのにとても重要な役割を担っています。この分子は、分子量が20万を超える大きなもので構造はまだわかっていません。また、日本語名の「モブデリン」は英語名の「molybdenum」からではなく、ドイツ名の「Molybda”n」からきているそうです。ごくわずかしかないのに、質素を生物が固定するための、大きな役割を担っていることに、興味がわきました。ほかにも初めて聞くようなものが沢山あるので詳しく調べてみます。

 左巻健男「面白くて眠れなくなる元素」は、高木仁三郎「新版 元素の小辞典」と合わせて読みました。重要な元素は、たくさんのページを使って書いてありましたが、2ページで収まるものは見開きでした。こちらの本のほうが、それぞれの元素の特徴をさらに別の観点から書いてありました。高木仁三郎「新版 元素の小辞典」で興味があると書いた「42 モリブデンMo」について、この本を読んで新たなことを知ることができました。まず、融点が2,620度ということです。とても高いです。また、あらゆる生物にとって必須元素で、人間の体重1㎏あたり0.1g含まれているそうです。2つの本には、同じ元素について多様な観点から情報が書いてあり、「42 モリブデンMo」についてより詳しく知ることができました。ほかの物質についてもたくさんの本を読み深めていきたいです。

29週目:6月29日~7月5日は次の本(計1,232ページ)でリーディングマラソンの予定です。
・上橋菜穂子「鹿の王4」(角川文庫)P350
・湊かなえ「高校入試」(角川文庫)P427 *カドフェス2020
・久留飛克明「家の中のすごい生き物図鑑」(山と渓谷社)P174
・高木仁三郎「原子力神話からの解放-日本を滅ぼす9つの呪縛」(光文社)P281

2020年6月21日日曜日

28週目:6月22日~28日のリーディングマラソン予定

前週、27週:上橋菜穂子「鹿の王2」、安田浩一「学校では教えてくれない差別と排除の話」、レイチェル・カーソ「沈黙の春、キャスリン・カドリンスキー「レイチェル・カーソン -沈黙の春をこえて」の計1,103ページ、27週目までの累計は30,562ページです。

 上橋菜穂子「鹿の王2」は、先週の1巻に引き続き読みました。今回は、王族たちが黒狼熱にかかり、たくさん亡くなりました。オタワル王国の末裔であるの天才医師ホッサルは、以前から東乎瑠の貴族の不治の病を治してきたためみんなから尊敬されていました。しかし、東乎瑠の医療方法は神様が基準のため話がホッサルと大きくずれてしまいます。また、襲ってきた黒狼が猟犬に見えたことから、誰かが仕組んだのではないかと疑いが出てきます。この後「ヴァン」がどうなるか、ホッサル達は黒狼熱に効く薬を開発できるのかなど次回の第3巻がとても楽しみです。

 安田浩一「学校では教えてくれない差別と排除の話」は、ヘイトスピーチやいじめについて筆者が実際に体験したことと共に書いてありました。私が心に刺さった部分はP111~の「噴き上がるネトウヨ」です。今までの本を読んだりニュースを見たりしてそのような人がいて「死ね」や「うざい」などと心無い言葉を平気で言っているということは知っていました。でも、普通は見知らぬ人や他人に平気で「消えろ」や「死ね」と発言することなんてできません。なぜ、この人たちは平気でそういう発言ができるんだろうと不思議でしょうがなかったです。ネット右翼の人たちには、様々な人がいますがみんな共通しているのは『奪われた感(被害者意識)』を持っていることです。「日本人の生活保護費を奪っているのは朝鮮や韓国の人だ!!」などです。でも実際は、生活保護費を受給している97%は日本人です。ただの偏見だと思います。私はこの話を読んで、朝鮮人が!韓国人が!などと批判をしている人たちは、生活に苦しんでいる日本人の方に何をしているのだろうと思いました。だいたいそういうことを言っている人たちは、家がしっかりある生活には不自由のない人たちです。また、「死ね」などと発言している人たちが、若い人だけでなく、おじいちゃんおばあちゃんなど、高齢者が多いということに驚きました。その年齢の世代の方々の、ご両親は戦争を経験していて礼儀作法や言葉遣いに対しての考え方がたいへん厳しいと思っていたからです。少し発言が上品でない方もいると思いますが、さすがに「うざい」や「消えろ」「きもい」という今の汚い言葉は使わないと思っていたからです。注意しないといけない側の人が使ていることにショックを受けました。こういうことは、韓国人だからや日本人だからという問題ではなく、そういう人間だからだと思います。もう少し冷静になって考えてほしいです。少し、今の世の中に、大人にがっかりしました。私は、そのような言葉を使わないように心がけたいです。

