自己紹介

<ユニセフ・フレンドネーションのチャレンジ型プロジェクト>で募金活動をしています。詳細は、上の[リーディングマラソン for チルドレンのページ]をクリックしてください。

2020年7月26日日曜日

33週目:7月27日~8月2日のリーディングマラソン予定

前週、32週:来本昌平「地球環境問題とは何か」、青柳碧人「むかしむかしあるところに、死体がありました」、辻村深月「ツナグ」、童門冬二「渋沢栄一 -人間の礎」、そして予定に加えて、山田悠介「リアル鬼ごっこ」(幻冬舎文庫)P310の計1,520ページ、32週目までの累計は、36,560ページです。

 来本昌平「地球環境問題とは何か」は、先週読めなかったため今週読みました。今年の「私の研究テーマ」の資料として使うため、この本を選びました。とても詳しく書いてあったのですが少し難しかったです。地球環境問題に関する条約など歴史についても書かれていました。書いてある事が、原子力ではなく地球環境問題という大きな枠だったのですが、改めて環境問題の深刻化さを感じました。難しい単位などがあり、分からないところもありましたが、どのグラフや表でも近年は過去に比べてとても増加傾向でした。少し増加ではなく、急激に増加しているグラフもありました。今回は、内容があまり理解できず、さらっと読んでしまったので、次は線を引きながら詳しく細かく読んでいこうと思います。

 青柳碧人「むかしむかしあるところに、死体がありました」は、『一寸法師』『花咲か爺さん』『つるの恩返し』『浦島太郎』『桃太郎』の有名な日本昔話を、推理系にした本でした。『浦島太郎』のお話では、竜宮城に行ったときに起こった事件に浦島太郎が巻き込まれてしまいます。カメを助けたお礼で、竜宮城に招待され大宴会をしている時、「伊勢海老のおいせ」が殺されてしまいます。浦島太郎は、犯人を見つけ出し人間の世界に帰り年をとってしまいます。そこで初めて、色々な謎が解けたのです。ひとつひとつの話はそこまで長くはなく推理もとても簡単ですが、後から一気に謎が解けていくので、とても面白かったです。

 辻村深月「ツナグ」は、俳優の芦田愛菜ちゃんが「まなの本棚」の中でお勧めしていたので買ってみました。5つの物語が入っていました。一生に一度だけ死者との再会をかなえてくれる「使者(ツナグ)」が、どの短編集にも共通してでてくる登場人物です。ツナグに依頼すると、一晩だけ亡くなってしまった人に会うことができます。私が一番感動したのは3話の『親友の心得』です。主人公は、嵐という女の子です。嵐は、中学生のころまで友達も特にいないクールな子でした。そんな嵐に高校に入ってから「御園」という親友ができます。嵐と同じ演劇部だったことから、仲が良くなりました。今まで嵐のオタク話についてこれる人がいなかったのですが、御園も同じくらい詳しくて二人は意気投合します。嵐は、可愛く演技がうまいため演劇部で主役をよくやっていました。嵐を支えてくれるのはいつも御園でした。そんな高校ライフを送っていた二人にとって最後の演劇の大会がやってきます。主役決めには嵐が当然、立候補しました。しかし御園も立候補しました。少し気まずくなった二人でしたが、学校ではいつも一緒にいました。ある日、御園が「私には適わないよ」と言っているのを嵐は聞いてしまいます。裏切られた気持ちなどが入り混じって、二人の仲はこじれてしまします。嵐は、悔しくて御園のいつも通る坂に水をかけてしまいます。その翌日の朝、御園が交通事故にあって死んでしまいます。嵐は、自分がかけた水にが凍り滑ったのだと思いショックと後悔でいっぱいになります。そして、ツナグに依頼して御園に会います。御園は、嵐が水をかけたことを知っているのにもかかわらず、普通に接してくれました。最後には仲直りをして御園と別れます。また、御園からツナグの伝言で交通事故にあった時には、水は止まっていて自転車のブレーキの故障が原因だということもわかりました。嵐が傷ついた「私には適わないよ」という言葉は「嵐にはかなわないよ」の聞き間違えだったことも知ります。仲がすごくこじれた時に訪れる突然の別れに涙が出ました。友達は大切に一生後悔しないように過ごしたいです。

