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2020年4月26日日曜日

20週目:4月27日~5月3日のリーディングマラソン予定

前週:有川浩「図書館戦争ー図書館戦争シリーズ2」、山田悠介「僕はロボットごしの君に恋をする」、アーネスト・T・シートン、今泉吉晴 訳「シートン動物記 オオカミ王ロボ」、佐治晴夫「14歳からの時間論」の計1,079ページ、19週目までの累計は、21,093ページです。

 有川浩「図書館戦争ー図書館戦争シリーズ2」は、先週に引き続き「図書館戦争シリーズ」の第2巻です。今回は「恋愛」が主なテーマとして書かれていました。郁は仕事で手塚という人に出会います。はじめ手塚は冷たく不愛想でした。そのため郁との関係はあまりうまくいっていませんでした。しかし、ある時に起きた事件で郁は手塚に足りないことに気づきアドバイスをします。このことがきっかけで手塚は、郁のことが好きになります。しかし、郁は手塚の兄の考えた策に引っかかってしまいます。手塚も兄のことが好きでなかったので郁のことを助けようとします。でも最後に郁を助けたのは、あの「堂上教官」でした。ここで三角関係が生まれてしまいます。つづきは、3巻で楽しみにしています。この巻では、手塚と郁の恋愛が主なのかな、と私は思って読み進めていました。しかし、恋愛の話は次なる展開で続いていきます。
今度は、優しくてみんなから人気のえう王子様キャラである小牧教官の恋愛話にうつっていきます。「中澤鞠江」という耳の不自由な女の子がいました。鞠江は耳が不自由なこともあり、小さい時から小牧教官に面倒を見てもらっていました。いつも優しくしてくれる小牧教官のことが好きでした。しかし、良化隊という検閲機関の人たちが図書隊を襲撃します。そして無罪の毬江を連行していきます。図書隊は、毬江を取り戻すために戦いに行くのです。途中、ハラハラさせられましたが、結局のところ、最後はハッピーエンドになるお話だったのでホッとしました。シリーズはまだ続いていきますが、毬江ちゃんの恋が実るといいです。

 山田悠介「僕はロボットごしの君に恋をする」は、友達に勧められて読んだ本です。この本の舞台は今から40年後の未来、「2060年の東京」です。この物語の主人公は、「大沢健」という社会人です。健には「陽一郎」という幼馴染がいます。健は、陽一郎と同じ会社で仕事をしています。陽一郎は、健と正反対で頭がよくスーポーツ万能でイケメンで完璧です。だから、健と陽一郎は、同じ会社の中でも全く別の仕事をする課に所属しています。そんな陽一郎には「咲」という妹がいます。陽一郎と咲は、中高生の時に両親を飛行機の事故で亡くしています。そのため、陽一郎が咲きの親のように過ごしてきました。健は、咲のことが昔から好きでした。そんな中、健と咲と陽一郎の暮らす「2060年の東京はオリンピック開催」を控えていました。そして、その東京では「人型ロボットを使った国家的極秘プロジェクト」が進められていました。健と陽一郎はその開発プロジェクトに関わっていました。健の担当しているロボットは、3号という名前です。2060年は、ロボットの開発がそれまでよりも進んでいました。そのため、お店などではアンドロイドを使っているのをよく見かけます。ある日、健はロボットを使って咲のところに行っていました。その時、3号のいた場所付近で爆発が起こります。それはテロリストによるものでした。しかも、テロリストの予告先出会った会社は、なんと陽一郎の妹で健の想い人咲の勤めている世界的スポーツメーカーのアテネ社だったのです。3号も壊れてしまったため4号で翼という名前になります。健は、アテネ社の警備につきます。翼(4号)を通して健は咲のためにいろいろ気遣ってくれます。そしてテロ予告の日になります。そこで、アテネ社を守るために号は壊れてしまいます。そして犯人を捕まえるために警察が動き出します。私は、こんな結末だとは思っていなかったのでとてもショックでした。咲は翼がロボットでないと思っていたので、優しく励ましてくれる翼のことが好きでした。しかし、テロがきっかけで翼(4号)がロボットだということに気が付きます。咲はショックを受けます。しかし、翼のかけてくれた言葉はすべて健がモニター越しにかけてくれた言葉だと気づきます。ここから私は、咲と健が両思いになりハッピーエンドで終わると思っていました。しかし、話はそうではなく、私は思わず読みながら涙をこぼしてしまいました。山田悠介さんの本は未来を舞台に書いてあることが多いです。山田悠介さんの他の本も買ってもらったのでもっと読んでいきたいです。

