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2021年6月27日日曜日

81週目:6月28日~7月4日のリーディングマラソン予定

前週、80週目;新潟日報社 特別取材班「原発と地震-柏崎刈羽「震度7」の警告」、鎌田慧「日本の原発危険地帯」、尾池和夫「新版 活動期に入った地震列島」、渡辺勝巳、JAXA宇宙航空研究開発機構「完全図解・宇宙手帳―世界の宇宙開発活動『全記録』」の計1,339ページ、80週目までの累計は90,036ページです。
 
 新潟日報社 特別取材班「原発と地震-柏崎刈羽「震度7」の警告」は東日本大震災ではなくその4年前に起きた新潟県中越沖地震について書いてありました。私は新潟県中越沖地震によって止まった原子力発電の存在は知っていましたが、何故そこに建てられたのか、などの詳しいことは全く知らなかったので、この本から「地震列島」とも呼ばれる日本における原発問題についての考えを深めることができました。ここの原子力発電所もやはりミスや国策などの様々な陰謀が隠されていました。この本では「原子力の問題が難しいのは大事故を起こしたら終わりだからです」と書いてありました。この本が出版された(2009年)の約2年後、東日本大震災により大きな原発事故が起こってしまいました。この本のように以前から原子力発電所の危険について書いてあるものはたくさんありました。それらを無視して経済的利益などのことだけを考えて今このような事になっていると考えるととても悲しくなりました。
 
 
 鎌田慧「日本の原発危険地帯」は本のタイトルどおり日本にある原子力発電所(特に福島第一原子力発電所)についてとても詳しく書いてありました。東日本大震災直後、福島第一原子力発電所は大打撃を受けました。東京電力と日本政府は20kmほどの住民にしか避難勧告を出しませんでした。また、強制ではなく「勧告」という「お勧めの指示」を出し、何かあっても責任をあまり取られないような表現でした。東電と政府は、原発事故によって影響を受ける住民の命よりも自分たちの立場や組織内での見栄を優先しました。そのため、避難対象になっていない40キロ圏内の汚染は、避難基準の2倍に達している状況になってしまいました。しかも、避難勧告のだされている20キロ圏内には亡くなった方のご遺体も放置されたままでした。これは本の冒頭部分に書かれている表現でしたが、その後も強く印象に残りました。地震が起きて原発大事故がおこってしまった。それも罪を問わなければならないことですが更にこの上の指示、態度は酷いと感じました。
 
 尾池和夫「新版 活動期に入った地震列島」は震災を軽減するために何が必要かについて書いてありました。地震にも様々な規則や種類があり、「都市直下型地震」は読んでいてとても怖いと感じました。阪神・淡路大震災はこの直下型地震でした。自身の揺れを体験出来る車で阪神・淡路大震災で体験したことがありますが、横ではなく思いっきり縦に揺れるので振動が凄かったです。椅子に座っていても机にしがみつかないと落ちてしまうような状態でした。これからも日本では地震が度々起こると思います。その時に最低限のことはしっかりと対策できるように日頃から意識し生活したいです。

  渡辺勝巳、JAXA宇宙航空研究開発機構「完全図解・宇宙手帳―世界の宇宙開発活動『全記録』」は、中学1年の時の研究以来に手に取りました。「宇宙手帳」という名の通り宇宙のこと(特にロケット)について詳しく図鑑のように書いてありました。授業宇宙について学んだり調べたりする時はこの本を持っていると辞書のようでとても便利だと思います!
 
 81週目:6月28日~7月4日は次の本(計1,088ページ)でリーディングマラソンの予定です。
 ・長田弘「長田弘詩集」(ハルキ文庫)P259
 ・大谷美和子「ひかりの季節に」(くもん出版)P203
・広瀬隆、明石昇二郎「原発の闇を暴く」(集英社新書)P256
・ASIOS、アンドリュー・ウォールナー「検証 大震災の予言・陰謀論 “震災文化人たち”の情報は正しいか」(文芸社)P256
・山本義隆「福島の原発事故をめぐって―いくつか学び考えたこと」(みすず書房)P114


2021年6月20日日曜日

80週目:6月21日~6月27日のリーディングマラソン予定

前週、79週目;瀧本哲史「僕は君たちに武器を配りたい」、島村英紀「人はなぜ御用学者になるのか―地震と原発」、内田 樹、中沢新一、平川克美 「大津波と原発」、北村博司「原発を止めた町 新装版―三重・芦浜原発三十七年の闘い」、小畑幸子・小畑太刀「生きた証」の計1,151ページ、79週目までの累計は88,697ページです。