 童門冬二「渋沢栄一 -人間の礎」は、来年のNHK大河ドラマが「渋沢栄一」だったり、もうすぐ紙幣が「渋沢栄一」に変わるので少しでも「渋沢栄一」について知っておこうと思い読みました。渋沢栄一は、江戸時代末期に生まれ昭和の初期にかけて活躍した官僚、実業家、慈善家です。あの時代に90歳を過ぎるまで長生きをしていることに、まず驚きました。この本も、もう一度読んで細かく理解したいと思いましたが、今回読んで学んだことの一つは「平岡円四郎」という人についてです。平岡円四郎は、渋沢栄一を過激な尊王攘夷派から開国思想家に変えた人です。また、渋沢栄一の『理財』に関する能力を掘り起こしました。もし、平岡円四郎がいなかったら、私たちの知っている渋沢栄一は生まれなかったのです。私は、この平岡円四郎についてとても興味がわきました。調べてみると43歳で暗殺されており、詳しいことがあまり書いてありませんでした。渋沢栄一の本を読んで、平岡円四郎について学びたいと思いました。大河ドラマも楽しみです。

 山田悠介「リアル鬼ごっこ」は、山田さんの本を購入し、すぐに読んでみたくて予定に加えて読みました。「リアル鬼ごっこ」は映画化もされている山田さんのデビュー作です。映画では、女子高生やB型が被害者ですが、この本(原作)では、苗字が「佐藤」の人が被害者です。西暦3,000年、未来の日本が舞台です。西暦3,000年の日本には「国王」がいます。この時の国王は世間から「バカ王」といわれていました。王様は、21歳で「佐藤」という苗字です。日本には「佐藤」が約500万人もいました。自分と同じ苗字の人間がたくさんいることが気に食わなかった王様は、7日間にわたって「佐藤」の大量虐殺を決行します。鬼ごっこをして捕まったら最後です。この本の主人公は、「佐藤翼」です。翼はとても足の速い陸上選手で将来がとても有望でした。そんな翼には、両親の離婚によって生き別れとなった「愛」という妹がいました。そして、自分勝手な王様によって「佐藤」の大量虐殺が始まります。目の前で父を殺された翼は絶対に生き延びて愛と再会すると誓います。鬼ごっこ中の7日間で、中学校時代の親友や勇気を与えてくれた女の子、そして愛に出会います。でも結局最後は、翼だけが生き残ります。王様は、7日間生き延びた人には願いを一つかなえるという約束をしていました。翼は王様に願い事を聞かれます。私は、翼の願い事にとても驚きました。でも、私がもし翼だったら同じことを願ったかもしれないと思いました。また、私の友達にも「佐藤」がたくさんいるので、もしこんなことが、現実になったらとんでもないことだと、思いました。将来日本で、このようなことは起きないと思います。ですが、無能な指導者のために無駄な命などが失われることがないようにお祈りしたいです。また、この本はとても面白かったので、映画もぜひ見てみたいです。

33週目:7月27日~8月2日は次の本(計1,061ページ)でリーディングマラソンの予定です。
・山田悠介「ライヴ」(幻冬舎文庫)P334
・森下典子「日日是好日」(新潮社)P252 **新潮文庫の100冊
・美輪明宏「ああ正負の法則」(PARCO出版)P187
・伊坂幸太郎「逆ソクラテス」(集英社)P288

2020年7月19日日曜日

32週目:7月20日~7月26日のリーディングマラソン予定

前週、31週:高山一実「トラペジウム」、池上彰「そうだったのか!朝鮮半島」、小出裕章「原発のウソ」、山田悠介「アバター」(角川文庫:P245 *来本昌平「地球環境問題とは何か」の代わりに読みました。今週、本屋で購入し読むのが楽しみすぎて、こちらを先に開いて読んでしまいました)の1,085ページ、31週目までの累計は、35,040ページです。