 キャスリン・カドリンスキー、上遠恵子 訳「レイチェル・カーソン -沈黙の春をこえて」は、レイチェルカーソンの伝記でした。私は、レイチェルカーソンの生涯いてあまり詳しく知らなかったので、とても勉強になりました。まず私がすごいと思ったことは、レイチェルカーソンの物事に対しての考え方です。小学生のころから、先を見通して自分のやるべきことを実行し、他人に何を言われようが自分の意思を曲げない姿にとても尊敬しました。何事もまじめに取り組み、自分の好きなことを広げて、夢を実現させ、世界の役に立つ仕事をする。そのようなことを小さい時からわかっていたことに驚きました。レイチェルカーソンは自分の好きな生物学者を将来やりますが、才能を生かしてベストセラー本になる、本をたくさん書いていることは、すごく理想です。私も何をやっても完ぺきにこなし、自分の好きなことができるような大人になりたいです。

 レイチェル・カーソン「沈黙の春」は、全世界で起きている環境破壊について書かれた本でした。少し難しかったです。私の今年の研究テーマが「環境問題」で、私は「原子力」など人間と自然の関係について調べます。この本は、はっきりと人間のしてきた過ちが書いてあるのでとても参考になりました。レイチェルカーソンがこの本を出していなかったら、私たちがこの環境破壊について気付くのが数十年遅れていたかもしれないとも言われています。それほど全世界に大きな影響を与えた本なんだと実感しました。どの章も初めて知ることや人間の恐ろしさに驚き心に深く残っていますが、特に心に残った場面は、P205~の「空からの一斉爆撃」です。これは、1950年代後半にアメリカで起こった2つの大量スプレー計画を例に書いています。1950年代後半、外国から入ってきたマイマイガとヒアリを突然駆除しよう農務省防除局が発表します。私は、その駆除の仕方に驚きました。今まで使っていた薬よりもより強力な毒薬を、その適性量も他の生物の影響も調べずに上からただ闇雲にスプレーのようにまき散らしたというのです。当然、長年自然で生きているマイマイガとヒアリを完全に駆除できず失敗に終わってしまいます。しかし、ここでは終わらず、《マイマイガを1匹残らず根絶しよう》言い出します。何度もそのようなことを繰り返し、各地では、苦情の声が相次ぎます。そんな声も無視して毎年のようにやります。マイマイガは森林にすむため、都会や、畑、牧場にはいないのに一面無差別に毒薬を浴びせかけました。畑仕事をしていた主婦や、遊んでいる子供たちの体は殺虫剤で濡れ、自動車にしみが付き、鳥も馬もカニもすべて皆殺しになりました。また、スプレーをかけないと嘘をついてかけたり、裁判の訴えを無視したりしました。結果、目的であるマイマイガは、ほとんど死んでいません。私は本当にひどい話だと思いました。これが現実に行われたこととは信じられません。農務省の人たちは自分の住んでいる場所がもしそんな目にあったらどう思うのでしょう。無謀なことを自分たちとは全く関係のない場所でやってもなんとも思わない心がかわいそうになりました。そこには、都市などに作った農作物を打って生活している人がいるのに、もしその人たちが農作物を作れなくなったら困るのは食料の入ってこない都市なのに、と思いました。こんなことが平気で繰り返されていることを知らなかったので、とてもショックを受けました。発展した社会で車の排気ガスなど完全になくすことのできないものはあると思います。でも、このように人間の勝手でやっていることをなくせばもっと自然は豊かになると思います。本にも書いてありましたが、自然は、自然を傷つけた人間に対して復讐をします。必ず、いつか、するのです。人間はその愚かさと傲慢さ早く気づき、自然の前に謙虚になるべきだと思います。