 アーネスト・T・シートン「シートン動物記 オオカミ王ロボ」はとても有名な本です。私も小学生のころ何回も読んだことがあります。何回読んでも、その度に違った感動があります。低学年のときは、正直なぜ動物のことが好きなシートンがロボを殺したのかわかりませんでした。ひどい人たちだと思っていました。でも、中学生になって読み返してみると、牧場の人にとっては大切な家畜だし、ロボを捕まえないと代わりに家畜たちが殺されてしまうことを考えると仕方なかったのかもしれない、と思うようになりました。この本は最後に60ページぐらいでロボは本当にいたのか、シートンは絵がうまいが画家なのか、などのQ&Aが載っています。私は、ロボが本当にいるのかについて気になっていたので興味深く読みました。ロボという名前ではないのですが、昔、頭の良い狼がいたことは本当の事実のようです。ロボのモデルはいたということです。
私は動物のお話が大好きなのでシートンの他のシリーズも読んでみたいです。

 佐治晴夫「14歳からの時間論」は、数字を使った時間の使い方について書かれた本でした。私が一番心に残ったお話はP143の『人類は大震災によって生み出された』です。まず地球の上に住んでいる人間にとって『地震は常に私たちとともにある自然現象』ということ最初に理解しなければなりません。遥か大昔アフリカ大陸をとても大きな地震が襲いました。その地震によって地面が浮き上がり、山ができました。山によって雨が降り雨によって森ができました。しかし、平面の土地には雨が降らず乾燥してしまいました。ここに取り残された人間の先祖は、四足歩行から二足歩行になり、乾燥地帯でも生き抜くために頭が大きくなりたくさんの知識を持つようになります。こうして進化していきました。いろいろな自然が関連して進化をしてきたように見えますが、最初は地震によるものだということがとても詳しく、またわかりやすく書いてありました。自然現象によって命を失い、犠牲になる人々が出てしまいます。それは、とても悲しいことです。でも、わたしたち人間が地球上に暮らしている以上、時としてどうしても避けられないことでもあります。自然があるからこそたくさんの生き物が生きることができ、私たちが進化することができたと考えると、まずは自然に感謝し、一日一日を大切にしていきたいと思いました。

20週目:4月27日~5月3日は次の本(計1,151ページ)でリーディングマラソンの予定です。
・有川浩「図書館戦争ー図書館戦争シリーズ3」(角川文庫)P394
・山田悠介「オール」(角川文庫)P318
・チョー・ヒカル、森乃おと「絶滅生物図誌」(雷鳥社)P185
・齋藤孝「だれでも書ける最高の読書感想文」(角川文庫)P254

2020年4月19日日曜日

19週目:4月20日~4月26日のリーディングマラソン予定

前週:堀本裕樹「俳句の図書館」、有川浩「図書館戦争ー図書館戦争シリーズ1」、ヴィクトルト・リプチンスキ「ねじとねじ回しーこの千年で最高の発明をめぐる物語」、土屋健「古生物たちのふしぎな世界」の計1,036ページ、18週目までの累計は、20,014ページです。