 高山一実「トラペジウム」は、乃木坂46のメンバー、高山一美さんが書いた本です。主人公は、「東ゆう」という女の子です。ゆうは、アイドルになろうと決心します。そのために4つのことを決めます。「SNSはやらない」「学校では目立たない」「彼氏は作らない」そして、「東西南北の美女を仲間にする」です。ゆうは、4つ目の「東西南北の美女を仲間にする」を実行するために様々な学校に足を運びます。そこで出会った美女たち。しかし、アイドルの世界はそんなに容易ではなく、オーディションにはことごとく落ちてしまいます。また、みんなそれぞれの中に「本当にアイドルになりたいのか?問題」が出てきて結局別々の道を歩んでいきます。このお話で私が心に響いたことは、「挑戦することの大切さ」と「努力すること」です。何事も挑戦しないと始まらないのだ、と。これから、どうしようと悩んだら、とりあえずやってみる、行動してみたいと思いました。そして、やり始めたことは、あきらめずに毎日コツコツ少しずつでも続ける努力をしようとも思いました。私は、今この「リーディングマラソン」を含めてやっていることが、いくつかあります。正直、今日はやりたくないな、・・・と、やる気がなくなるときもあります。そういう時はこの本を思い出して励みにしたいです。とても勇気をもらえる本でした。

 池上彰「そうだったのか!朝鮮半島」は、写真を使って朝鮮について分かりやすく説明されている本でした。読んでいてそれぞれの国に文化と歴史があるということに改めて気づきました。私は、ニュースで韓国や北朝鮮について報道されていることで、なぜ、そういうことをしているのだろう?と疑問を感じることはいくつもあります。でも、それだけで、例えば「韓国全般」を嫌いになったりはしません。同じ問題でもどちら側から見るかという観点の違いによっても意見は変わりますし、おかしな意見だと思っても、それが韓国のすべてではないと思うからです。「・・・人」という大雑把なひとくくりの考えを持つ前に、一人一人の人間として、仲良く意見を分かち合ってほしいです。見た目や、根拠のない噂などですべてを決めつける人間にならないようにしたいです。

 小出裕章「原発のウソ」は、今年の私の研究テーマの資料として使っているためもう一度読み直しました。今回は、第四章の内容に驚きました。「原発の“常識”は非常識」という題名の章です。驚いたのは、原発の生み出した死の灰が広島原爆の800,000(80万)発分ということです。びっくりしました、考えただけでも恐ろしくなりました。広島に落とされた原爆があれほどの威力を持っているのに、その100万倍近い威力というのを想像するだけで、すごく怖かったです。また当時のアメリカという国が、さらには私たち人類が犯したこの過ちを無かったことにするのは絶対におかしい、と本当に思います。しっかりと正しい知識を身に着け正しい真実を後世に伝えていかなければならないと思います。

 山田悠介「アバター」は、私の好きな作家山田悠介さんの本です。阿武隈道子という地味な女この子が主人公です。道子のいる世界では「アバター」というサイトがあります。アバターの中では理想の自分の姿になれるため、道子もその世界にどんどん没入していきました。しかし、道子が頂点に立つにつれ、性格が変わってきます。頂点に立てばたつほど欲が出てしまいます。最後の結末を読んで、結局最後には自分のしたことは全て自分に帰ってくるのだと学びました。また、すぐに伝染するアバターと同じようにSNSの使い方にも十分注意したいです。自分にとって恥じぬ行動を心がけて毎日の生活を送りたいと思います。

32週目:7月20日~7月26日は次の本(計1,210ページ)でリーディングマラソンの予定です。
・来本昌平「地球環境問題とは何か」(岩波新書)P262 *先週からの繰り越し
・青柳碧人「むかしむかしあるところに、死体がありました」(双葉社)P242 *2020年本屋大賞ノミネート本
・辻村深月「ツナグ」(新潮社)P441 *新潮文庫の100冊
・童門冬二「渋沢栄一 -人間の礎」(集英社文庫)P265 *ナツイチ(集英社、夏の一冊)

