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2020年7月5日日曜日

30週目:7月6日~7月12日のリーディングマラソン予定

前週、29週:上橋菜穂子「鹿の王4」、湊かなえ「高校入試」、久留飛克明「家の中のすごい生き物図鑑」、高木仁三郎「原子力神話からの解放-日本を滅ぼす9つの呪縛」の計1,232ページ、29週目までの累計は、32,800ページです。

 上橋菜穂子「鹿の王4」は、ヴァンとホッサルがついに対面します。ヴァンと話をし、ホッサルは黒狼熱の秘密に気づきます。また、国の方では犬たちを操っていた人が死んだ以上、もう安心だと思われていました。そんな矢先、11歳の小さな子供が襲われて亡くなります。ほかの集落も襲われました。その頃、仲間を失った《火馬の民》のオーファンたちは、故郷を取り戻すために最後の賭けに挑もうとしていました。ヴァンは、病む者の哀れを見過ごすことができない性格です。《火馬の民》たちの苦しみを知っていたヴァンは、判断に迷います。最後ヴァンは犬たちとともに姿を消します。犬を一つにまとめたことで襲われる人もいなくなり、国は平和になりました。移住民、動物、東乎瑠の人・・・皆、平等に差別をしないで意見を聞き、悩んだヴァンがとても素晴らしいと思いました。「鹿の王」これで終わりではなく、最新刊「鹿の王 - 水底の橋 -」が発表されました。来週は、そちらを読みたいと思います‼

 湊かなえ「高校入試」は、県の中でも有数の公立進学校「橘第一(通称:一高)」が舞台の物語です。この地域では、どこの大学を出たかよりも、この一高を卒業したほうが世間に認められる社会でした。一高に落ちたけれど、一流大学に行き就職をした人よりも一高を出てフリーターになった人のほうがすごい、とされていました。私はこの時点で「おかしな世の中」だと思いました。高校で失敗しても、そのあと努力をし一流企業についた人よりも、高校受験の結果だけで高く評価され、後をだらけた人のほうが優遇されるのはとてもヘンだと思います。そんなその後の人生を決定づけてしまうような高校の入試で、採点ミスが見つかってしまいます。そして、数年後、そのことによってつらい思いをした人の家族が『入試をぶっつぶす!!』という予告の紙を学校に置きます。その翌日、迎えた入試当日。試験の内容や様子がネットの掲示板に匿名で、実況中継されていきます。様々な問題が発生し対応が遅れる学校と、自分勝手な保護者の要求、そんな中でも、掲示版には極秘の情報などが次々と書き込まれていきます。この物語は、匿名ですることのできるネット掲示板についてと、過去の自分をいつまでも称賛する人について表現しているんだと思います。このお話では事実でしたが、ネットに書いてあることを真に受け匿名で騒ぎ立てる人、それによって、学校に行きづらくなり不登校になる人、また、本にも出てきましたが匿名のだれかわからない人から、たくさんの中傷的な言葉を浴びせられると、知らず知らずのうちに心に辛い、悲しい気持ちがたまっていくそうです。また、この事件を起こした人々の動機は一高にいつまでも執着している人たちの行動に、不満を持ったからでした。以前、父から日本の地方では、どこの高校を卒業したかでいい意味でも悪い意味でもいつまでも評価がつきまとい、その上にあぐらをかいている残念な人もいれば、悔しい思いをしている人もいるのではないか、という話を聞いたことがあります。過去の自分を称賛するのはいいけれど、そこに留まっているのではなく、次のステージに続かねば意味がないと感じました。

 久留飛克明「家の中のすごい生き物図鑑」は、題名にもある通り、人と共に生活をしている身近にいる虫についての本でした。説明の内容が紹介している虫になりきっていて、とても分かりやすかったです。どれも面白かったのですが、特に印象に残った虫は、P128~129の「トビムシの仲間」です。よく散歩をしていると、草むらから、小さな何かが飛び出していくのをよく見ます。いつも動きが早くて、それが何かわかりませんでしたが、トビムシだったということを学びました。お腹のところに跳躍器が折りたたまれており、敵に襲われたら、跳躍器のストッパーを外して跳ぶそうです。ばねのような仕組みになっているため、あんなに素早く飛べるんだと思いました。こんなに小さくてどこにでもいるような虫ですが、結構虫の中では変わっているそうです。また、世界各国に、いろいろな種類がいるそうなので調べてみます‼

 高木仁三郎「原子力神話からの解放 -日本を滅ぼす9つの呪縛-」は、今年の私の研究テーマの資料として読みました。この本は原子力にかかわる歴史について触れられていました。内容は少し難しかったです。東日本大震災の11年前、2000年に発行されている本です。ウランによる危険性や、ウランがなくなるまでの気の遠くなるような時間など、すでに原子力の怖さについて書かれていました。また、いまだに東京電力の責任者たちは「想定外だった」というようなことを言っていますが、この本には「原子力は安全という神話」「原子力は無限のエネルギー源という神話」など、原子力を安全だと言っている人たちの話は計算などをした上で根拠のないことだと分かっており「原子力事故は必ず起きることを前提」に考えたほうが良いと書いてありました。もし、この本に書いてあるようなことを守って対策をしていたら、あんな事故は防げただろし、事故による犠牲もなかったと思います。この本には『神話』という言葉が出ています。『神話』とは「比喩的に根拠もないのに絶対的なものと信じられている事柄」だと広辞苑に書いてありました。原子力が安全だというようなことは、すべて根拠がないのです。そのことを自覚して、次同じ過ちを繰り返すことがないようにお祈りしたいです。また、他人事としてではなく、自分にできること、すべきことを積極的に見つけて行動していきたいです。

30週目:7月6日~7月12日は次の本(計1,155ページ)でリーディングマラソンの予定です。
・上橋菜穂子「鹿の王 - 水底の橋」(角川文庫)P463
・瀬戸内寂静、美輪明宏「ぴんぽんぱん ふたり話」(集英社文庫)P268
・芦田愛菜「まなの本棚」(小学館)P239
・小出裕章「100年後の人々へ」(集英社新書)P185 
    *第26週目に読んだのですが、改めて再読したいので今回入れました。