 堀本裕樹「俳句の図書館」は、「書庫」「季語」「技法」「暗唱」の4章にわかれて書かれていました。この本は五・七・五で書かれた俳句とその時の情景や作者の気持ちなどが見開き1ページに解説されています。その中で私が最も印象に残った詩を2つ紹介します。
1つ目は、P194の『おでん屋のがんもどき似の主かな』です。この詩を書いた又吉直樹さんは、人間の顔には個性が際立ち多様に変化するから面白いと言っています。おでんの具はそれぞれ形や味が異なります。人間1人1人の個性をおでんに例える発想がユニークだなぁと思いました。また、あるおでん屋の主人の顔が、「がんもどき」に似ていたため、顔(がん)と、おでんの(「がん」もどき)とかけたところも目の付け所がおもしろいと思いました。
2つ目は、P46の『ずぶぬれて犬ころ』です。たった9音の詩です。この詩の作者は住宅顕信さんです。岡山県に生まれ、調理師の専門学校を出た後飲食店で働きます。そのあと市役所に勤めます。市役所に勤めている間に、仏教書に関心を持ち出家をします。そして詩を書き始めるのです。結婚もするのですが、急性骨髄性白血病にかかってしまい子供を引き取って離婚してしまいます。住宅さんは、生涯で281句を残しながらも25歳の若さで亡くなってしまいます。住宅さんは、心のどこかで孤独を感じた一生を送りました。その気持ちは、詩から感じとることができます。この『ずぶぬれて犬ころ』は映画化もされています。2019年6月1日から2020年2月26日まで全国で上映されていましたそうです。わたしは、その時に残念ながら観ていませんでしたが、この本を読んで是非観てみたいと興味がわいたので、ビデオなどで見つけたら観てみたいです。

 有川浩「図書館戦争ー図書館戦争シリーズ1」の世界には、行き過ぎた検閲から本を守るためにできた組織である『図書隊』というものが登場します。このお話は、以前、漫画で読んだことがあったので内容をつかみやすく読みやすかったです。
この本の主人公は「笠原郁」という女の子です。高校時代に自分の身を守ってくれた、王子様を探すために図書隊に入ります。少しボーイッシュで気が強く不器用ですがエリート部隊の図書隊特殊部隊に配属されます。そこには、「堂上篤教官」というイケメンだけど怖い鬼教官がいました。郁と教官はいつも喧嘩ばかりします。そこに本を盗もうとする人が現れます。皆で出動しますが、郁は危ない目にあいます。その時に郁を助けてくれたのはあの鬼教官でした。郁は、だんだん堂上教官の優しさにひかれていきます。この本は、全4巻と別冊が2巻のシリーズです。友情や恋など色々なことがあるのでこの先どうなっていくのかが楽しみです。来週も読みます!

 ヴィクトルト・リプチンスキ「ねじとねじ回しーこの千年で最高の発明をめぐる物語」は、現代様々な機械で使われている「ねじの歴史」をたどった歴史物語でした。この本を読むまで気づきませんでしたが、ねじは机や椅子などの小物から携帯電話などの精密機械まで私たちの身近な生活の広い範囲で使われています。そんなねじの歴史について書いてある本でした。
私がこの本を読んで一番驚いたのは、P149からの『第7章 ねじの父』というお話です。この章には、ギリシア人について書かれていました。今から120年前の1900年、約2000年前の古代の船が見つかってから、それまで、ギリシア人といえば哲学や芸術の分野で有名、という世界のギリシアに対する見方が大きく変わります。その年、海綿採りの船がギリシアとクレタ島に挟まれた場所で、突風のため航路を外れてしまい無人島で風を避けていました。嵐がやみ漁師たちは知らない海で海綿採りを始めます。40メートル以上潜ったところで漁師たちは「あるもの」を見つけます。それは、古代の船の残がいでした。漁師たちは急いで役場に知らせ考古学者が調査をした結果、この船が沈没したのは、紀元前80から50年の間だということがわかりました。引き上げられた数多くの破片は、2000年分の堆積物に覆われていました。そのため、考古学者たちは彫像のほうばかり注目していました。しかし、8か月後堆積物の1つが割れたのです。そこから現れたのは、彫像の破片ではなく腐食して崩れかけた青銅の円盤でした。青銅の円盤には歯車のようなものもついていました。これまで、世界で発見された歯車仕掛けで紀元前1000年以上前のものは見つかっていませんでした。それが、さらに1000年以上も前に、ギリシア人が歯車仕掛けを知っていたことになります。このことによりギリシア人は機械技術に対しても秀でていたということが証明されたのです。私はこの本を読んで「古代の機械」にとても興味がわきました。

