自己紹介

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2021年5月2日日曜日

73週目:5月3日~5月9日のリーディングマラソン予定

前週、72週目;橋爪大三郎「面白くて眠れなくなる社会学」、重松清「とんび」、重松清「その日のまえに」、阿久悠「凛とした女の子におなりなさい-日本人らしいひと-」の計1,126ページ、72週目までの累計は81,674ページです。

 橋爪大三郎「面白くて眠れなくなる社会学」は『言語』や『戦争』から『結婚』など社会の成り立ちについて『なぜ?』を中心に解説しているとても面白い本でした。私が一番面白いと思ったお話は『憲法』です。この本には憲法は「国民から国に宛てた手紙」だと書いてありました。確かに憲法と聞くと少し堅苦しいように感じますが、私たちから国の政治家に対して約束された手紙だとするとわかりやすいです。私は社会は得意なのですが、公民分野が少し苦手でした。理由は言葉が少し難しいものが多くて覚えにくかったからだと思います。しかし、この本には難しい言葉や意味が分かりやすくかつ面白く書いてあったので頭の中にすんなりと入っていきました。他にも様々な社会を形成しているものをわかりやすく解説してあり、教科書と一緒に読むと理解しやすいと思いました。

 重松清「とんび」父親と子供の成長を描いた物語でした。舞台は広島県備後市です。登場人物であるヤスさんと妻の美佐子の間アキラという男の子が生まれます。ヤスさんと美佐子はアキラは幸せな日々を送ります。しかしアキラが4歳になったとき職場の事故でアイラを守るために美佐子は亡くなってしまいます。この事件からヤスさんは男手ひとつでアキラを育てることになります。しかし、もともと不器用なヤスさんが突然子育てをすることは難しいです。アキラはヤスさんとは正反対に頭の良いおとなしい子に育っていきます。しかし、アキラは大きくなるにつれてなぜ母親がいないかなど両親に対して疑問を抱き始めます。この本は親の気持ちと子供の気持ちが3人称を使ってわかりやすく描かれています。この本は来年映画化もされます。きっと子供も大人も共感しながら読むこと、見ることのできる作品だと思いました。

 重松清「その日のまえに」は人の死について考える連続短編集でした。私は『潮騒』が一番心に残りました。主人公は佐藤俊治(シュン)です。シュンはある日、
ガンの宣告を受け自分が余命3か月ということを知ります。シュンは小学生の頃、同級生のオカちゃんという子を海で亡くしています。シュンはオカちゃんからその日一緒に海に行こうと誘われていましたが断っていました。そして、ガキ大将だった石川に人殺しと言われたり、オカちゃんのお母さんは息子を失った悲しみからおかしくなってしまったりします。それから約30年たった今シュンは海で石川と話そうと思っていました。しかし3か月しか自分の命がない・・・ この本はシュンが余命3か月の中で何を優先させて生活していくのかをリアルに描いていました。実際、もし私が余命3か月を言われたら残りの日数は何をして過ごすのだろうと、ふと考えてしまいました。今週読んだ重松清さんの『とんび』『その日のまえに』の2冊はどちらとも死と隣人の大切さについて深く考えさせられる本でした。

 阿久悠「凛とした女の子におなりなさい-日本人らしいひと-」は詩集でした。私が一番印象深かった詩は、本の表題にもなっているP53 の『凛とした女の子におなりなさい』です。この詩には女の子だからと言ってめそめそしたり、他人を頼りにしたりしなくてもよいと書いてありました。また、男の人は守りたいと思うかもしれませんが、嫌なことははっきり言いなさい、自由に行きなさい、強く生きなさいと書いてありました。私はこの詩を読んで女の人だから、男の人だから、という性別にとらわれず、自由に自分で考えて生きようと思いました。また自分自身を養って自立するためにも今からしっかりと教養を身に着けておこうと思いました。

73週目:5月3日~5月9日は次の本(計1,037ページ)でリーディングマラソンの予定です。
・ ダニエル グリーンバーグ、大沼 安史(翻訳)「世界一素敵な学校 -サドベリー・バレー物語-」(緑風出版)P312
・ランディ パウシュ、矢羽野 薫(翻訳)「最後の授業 -ぼくの命があるうちに-」(ランダムハウス講談社)P256
・苅谷剛彦「学校って何だろう-教育の社会学入門-」(ちくま文庫)P248
・藤原和博「お金じゃ買えない。-[よのなか]の歩き方(1)- 」(ちくま文庫)P221