 瀧本哲史「僕は君たちに武器を配りたい」は世の中の理不尽さや、その壁を乗り越えるためにどうすれば良いかについて書かれていました。私が一番将来を切り開いていくために勉強になったのは次の部分です。現代の資本主義社会では、組織や製品に大きな差がなくなりつつあるそうです。そんな中では、高学歴であるなど高いスキルを持っていても代替えが可能なものになってしまいます。そのためこれからは、誰にも代替えすることのできない自分だけの個性を持ったスペシャリストになることが大切だと筆者は言っていました。学歴や人の見よう見まねだけではなくそこから自分だけのものを作り出せるようになりたいです

 村英紀「人はなぜ御用学者になるのか―地震と原発」。御用学者とは政府などの権力者の都合の良い事だけを言う専門家のことを言います。もともとは幕府にやとわれて歴史の編纂などの学術研究を行っていたものをさすそうです。この本には専門家の方たちのことだけではなく地震予知のための本質的な知識と要領についても詳しく書かれていてとても勉強になりました。現在、オリンピックの開催とその感染対策で議論になっている中でも、感染症だけでなく、経済学や社会学、政治学の「専門家」としてメディアで発言している人たちがいますが、果たしてどの人が御用学者で、どの人が「本当の専門家」なのか見分ける力を身につけたいと思います。

 内田樹、中沢新一、平川克美 「大津波と原発」は著者の3人の対談がまとめられた本でした。この対談は東日本大震災から約一か月後に行われました。原発について語られているというよりは、大津波が来た後、原発事故の後の日本社会がどのようになるのか、それはなぜなのかを日本人の思想史や歴史、社会学、宗教学などの立場がから議論されています。津波による原発事故の際、原発のような高度な科学技術が集まった建物に何台もの消防車のホースで一斉に放水して冷却しようとしている画面が何か大きなものに竹槍で突っ込んでいる日本的神話の世界のように見えたとするところは「日本的」でおかしかったです。他の本に比べて分厚くなくわかりやすい本だったと思いました。

 北村博司「原発を止めた町 新装版―三重・芦浜原発三十七年の闘い」は三重県芦浜原発を阻止するために一般市民の方々が手を挙げ勝利するまでを密着して書かれた本です。
中部電力が原発候補地に芦浜を選んだことにより原発反対派と推進派に分かれ親戚同士や友達同士の中にも亀裂が入ることになってしまいます。私は反対派か推進派かに分かれただけで37年間友人や親せきと敵対するほど大きなことだったことに驚きました。でもこの原発候補地は愛知県からもあまり遠くはなく地盤にはプレートのある地域だったのでもし個々の原子力発電所ができて地震が起きたらと思うと反対派が勝ってよかったなと思いました。一方、都市部には作らず、地方に原発を作ってきたこと考えると、地域格差というか何か差別的なものを感じました。

 小畑幸子・小畑太刀「生きた証」の筆者は東日本大震災で旦那さんと息子さんをなくしました。筆者は犬を飼っておりその犬がこの本の文章を書きました。震災後の平成23年から26年までの毎日の様子を詩のように書き章の間に文章でその時の様子が詳しく書かれていました。津波とその後の生活で亡くなった夫と息子さんがこの世に生きていたことを言葉、歌として残そうと、飼い犬の「太刀くん」と語るように短歌で歌っています。第三者のワンちゃん視点から筆者の感情や入院した時など様子が表されていたので精神的にも肉体的にもすごくつらい思いをなさっていたことがわかりました。

80週目:6月21日~6月27日は次の本(計1,339ページ)でリーディングマラソンの予定です。
・新潟日報社 特別取材班「原発と地震-柏崎刈羽「震度7」の警告」(講談社)P282
・鎌田慧「日本の原発危険地帯」(青志社)P344
・尾池和夫「新版 活動期に入った地震列島」(岩波科学ライブラリー)P129
・渡辺勝巳、JAXA宇宙航空研究開発機構「完全図解・宇宙手帳―世界の宇宙開発活動『全記録』」(講談社)P584

2021年6月13日日曜日

79週目:6月14日~6月20日のリーディングマラソン予定

前週、78週目は、週末に体調を崩してしまい、ほぼ1週間静養していました。コロナ渦で普段より心配しましたが、先日の検査でも問題なく、現在回復に向かっています。
ご心配をおかけいたしました。

矢部宏治「日本はなぜ、『基地』と『原発』を止められないのか」、広瀬隆「原子炉時限爆弾」、本間龍「電通と原発報道-巨大広告主と大手広告代理店によるメディア支配のしくみ」、海渡雄一「原発訴訟」、追加で・堀江邦夫「原発労働記」(講談社文庫)P366、鈴木智彦「ヤクザと原発~福島第一潜入記~」(文春文庫)P284の計1,708ページ、78週目までの累計は87,546ページです。