 土屋健「古生物たちのふしぎな世界」は、名古屋市科学館で買いました。この本は、恐竜の時代の一世代前である『カンブリア紀、オルドビス紀、シルル紀、デボン紀、石炭紀、ペルム紀』に生きていた古生物について書かれていました。イラストがカラー付きで、古生物のイメージが浮かべやすく、内容も分かりやすかったです。
この本を読んで私は気づいたことがあります。それは、この時代に生きていた古生物たちは、大方が貝類と三葉虫やアノマリカリスのように固い甲羅でおおわれているもの、そして、サメのような大型の肉食魚だということです。また、どの生き物もその色彩が想像以上にカラフルです。目が緑だったり、体がオレンジだったりと、今ではあまり見たことのないような色をしています。この時代の生き物は、虫と魚を合わせたようなものだと思います。三葉虫やアノマリカリスなどは、どちらかというと虫っぽいです。昔と言ったら恐竜などが思い浮かぶためこの時代の生物はあまり知りませんでした。この本を読んで様々な生き物の違いや進化について気づくことができました。

 4月20日~4月26日は次の本(計1,079ページ)でリーディングマラソンの予定です。
・有川浩「図書館戦争ー図書館戦争シリーズ2」(角川文庫)P410
・山田悠介「僕はロボットごしの君に恋をする」(河出書房新書)P252
・アーネスト・T・シートン、今泉吉晴 訳「シートン動物記 オオカミ王ロボ」(童心社)P175
・佐治晴夫「14歳からの時間論」(春秋社)P242

2020年4月12日日曜日

18週目:4月13日~4月19日のリーディングマラソン予定

前週:森 絵都「カラフル」、オリヴァー・サックス「タングステンおじさんー化学と過ごした私の少年時代」、エラ・フランシス・サンダース「翻訳できない世界のことば」、誉田哲也「武士道エイティーン」の計1,183ページ、17週目までの累計は、18,978ページです。