28週目:6月22日~6月28日は次の本(計1,006ページ)でリーディングマラソンの予定です。
・上橋菜穂子「鹿の王3」(角川文庫)P270
・ブレディみかこ「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」(新潮社)P252
・高木仁三郎「新版 元素の小辞典」(岩波ジュニア新書)P219
・左巻健男「面白くて眠れなくなる元素」(PHP研究所)P265

2020年6月14日日曜日

27週目:6月15日~21日のリーディングマラソン予定

前週、26週:茨城のり子「ハングルへの旅」、上橋菜穂子「鹿の王1」、内山節「日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか」、小出裕章「原発のウソ」、小出裕章「100年後の人々へ」の計1,103ページ、26週目までの累計は29,489ページです。

 茨城のり子「ハングルへの旅」は、詩人である茨木のり子さんの本です。ほとんどがエッセイでしたが、時々詩も出て来ました。私は、韓国の音楽や文化に興味があり韓国語について知りたいなと思っていたので、この本を手に取ってみました。私は、P83~の「日本とハングルの間~名詞くらべ~」というお話が面白かったです。この章では、日本語と韓国語の名詞を、音だけとって一覧にして並べてありました。するとあることに私は気が付きました。〈さくら→ポッコッ〉等と、全く似ていない音もありますが、〈なむあみだぶつ→ナムアミタブル〉等の文化、歴史に関わる言葉は発音が似ていたのです。隣国だからこそ、文化をお互い共有しあっているため、共通しているところがたくさんある、ということを改めて実感しました。また、当時ハングルを勉強することに対して、周囲の偏見のようなものを感じていたことが記されていて、今の時代の雰囲気につながるものだと感じました。私たちの世代はそういうものは全くないので隣国同士、良い関係を築いていけると信じたいです。

 上橋菜穂子「鹿の王1」は、すごくドキドキし続きが早く読みたくなるような本でした。主人公は、大帝国である東乎瑠から故郷を守るため、死兵として誕生した「独角」のリーダーである『ヴァン』です。1巻目は、ヴァンがどうして岩塩鉱に送られたのか、どうして、一人生き残り旅をすることになったのか、少女ユナとはどのようにして出会ったのかが描かれていました。私は、「鹿の王」の内容を全く知らないので、これからヴァンにどのようなことが起きるのか、まったくわかりません。この本が、こんなに面白いとは思っていなかったです。しかも、謎の病、古き疫病(黒狼病)の話など、今、私たちが直面している新型コロナウィルス感染症とつながります。次の第2巻がすごく楽しみです。

 内山節「日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか」は、題名が面白そうだったので、手に取ってみました。1965年まではキツネと人間の物語がたくさんあったそうです。しかし、1965年を境にそのような物語は全く出てこなくなりました。理由は、1965年以前と1965年以降の日本の暮らしの変化です。歴史は、生命と結びつくからこそできます。すべてのものを自分の村の中でつくりかえながら生きてきた人達には、生命の継続、身体性の継続、知性の継続が必要でした。人々は、すべてのものの中に、生命の流れを感じていました。それが壊れていったのが1965年ごろでした。高度成長の展開、合理的な社会、都市の隆盛と村の衰弱、様々な変化が1960年代に起こりました。これにより、村でも身体性の歴史や、生命性の歴史が消耗していきました。私は、この本を読んで少し複雑な気持ちになりました。私たちは便利に暮らしていけるように、様々な経済的な変化を繰り返しています。しかし、その背景には、村の衰弱などの自然の長い歴史の衰えがありました。暮らしを便利にするのはとても良いことだが、むやみやたらに自然破壊をすることをもっと減らさなければいけないと、強く感じました。