 矢部宏治「日本はなぜ、『基地』と『原発』を止められないのか」は、なぜ米軍基地はなくならないのか?なぜ事故後も原発を続けようとするのか?などの日本のアメリカからの(実質)占領状態について戦後七十年のさまざま謎について詳しく深く書いてある本でした。私はこの本を読んで世界中の独立した主権国の中で日本だけが、自国の領空を他国の軍用機が飛び回っているということを初めて知り驚きました。この本の筆者は、なぜそのようになったか、そのようなおかしな状態が現在も続いているのかの理由について様々な研究をもとに明らかにしています。なぜ、このような状態から脱するために国会は議論しないのか、学校や社会で教えないのか、不思議です。幕末に不平等条約を結ばされ、それを明治の時代を通して解消していった先人たちから学び、リーダーたちは実行してほしいと思いました。今のリーダーができない、期待できないのであれば、わたしたちで何とかしなければいけないのか、とも思いました。

 広瀬隆「原子炉時限爆弾」。今原子力発電所がクリーンエネルギーとして注目されている中、地球では地震などの災害が活発に起こっています。特に地震の多い日本は今大きな災害が起きると首都圏崩壊や全土が廃墟となる可能性が高いそうです。この本ではこうした事故の可能性を予想して原子力の危険性を訴えていました。この本は、東日本大震災が起こる前年2010年に発行されています。これだけのことが予測できているのに、なぜ、十分な対策をしてこなかったのだろう、なぜ、あの史上最も過酷な原発事故を「想定外」と言えるのだろう、と不思議に思います。被災した人々は同じ日本に住む隣人なのに、見たくないこと、都合の悪いことはすぐに忘れてしまおう、と思っているのかもしれません。とても残念ですし、この本に書かれているようにどこでも地震が起こる日本で、もし、東京を中心とした首都圏で大地震が起こったらどうするのだろう、それに対して本当に備えができているのか、と思いました。

 本間龍「電通と原発報道-巨大広告主と大手広告代理店によるメディア支配のしくみ」は事故から約1年後に書かれた本です。この本は元博報堂勤務に勤務していた著者が自身の体験を通して感じた広告代理店について書かれてありました。私は報道の中でも広告代理店などに視点を置いたことがあまりなかったのでとても参考になりました。「原発は安全だ」というイメージ、安全神話が大手広告代理店のメディア戦略によってわたしたちが信じ込まされてきた、また、今も同じようなことが進行中だと思いました。他人事ではない、と思いました。

 海渡雄一「原発訴訟」は原発の建設や運転を止めるために国や電力会社と戦ってきた原発訴訟について詳しく書いてありました。係争中の浜岡原発訴訟などを約30年間にわたって関わってきた弁護士の方が事故後の日本の政治家や東電の様子。反原発の方々の活動など日本の原子力発電所事故への対応がよく分かりました。原発問題は、これまで長年に渡って日本各地で提起され、裁判でも争われていたのに、また、チェルノブイリ事故など海外でも大きな事故があったにも関わらず、なぜ、そういうことから十分学んでこなかったのだろう、と暗い気持ちになりました。

 堀江邦夫「原発労働記」は追加で読みました。この本の著者は原子力発電所の最善である現場で働いてた方です。この本を読んで現場で度々「事故が起きないほうが不思議だ」という会話がされていたことに驚きました。専門家の方々が原子力発電所が危険だ、と忠告しているのは知っていますが、一番近くの現場で働いている方たちが「事故が起きないほうが不思議だ」というほど原子力発電所は人間の手におえなくて危険なもので安全対策を怠っていたということが分かりました。

 
 鈴木智彦「ヤクザと原発~福島第一潜入記~」も追加で読みました。この本の著者は暴力団専門ライターの方です。著者がジャーナリストとして初めて福島第一原子力発電所に潜入したとき4ミリシーベルトを浴びてしまい防護服のため熱中症でこん睡状態になるという体験をされました。このような過酷な状況やヤクザと原子力発電所の深い関わりなどをすべて自身の体験で書かれた本でした。ヤクザと原発がこんなに関係があることを知って驚きました。何か普段の生活、新聞などのニュース報道ではこういうことが表に出てこないのだなと思いました。2冊とも著者が一番近くで働いていたからこそ感じることなどが詳しく書いてあり参考になりました。

79週目:6月14日~6月20日は次の本(計1,151 ページ)でリーディングマラソンの予定です。
・瀧本哲史「僕は君たちに武器を配りたい」(講談社)P296
・島村英紀「人はなぜ御用学者になるのか―地震と原発」(花伝社)P251
・内田 樹、中沢新一、平川克美 「大津波と原発」(朝日新聞出版)P120
・北村博司「原発を止めた町 新装版―三重・芦浜原発三十七年の闘い」(現代書館)P228
・小畑幸子・小畑太刀「生きた証」(大槌新聞:大槌ぶんこ)P256

2021年6月6日日曜日

78周目:体調不良

 体調不良のため、回復しましたら次週以降に更新いたします。