 森 絵都「カラフル」の主人公は、生前犯した罪によって二度と生まれ変わることのできない魂になっていました。ところが、天使の業界の抽選に当たり、生まれ変わることのできるチャンスをつかみます。生まれ変わるには、いくつかの条件がありました。一つ目は、最近死んだ人の体に入り下界でもう一度ホームステイという形で生活をすること。二つ目は、下界でホームステイをしている間に、生前犯した罪を完璧に思い出すことです。ホームステイする体は生前の罪によって決められます。ホームステイをしている最中に抽選に当たったと報告した天使がガイドとして付き添います。主人公の天使は「プラプラ」という名前で、「小林真」という大量の薬を飲んで自殺した少年の体に入ります。ホームステイ先の家族構成は、母、父そして兄の4人家族です。はじめは家族みんな優しそうでほっとしていた主人公ですが、家族の本当の姿を知ることになっていきます。プラプラによると、父は、上司の犯した犯罪によって出世し喜んでいる、自分さえよければいいという人間、母はフラメンコ教室の先生と不倫をしていて、兄は弟の顔を見るたびに身長のことなどをからかって嫌味を言う性格の悪い人間、だったのです。小林真は学校でも内気で友達がほとんどいませんでした。しかし、一つ下の「桑原ひろか」という女の子だけは真に普通の人と同じように接してくれました。そんな「ひろか」は、「真」の初恋の人でもありました。プラプラは主人公に、真の自殺をする前の記録を見せます。「塾の帰りに、桑原寛果が中年の男と腕を組んで歩いているのを目撃した。二人はラブホテルに入っていった。また、同じホテルの出入り口から、真の母とフラメンコの先生が出てきた。その夜、真が家に帰ると兄が青ざめてテレビの前に立っていた。テレビについさっきまで、父親の会社が悪徳商法の容疑で社長と数人の重役が検挙されたと出ていたらしい。兄の満と真は、とても優しい父親のことだからとても落ち込んでいるだろうと思って心配している、と大事な上司が逮捕されたおかげで出世できたと喜んで帰ってきた」と記録には書いてありました。今までいろいろなことがあったけれど、そのことがショックで真は自殺をします。そのことを知ってから真の体に入った主人公は、家族に冷たい態度をとってしまうようになります。また、真は高校三年生ということもあり高校受験を控えていました。真の自殺未遂を知っているのは担任の沢田だけです。しかも、真の成績は、クラスで最下位ぐらいでした。主人公は悩みます。また、真が学校に復帰したときに話しかけてきた同じ美術部員の佐野唱子という女の子がいます。唱子は、真が変わったと仕切りに何をしていたのか聞いてきます。そんな唱子が主人公は苦手になってしまいます。そんなときも主人公は、ホームステイ先の家族になれず冷たい態度をとります。ある日、主人公は、家出まがいのことをし公園で横になっていると、数人の男に襲われ暴力を受け財布などを取られてしまいます。そこに駆け付けたのは兄の満でした。このことがきっかけで、真は家族の本当の気持ちを知ります。私はこの本を読んでいて最後のページのほうまで読み進んでいくうちに、この本の主人公の生前に犯した罪は何だったのか、両親との仲は元に戻るのか、この主人公のホームステイの期間は決まっているから、その時真の家族はどうなるのだろう、と様々な疑問が出てきました。真が両親と兄の本当の気持ちが分かった後に、プラプラがあと24時間で生前の罪を思い出さなければいけないと言います。真は、身近なものを頼りにしながら思い出そうとします。そして、佐野唱子と昔の真と今の真について話していた時に、生前の記憶を思い出します。私は、その結果にびっくりしました。またそういうことだったのか!と納得しました。また、両親が本当は悪い人ではないということに気づけたので本当に良かったと思いました。読後、じんわりと心に沁みてくる本でした。みなさんも是非読んでみてください。

 オリヴァー・サックス「タングステンおじさんー化学と過ごした私の少年時代」は、作者であるオリヴァー・サックスさんの少年時代のエッセイでした。本の大きさの割には字が小さくて少し難しかったです。初めのページのほうにオリヴァー・サックスさんの小さい頃の写真が載っていました。私が一番心に残った場面は、『15 家庭生活――身内の死と発狂した兄』です。目次でこの題名を見た時から内容がすごそうだと思いました。すごく心に残った場面はあまりにも衝撃で今の自分には具体的にイメージがつかめませんでした。それは、サックス少年にとってとてもかけがえのない存在になっていたバーディーおばさんが亡くなるシーンです。バーディーおばさんは、夜中によく急性心不全による心臓性喘息の発作を起こしていました。発作が起きると息が切れ症状を和らげるために半身を起こさないといけません。初めのうちは症状が軽かったものの、だんだん重くなりベッドの横にベルを置き少しでも苦しかったら鳴らすようになっていきました。ある日ベルが鳴りサックスさんの両親がバーディーおばさんのもとへ駆け寄ります。しかし、この日の発作はとても重く口から肺に水がたまり、おぼれかけている状態でした。酸素やモルヒネも聞かずサックスさんのお母さんは、バーディーおばさんの腕を切って瀉血を行いました。サックス少年が部屋に入ったときには、部屋が血で赤く染まっていました。このことは、サックス少年につらいしこりを残します。私は、人間は必ず大切な人とのつらい別れをしないといけない、でもそのつらさを乗り越えて人間が成長していくことをこの本を通じて改めて思いました。今回、内容を理解するのはまだまだ大変だったので、また改めて読みたいです。