2020年7月12日日曜日

31週目:7月13日~7月19日のリーディングマラソン予定

前週、30週:上橋菜穂子「鹿の王 - 水底の橋」、瀬戸内寂静、美輪明宏「ぴんぽんぱん ふたり話」、芦田愛菜「まなの本棚」、小出裕章「100年後の人々へ」の計1,155ページ、30週目までの累計は、33,955ページです。

 上橋菜穂子「鹿の王 - 水底の橋」は、先週まで読んでいた『鹿の王』の続編です。黒狼病が去ってから数年、そして数十年後が舞台です。今回の主人公は、ヴァンではなくホッサルです。ホッサルとミラルが恋人になっていたり、呂那の弟子だった真那が祭司医になっていたり、と登場人物の関係が少し変化、発展しています。ホッサル達は真那に連れられて清心教医術の発祥地に来ていました。そこで、驚くべく清心教医術の歴史を発見していました。その頃、東乎瑠帝国では後継者争いが起こっていました。そして、たまたまホッサル達のいた安房那領で皇帝候補の一人の暗殺未遂事件が起こってしまします。そのことがきっかけで、ホッサル達は後継者争いに巻き込まれていってしまします。今回の巻は、一冊にまとめられていたため少し厚い本でした。そのため、少しパラパラと軽く読んでしまったところがあるので、もう一度時間がある夏休みに詳しく読み直してみます。

 瀬戸内寂静、美輪明宏「ぴんぽんぱん ふたり話」は、美輪明宏さんと瀬戸内寂聴さんの対談をまとめた本です。お二人の話から、友人であった三島由紀夫さんの話、世の中の経済についての話など、様々な内容で対談していました。中でも私の心に残った章は、P176 ~191の「川端康成の自殺をもたらした?ノーベル賞受賞」です。川端康成さんのことももちろん出ていましたが、三島由紀夫さんについての話も載っていました。川端康成さんが美輪さんにしか話していないことや、三島由紀夫さんの当時の心境などが書かれていました。美輪さんや三島由紀夫さん、瀬戸内寂聴さんなど、とても立派で尊敬している方たちが知り合いだということを知り驚きました。また、この方たちが亡くなったら日本はどうなるのだろう、これからも長生きしてほしいな・・・と強く感じました。瀬戸内寂聴は、1922年生まれで、様々な著名作品を残している尼さんです。美輪明宏さんのことは前から知っていましたが、瀬戸内寂聴さんのことは知らなかったです。この本を通して瀬戸内寂聴さんのことを知ったので、寂聴さんの本も読んでみたいと思います。

 芦田愛菜「まなの本棚」は、芦田愛菜ちゃんのおすすめする本の紹介分が載っていました。また、山中伸弥さんや作家の辻村深月と愛菜ちゃんの対談も載っていました。愛菜ちゃんは幼い頃から本が大好きだったそうです。愛菜ちゃんは本を読み始めるとその世界に入ってしまうそうです。また、本の登場人物になりきったりその登場人物に感情移入してしまいます。私は、そんな愛菜ちゃんにとても共感しました。私も同じようなことがあるからです。本を読み始めると周りが見えなくなってしまうことが度々あります。本やドラマの登場人物の世界に入って夢中になってしまいます。読んだり見たりしているだけでも、登場人物の気持ちを深く感じてしまいますが、成りきると涙がすぐに出てきます。愛菜ちゃんの紹介している本の中には、既に読んだものもあって、何だかちょっぴりうれしかったです。もちろん、まだ読んでないものもあったので、本に印をたくさんつけておきました。近いうちに本屋さんに行くので早速探してみたいと思います。私も愛菜ちゃんを見習って、勉強をして知識を身に着けていきたいです。