 小出裕章「原発のウソ」は、今年の私の研究テーマの資料として読みました。この本は、資料などを使った説明文でした。正直、少し難しかったです…。私は、第一章のお話にすごく共感しました。それは、福島第一原子力発電所の事故によって放出された放射線に対しての、「楽観ムード」です。初めは、いつ解決するかもわからないこの事態に、多くの人が西日本や海外に逃げたり、ミネラルウォーターの買い占めをしたり、マスクをつけて歩いたりしていました。しかし、報道が少なくなったのもあり「何とかなりそうじゃないか」という感じが漂っています。この本が書かれたのは、2011年の6月です。事故があってから3か月しかたっていません。3ヶ月しかたっていないのに、こんなにも楽観的な感じが世の中に漂っていたことに驚きました。本当に忘れっぽいのか、慣れるのが早いのか…。こんな感じだから同じことを人間は何度も繰り返すのだなと思いました。大きな事件は、忘れたころにやってくると言われています。もうすぐで、10年がたちます。小学高学年以下の子達は、2011年にまだ生まれていないのです。私も、幼稚園生でその当時はよくわかっていませんでしたが、その時代に生きた人として、事故の正しいことを学び後世に伝えていきたいです。

 小出裕章「100年後の人々へ」も、今年の私の研究テーマとつながるところがあると思い読んでみました。東日本大震災から3年後に書かれた本です。私がこの本を読んで初めて知り、驚いたことは放射線と人間の間に横たわる「時間の差」です。原子力を動かすためのウラン量が半分になるには4,500,000,000(45億)年もかかるということ。東日本大震災で被害にあった福島第一原子力発電所から放出された、セシウム137とストロンチウム90は、100年たっても10分の1の量にならないこと。1,000分の1になるために300年もかかるということ。また、今から原子力を地下に埋めてなくそうとした場合100,000(10万)年も隔離しないといけないということ。父と一緒に、徳川幕府を基準に、セシウム137が残る1,000年という時間と人間の時間がどれほどなのか計算してみると、徳川15代将軍で約250年の治世だったのだから、1,000年だと約60代もの将軍が必要になります。日本の歴史にそんな時代はないです(天皇家の場合は謎ですが)。長生きした人や若くして亡くなった人などがいるため、誤差がありますが、数十世代かかるのは確かだと思います。1,000年で60世代です…。この0の数がすごくて何が何だかわからなくなりそうでした。人類は、自分たちで手に負えるはずのないものを管理しようとしていることを知りました。特に、東電の責任者は、責任をしっかりと取るべきだと思いました。この人類の過ちは、忘れてはいけないと思います。

27週目:6月15日~6月21日は次の本(計1,073ページ)でリーディングマラソンの予定です。
・上橋菜穂子「鹿の王2」(角川文庫)P333
・安田浩一「学校では教えてくれない差別と排除の話」(皓星社)P221
・レイチェル・カーソン、青樹簗一 訳「沈黙の春」(新潮文庫)P394
・キャスリン・カドリンスキー、上遠恵子 訳「レイチェル・カーソン -沈黙の春をこえて」(祐学社)P125

2020年6月7日日曜日

26週目:6月8日~14日のリーディングマラソン予定

前週、25週:山田悠介「ニホンブンレツ」石田淳「図解うまくなる技術ー行動科学を使った自己成長の教科書」、田向健一「生き物と向き合う仕事」、椋鳩十「命ということ 心ということ」、石黒浩「人間とロボットの法則」の計1,072ページ、25週目までの累計は28,386ページです。