 エラ・フランシス・サンダース「翻訳できない世界のことば」は、日本語に翻訳することのできない世界の言語が絵とともに描いてありました。世界の言語では、一つの単語で表せるものが日本語では表せない。また、日本語では一つの単語で表せられるのに世界の言語では表せない。そのような言語がたくさんあることをこの本を読んで初めて知りました。とても面白いと思いました。一番面白いと思ったのは、マレー語のpisang zapra(ピサンザプラ)という言葉です。バナナを食べるときの所要時間を表しています。これは、人やバナナによって変わると思いますが、だいたい一般では2分くらいとされています。つまりマレー語では2分を表すときに、このバナナを食べるときの所要時間であるpisang zapra (ピサンザプラ)と言うのです。すごく面白いと思いました。一つの言語として表せると便利です。だけど、言い表せない感情などを様々な表現で表すのもいいことだと思いました。言語一つ一つにエピソードがあり勉強になりました。

 誉田哲也「武士道エイティーン」は、先週と、先々週に読んだ「武士道シックスティーン」「武士道セブンティーン」の最終巻です。「強さは力」という考えの積極的な香織と、「お気楽不動心」の早苗は高校が離れた後も、良きライバルであり続けていました。しかし、高校3年生になり卒業後の進路に不安を感じ始めます。この最終巻では、最後のインターハイとして決戦での対戦を目指す二人の姿が描かれていました。香織の所属する東松高校と早苗や黒岩伶那の所属する福岡南高校は決勝にコマを進めます。私が心に残った場面はやっぱり決闘のシーンでした。今回の心に残った決闘は、東松高校の磯山香織と福岡南高校の黒岩伶那です。この二人は、どちらも強くて私はどちらが勝つのかとてもドキドキしました。今回の決闘は、香織視点で書いてありました。決闘の中で一番心に残ったのが早苗との出会いや思い出が決闘中に回想として描かれていたところです。青春だなぁと思いました。香織は、3年前の大会で伶那に負けていました。そのおかげで、横浜市民秋季剣道大会に出場し早苗に出会います。香織と全く戦いに対しての考えが違う早苗は、香織に戦う意味とは何かということを教えてくれます。早苗は、香織がどんなつらい経験をした時もいつもそばにいてくれました。離れ離れになってからも早苗の存在は香織の中にあり続けました。香織は、そんな早苗に会う機会をくれた伶那に感謝しています。だからこそ、香織は、伶那に勝とうとします。結果は香織の勝ちでした。しかしどちらも悔いが残っておらず、お互いがこの勝負をやってよかったと思っていることが素晴らしいなと思いました。また、この本を一から読み直したいです。

 4月13日~4月19日は次の本(計1,036ページ)でリーディングマラソンの予定です。
・堀本裕樹「俳句の図書館」(角川文庫)P215
・有川浩「図書館戦争ー図書館戦争シリーズ1」(角川文庫)P398
・ヴィクトルト・リプチンスキ 春日井晶子 訳「ねじとねじ回しーこの千年で最高の発明をめぐる物語」(早川書房)P191
・土屋健「古生物たちのふしぎな世界」(講談社ブルーバックス)P232 

2020年4月5日日曜日

17週目:4月6日~4月12日のリーディングマラソン予定

前週:レマルク「西部戦線異状なし」、石川洋「13歳からの人間学」、椋鳩十「椋鳩十の名犬物語」、誉田哲也「武士道セブンティーン」の計1,166ページ、16周目までの累計は、17,795ページです。