 小出裕章「100年後の人々へ」は、最近読んだばかりですが、今週、学校の「総合」の時間の研究で使ったので改めて読み直しました。前回読んだ時は、ただ目で追ってさらっと読んだだけでしたが、今回は研究に使ったので線を引いたりメモを取ったりと細かく読みました。私がたくさんメモをしたところは、政治家や東電のトップの責任者についてのことです。驚いたのは、オリンピック招致のIOC総会での安倍首相の発言です。各国の代表が来ている総会で大ウソをついたのです。正直、逆の意味で「すごい!」と思いました。もし人前に立つととても緊張する私がその立場だったら、各国の代表が集まっている会議でウソは絶対につけないです。緊張するし、何よりも言ったことに対して責任を感じるからです。国の代表として発言をするという責任重大なことをしているというプレッシャーで、正しく、しっかりとした発言しかできないと思います。言葉を慎重に選びます。汚染水をブロックするなんてことは物理的には無理だと、原子力発電に関する知識のあまりない中学生の私でさえも普通に考えたらわかります。そんな大ウソを国の代表がついたことが恥ずかしいですし、言ってしまったことは取り返しのつかないのに、どのようにして責任を取るのだろうと思ってしまいました。

31週目:7月13日~7月19日は次の本(計1,102ページ)でリーディングマラソンの予定です。
・高山一実「トラペジウム」(角川文庫)P277
・池上彰「そうだったのか!朝鮮半島」(集英社文庫)P381
・来本昌平「地球環境問題とは何か」(岩波新書)P262
・小出裕章「原発のウソ」(扶桑社新書)P182 *「100年後の人々へ」と同様、第27週目に読んだのですが、再読したいので今回改めて入れました。

2020年7月5日日曜日

30週目:7月6日~7月12日のリーディングマラソン予定

前週、29週:上橋菜穂子「鹿の王4」、湊かなえ「高校入試」、久留飛克明「家の中のすごい生き物図鑑」、高木仁三郎「原子力神話からの解放-日本を滅ぼす9つの呪縛」の計1,232ページ、29週目までの累計は、32,800ページです。

 上橋菜穂子「鹿の王4」は、ヴァンとホッサルがついに対面します。ヴァンと話をし、ホッサルは黒狼熱の秘密に気づきます。また、国の方では犬たちを操っていた人が死んだ以上、もう安心だと思われていました。そんな矢先、11歳の小さな子供が襲われて亡くなります。ほかの集落も襲われました。その頃、仲間を失った《火馬の民》のオーファンたちは、故郷を取り戻すために最後の賭けに挑もうとしていました。ヴァンは、病む者の哀れを見過ごすことができない性格です。《火馬の民》たちの苦しみを知っていたヴァンは、判断に迷います。最後ヴァンは犬たちとともに姿を消します。犬を一つにまとめたことで襲われる人もいなくなり、国は平和になりました。移住民、動物、東乎瑠の人・・・皆、平等に差別をしないで意見を聞き、悩んだヴァンがとても素晴らしいと思いました。「鹿の王」これで終わりではなく、最新刊「鹿の王 - 水底の橋 -」が発表されました。来週は、そちらを読みたいと思います‼