 山田悠介「ニホンブンレツ」は、先週、外薗昌也「エマージング」を先に読んだので今週、リーディングマラソンしました。このお話は、静岡県浜松市を境に東と西に分かれてしまった日本が舞台です。東西に壁ができた時、たまたま東と西に分かれてしまった恵美と博文が主人公です。博文が恋人の恵美に会いたいがためにたいへん危険なことを侵してまで西日本に会いに行ったことに私は感動しました。しかし、行った先の西日本はとんでもない階級制度と独裁社会になっていました。読みながら登場人物の気持ちになってしまい、日本をこのような状況にした西日本の総統「横山」を殴りたくなりました。最後まで二人は一緒に生き延びようとしますが、捕まってしまい博文が殺されたことには、非常に驚きまた悲しくなりました。最後はハッピーエンドだと思っていたのでショックでした。もし、今の日本がこのような状況になったらと考えると恐ろしいです。監視社会、独裁社会…絶対に嫌です。でも、戦中のドイツなどは、ヒトラーの独裁でユダヤ人の人々を虐待していたことを考えると小説の中だけの話ではないのだなぁ、と感じました。日本がこんなことにならないと信じていますが、早く戦争のない平和な世界になることをお祈りしています。この本は怖い内容ですが、すごく感動するので是非読んでみてください。

 石田淳「図解うまくなる技術ー行動科学を使った自己成長の教科書」は、何をやってもこなせるような人になるための技術の書いてある本です。イラスト付きでとても分かりやすかったです。何事も「~したい」という気持ちが大事だと学びました。もし、楽しんだり望んでやったりするような気持ちになれないことでも、「楽しい」「~したい」などと言い聞かせて取り組みたいです。何事も、楽しんでやることが大事だと改めて学ぶことができました。

 
 田向健一「生き物と向き合う仕事」は、獣医である方の書いた本です。田向健一さんは、アマゾンやガラパゴス、ボルネオなどに足を運び、そこに暮らす珍獣を診るという普通の獣医さんとは少し違った獣医さんです。もちろん、犬猫なども診ることができ、ほとんどの動物の治療をすることができます。私は将来、獣医になりたいのですが、ペットのお医者さんではなく、サバンナや熱帯雨林に暮らす動物を診ることのできるようになりたいです。田向さんのエッセイ本はとても将来のために参考になりました。

 
  椋鳩十「命ということ 心ということ」は、私の大好きな椋鳩十さんが書いた本です。1章が『命』、2章が『心』を大事にした物語が書いてありました。『命』に9話『心』に7話の短編が入っていました。私が心に残ったお話はP54~の「命の木」です。昭和39年、戦後すぐでまだアメリカに占領されていた頃の沖縄県が舞台のお話です。沖縄県猪垣という石垣があります。これはとても長い石垣で、沖縄の人はイノシシと人間の境界線だと思っているそうです。当時の薩摩(鹿児島)に支配されてから、ずっと税の取り立てなどで沖縄は、苦しい思いをしてきました。そんな中でも猪(動物)達には、のびのびと暮らしてほしいという思いから作られたそうです。また、名護市の、車のたくさん通っているところに大木があります。この大木も沖縄の人たちの心がこもっています。太平洋戦争当時、大勢の方が亡くなった沖縄県で生きぬくのはとても大変でした。その大木も県民の方たちとともに苦しい環境を経験しています。
そんな木を、交通の邪魔だからという理由で切り倒すわけにはいかないという思いが込められているそうです。戦争の悲惨さを後世に伝えてれるものを、壊さず大切にしていきたいと思いました。

 石黒浩「人間とロボットの法則」は、正直、内容が少し難しかったです。これからの社会にロボットは必ず出てくると思うし、話の内容が新鮮で面白かったです。ただ、この本にも書いてありましたが、ロボットにはできない、人間の持っているものがあります。それは「心・感情」です。ロボットにも感情は生まれるようになると思いますが、それはあくまでも、人間が作り、コンピューターを入れています。本を読んだ時の読解力や感情の変化は、人それぞれなのでロボットにはできないと思います。人間にしかできないことをすごく大切にしていかないといけないと思いました。ロボットがあるから何もしなくていいやではなく、ロボットを動かすための知識などにも興味を持ち、日々学んでいきたいです。

26週目:6月8日~6月14日は次の本(計1,103ページ)でリーディングマラソンの予定です。
・茨城のり子「ハングルへの旅」(朝日文庫)P262
・上橋菜穂子「鹿の王1」(角川文庫)P296
・内山節「日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか」(講談社現代新書)P178
・小出裕章「原発のウソ」(扶桑社新書)P182
・小出裕章「100年後の人々へ」(集英社新書)P185