 レマルク「西部戦線異状なし」は、先週読めなかったので今週読みました。正直、読むのにとても時間がかかりました。本文の解釈が難しかったからです。また、登場人物の名前が難しく、ややこしかったです。外国文学を日本語に翻訳された文章を理解することに、私自身がまだ慣れていないからかもしれません。
この本を読んだきっかけは、NHK番組『映像の世紀 第2集:大量殺戮の完成 塹壕の兵士たちは凄まじい兵器の出現を見た』です。この番組に第一次世界大戦中の塹壕での戦いの様子が出てきて、父が「こんな本があるよ」と紹介してくれました。私がこの本ので最も衝撃だったのは「主人公が戦死したこと」です。また主人公だけでなく共に暮らしていた戦友たちのほとんどが亡くなっていったことです。はじめ本を読んだ時に出てきた人たちは、読み進むうちに全員亡くなってしまうのです。また、このお話が映画化されているのもすごいことだと思いました。私は、本を読むときにその本の舞台を想像しながら読んでいます。でも、この本はあまりにも悲惨な場面が多く、そこで行われる兵士同士の休憩や喧嘩などが入り混じっている様子を想像するのがとても大変でした。「映像の世紀」を観た時にも思いましたが、戦争がはじまった1914年7月当初は、みんな「クリスマスまでには帰ってこれるだろう」と思っていて、戦争に行くときの顔が何だか楽しそうでした。この「西部戦線異状なし」にも、はじめ先生たちに口説かれて遊び半分で戦争に出兵していました。私は、戦争は本当にいけないものだと改めて思いました。人間は、時間が経つとその時の気持ちを忘れてしまうと思います。今年、日本にとって先の戦争が終結してから75年目を迎えます。あの時代に生きていた方たちもだんだんと亡くなってきて、あの時の後悔や恐ろしさの記憶が社会の中でだんだんとうすれてきていると思います。核開発も進んでとても危険なものなってきています。私たちは戦争についての本を定期的に読んで、戦争の恐ろしさを忘れないようにしなければいけない、と思いました。

 石川洋「13歳からの人間学」は、4つの章に分かれて書いてありました。第1章から3章は、3つの学校での講演で話した内容が書かれていました。第1章は、樹徳中学・高等学校。第2章は、京陵中学校。第3章は、東野中学校での講演内容でした。私が、この本を読み終えた後に一番心に残っているのは、第3章、P118の『中学時代は自分の色を作り出すとき』です。目次を最初に見ていた時から気になっていたお話です。まず初めに《青》について書かれていました。日本人は、空や海、信号機の色も青といいます。青のことを「アオシ」といいます。アオシとは、判然としないこれから自らの色になっていく色のことです。だから青年という言葉には「これから成長していく」という意味が込められている、と書いてありました。青年といえば「初々しい」「若い」というようなイメージがあり、そこまで深い意味まで考えたことはありませんでした。
さらに中学時代のことを「青雲の志」といいます。この本には、「一生の基礎作りの時期」だと書いてありました。そして、私たち中学生は「緑が濃くなってくる状態」だと書いてありました。ここから自分をどう作っていくかは自分次第です。
最後に、生まれた以上は死ぬまで学び、次世代の人のために尽くしていくものだと書いてありました。私も今、たくさんの知識を身につけ将来社会に貢献できる人になりたいと思いました。