 湊かなえ「高校入試」は、県の中でも有数の公立進学校「橘第一(通称:一高)」が舞台の物語です。この地域では、どこの大学を出たかよりも、この一高を卒業したほうが世間に認められる社会でした。一高に落ちたけれど、一流大学に行き就職をした人よりも一高を出てフリーターになった人のほうがすごい、とされていました。私はこの時点で「おかしな世の中」だと思いました。高校で失敗しても、そのあと努力をし一流企業についた人よりも、高校受験の結果だけで高く評価され、後をだらけた人のほうが優遇されるのはとてもヘンだと思います。そんなその後の人生を決定づけてしまうような高校の入試で、採点ミスが見つかってしまいます。そして、数年後、そのことによってつらい思いをした人の家族が『入試をぶっつぶす!!』という予告の紙を学校に置きます。その翌日、迎えた入試当日。試験の内容や様子がネットの掲示板に匿名で、実況中継されていきます。様々な問題が発生し対応が遅れる学校と、自分勝手な保護者の要求、そんな中でも、掲示版には極秘の情報などが次々と書き込まれていきます。この物語は、匿名ですることのできるネット掲示板についてと、過去の自分をいつまでも称賛する人について表現しているんだと思います。このお話では事実でしたが、ネットに書いてあることを真に受け匿名で騒ぎ立てる人、それによって、学校に行きづらくなり不登校になる人、また、本にも出てきましたが匿名のだれかわからない人から、たくさんの中傷的な言葉を浴びせられると、知らず知らずのうちに心に辛い、悲しい気持ちがたまっていくそうです。また、この事件を起こした人々の動機は一高にいつまでも執着している人たちの行動に、不満を持ったからでした。以前、父から日本の地方では、どこの高校を卒業したかでいい意味でも悪い意味でもいつまでも評価がつきまとい、その上にあぐらをかいている残念な人もいれば、悔しい思いをしている人もいるのではないか、という話を聞いたことがあります。過去の自分を称賛するのはいいけれど、そこに留まっているのではなく、次のステージに続かねば意味がないと感じました。

 久留飛克明「家の中のすごい生き物図鑑」は、題名にもある通り、人と共に生活をしている身近にいる虫についての本でした。説明の内容が紹介している虫になりきっていて、とても分かりやすかったです。どれも面白かったのですが、特に印象に残った虫は、P128~129の「トビムシの仲間」です。よく散歩をしていると、草むらから、小さな何かが飛び出していくのをよく見ます。いつも動きが早くて、それが何かわかりませんでしたが、トビムシだったということを学びました。お腹のところに跳躍器が折りたたまれており、敵に襲われたら、跳躍器のストッパーを外して跳ぶそうです。ばねのような仕組みになっているため、あんなに素早く飛べるんだと思いました。こんなに小さくてどこにでもいるような虫ですが、結構虫の中では変わっているそうです。また、世界各国に、いろいろな種類がいるそうなので調べてみます‼

 高木仁三郎「原子力神話からの解放 -日本を滅ぼす9つの呪縛-」は、今年の私の研究テーマの資料として読みました。この本は原子力にかかわる歴史について触れられていました。内容は少し難しかったです。東日本大震災の11年前、2000年に発行されている本です。ウランによる危険性や、ウランがなくなるまでの気の遠くなるような時間など、すでに原子力の怖さについて書かれていました。また、いまだに東京電力の責任者たちは「想定外だった」というようなことを言っていますが、この本には「原子力は安全という神話」「原子力は無限のエネルギー源という神話」など、原子力を安全だと言っている人たちの話は計算などをした上で根拠のないことだと分かっており「原子力事故は必ず起きることを前提」に考えたほうが良いと書いてありました。もし、この本に書いてあるようなことを守って対策をしていたら、あんな事故は防げただろし、事故による犠牲もなかったと思います。この本には『神話』という言葉が出ています。『神話』とは「比喩的に根拠もないのに絶対的なものと信じられている事柄」だと広辞苑に書いてありました。原子力が安全だというようなことは、すべて根拠がないのです。そのことを自覚して、次同じ過ちを繰り返すことがないようにお祈りしたいです。また、他人事としてではなく、自分にできること、すべきことを積極的に見つけて行動していきたいです。

30週目:7月6日~7月12日は次の本(計1,155ページ)でリーディングマラソンの予定です。
・上橋菜穂子「鹿の王 - 水底の橋」(角川文庫)P463
・瀬戸内寂静、美輪明宏「ぴんぽんぱん ふたり話」(集英社文庫)P268
・芦田愛菜「まなの本棚」(小学館)P239
・小出裕章「100年後の人々へ」(集英社新書)P185 
    *第26週目に読んだのですが、改めて再読したいので今回入れました。