 椋鳩十「椋鳩十の名犬物語」は、全部で5話の名犬の話が載っていました。最後には、椋鳩十さんと名犬のお話が少し書いてありました。私はこの本を読んで心に残ったお話が2つあります。1つ目は、最初のお話である「犬塚」です。鹿児島の紫尾山が舞台です。ある猟師が犬塚を見つけるところから始まります。お話は、そこから60年前にさかのぼります。ある村に「清どん」という猟師がいました。清どんは「アカ」という日本犬を飼っていました。アカの母親はとても姿の良い日本犬でした。アカの兄弟犬たちは生まれてすぐ犬好きの人にもらわれていきました。しかし、アカをもらっていった人は犬好きではなく、良い日本犬を育てて高い値段で売り付けてお金儲けをしようと考えている人でした。アカは成長するにつれ尾がしっかりと巻いていなかったり、耳が片方垂れ下がっていたりと、変な犬になってしまいました。そこでアカは子犬の頃に捨てられ、野良犬になったためとても汚い犬になり、みんなから嫌われるようになりました。ある日、アカはお腹がとても空き清どんお家の庭に潜り込みます。清どんはとても汚いアカにとても優しくしてくれます。そして、アカは清どんに飼われることになります。清どんは、他にもイノシシ犬の「ロク」という犬を飼っていました。ロクは、アカに色々なことを教えてくれました。3年後、アカは立派な「イノシシ犬」になっていました。普通イノシシ狩りは何人もの猟師と犬がいないとできません。しかし、アカがとても優秀だったため清どんはいつも1人で大きなイノシシを捕まえてきました。
この町には、カタヅメというとても大きく賢い歳を取ったイノシシがいました。清どんは、アカとともにカタヅメを狩りに行きます。カタヅメの住処を見つけ、あと一歩というところまで追い詰めます。しかし、怒ったカタヅメからの攻撃をよけた拍子に清どんは足を滑らせ崖の下に落ちてしまいます。意識はあるものの体が動きません。アカは、清どんの危機を感じ急いで家に帰りおばあさんに知らせようとします。しかし、家には清どんの孫が来ていてその孫が高熱を出しバタバタしていました。そんな時にアカがやってきて吠えるのでおばあさんは叱りつけて返してしまいます。清どんとアカは、3日たっても帰ってきません。おばあさんは、その時初めてアカが何かを知らせに来たんだと知ります。大捜索をしますが清どんとアカは見つかりませんでした。2年後、ある猟師が崖の下を歩いていると、人の白骨とそれに横たわる犬の白骨を見つけます。清どんとアカの姿でした。村の人たちは、この犬のために石を積み重ねた塔を作りました。私は、アカが動けなくなった主人のために、最後まで見守り続けて死んでいったことに強く心を打たれました。人間も動物もこの世界に生きる仲間です。私も生き物には優しくしたいと思いました。

 誉田哲也「武士道セブンティーン」は、先週読んだ「武士道シックスティーン」の続きでした。「強さは力」という考えの積極的な香織と「お気楽不動心」の早苗は、自分の目指す剣道に向かって練習をしています。私が一番心に残った場面は、P375からの『24 決闘を申し込みます』です。この章は一番最後の章です。主人公の早苗が剣道のとても強い黒岩伶那に決闘を申し込みます。早苗は、通っている福岡南高校の剣道の指導が自分に合っていないと感じていました。そのため、その前に通っていた東松高校に戻ろうと考えます。しかし、東松高校の磯山さんにまた戻ってもいいかと聞くと「黒岩伶那に負けっぱなしで、尻尾を巻いて逃げてくるような奴は、入れてやらない」と言われてしまいます。そこで、伶那に「果たし状」を書き、決闘を申し込みます。私がなぜこの場面が一番に残ったのかというと、実力に大きな差のある2人の決闘の様子が約5ページにわたって細かく書かれていたからです。伶那の剣が有利な時と、早苗があと一歩というところが繰り返されてどちらが勝つのだろうとドキドキしました。私は、早苗を応援していましたが負けると思っていました。でも最後の最後に勝ってびっくりしました。来週は、最終巻の「武士道エイティーン」を読んでいこうと思います。

4月6日~4月12日は次の本(計1,183ページ)でリーディングマラソンの予定です。
・森 絵都「カラフル」(文春文庫)P259
・オリヴァー・サックス 斉藤隆央 訳「タングステンおじさんー化学と過ごした私の少年時代」(早川書房)P386
・エラ・フランシス・サンダース 前田まゆみ 訳「翻訳できない世界のことば」(創元社)P110
・誉田哲也「武士道エイティーン」(文春文庫)P428