自己紹介

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2020年6月14日日曜日

27週目:6月15日~21日のリーディングマラソン予定

前週、26週:茨城のり子「ハングルへの旅」、上橋菜穂子「鹿の王1」、内山節「日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか」、小出裕章「原発のウソ」、小出裕章「100年後の人々へ」の計1,103ページ、26週目までの累計は29,489ページです。

 茨城のり子「ハングルへの旅」は、詩人である茨木のり子さんの本です。ほとんどがエッセイでしたが、時々詩も出て来ました。私は、韓国の音楽や文化に興味があり韓国語について知りたいなと思っていたので、この本を手に取ってみました。私は、P83~の「日本とハングルの間~名詞くらべ~」というお話が面白かったです。この章では、日本語と韓国語の名詞を、音だけとって一覧にして並べてありました。するとあることに私は気が付きました。〈さくら→ポッコッ〉等と、全く似ていない音もありますが、〈なむあみだぶつ→ナムアミタブル〉等の文化、歴史に関わる言葉は発音が似ていたのです。隣国だからこそ、文化をお互い共有しあっているため、共通しているところがたくさんある、ということを改めて実感しました。また、当時ハングルを勉強することに対して、周囲の偏見のようなものを感じていたことが記されていて、今の時代の雰囲気につながるものだと感じました。私たちの世代はそういうものは全くないので隣国同士、良い関係を築いていけると信じたいです。

 上橋菜穂子「鹿の王1」は、すごくドキドキし続きが早く読みたくなるような本でした。主人公は、大帝国である東乎瑠から故郷を守るため、死兵として誕生した「独角」のリーダーである『ヴァン』です。1巻目は、ヴァンがどうして岩塩鉱に送られたのか、どうして、一人生き残り旅をすることになったのか、少女ユナとはどのようにして出会ったのかが描かれていました。私は、「鹿の王」の内容を全く知らないので、これからヴァンにどのようなことが起きるのか、まったくわかりません。この本が、こんなに面白いとは思っていなかったです。しかも、謎の病、古き疫病(黒狼病)の話など、今、私たちが直面している新型コロナウィルス感染症とつながります。次の第2巻がすごく楽しみです。

 内山節「日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか」は、題名が面白そうだったので、手に取ってみました。1965年まではキツネと人間の物語がたくさんあったそうです。しかし、1965年を境にそのような物語は全く出てこなくなりました。理由は、1965年以前と1965年以降の日本の暮らしの変化です。歴史は、生命と結びつくからこそできます。すべてのものを自分の村の中でつくりかえながら生きてきた人達には、生命の継続、身体性の継続、知性の継続が必要でした。人々は、すべてのものの中に、生命の流れを感じていました。それが壊れていったのが1965年ごろでした。高度成長の展開、合理的な社会、都市の隆盛と村の衰弱、様々な変化が1960年代に起こりました。これにより、村でも身体性の歴史や、生命性の歴史が消耗していきました。私は、この本を読んで少し複雑な気持ちになりました。私たちは便利に暮らしていけるように、様々な経済的な変化を繰り返しています。しかし、その背景には、村の衰弱などの自然の長い歴史の衰えがありました。暮らしを便利にするのはとても良いことだが、むやみやたらに自然破壊をすることをもっと減らさなければいけないと、強く感じました。

 小出裕章「原発のウソ」は、今年の私の研究テーマの資料として読みました。この本は、資料などを使った説明文でした。正直、少し難しかったです…。私は、第一章のお話にすごく共感しました。それは、福島第一原子力発電所の事故によって放出された放射線に対しての、「楽観ムード」です。初めは、いつ解決するかもわからないこの事態に、多くの人が西日本や海外に逃げたり、ミネラルウォーターの買い占めをしたり、マスクをつけて歩いたりしていました。しかし、報道が少なくなったのもあり「何とかなりそうじゃないか」という感じが漂っています。この本が書かれたのは、2011年の6月です。事故があってから3か月しかたっていません。3ヶ月しかたっていないのに、こんなにも楽観的な感じが世の中に漂っていたことに驚きました。本当に忘れっぽいのか、慣れるのが早いのか…。こんな感じだから同じことを人間は何度も繰り返すのだなと思いました。大きな事件は、忘れたころにやってくると言われています。もうすぐで、10年がたちます。小学高学年以下の子達は、2011年にまだ生まれていないのです。私も、幼稚園生でその当時はよくわかっていませんでしたが、その時代に生きた人として、事故の正しいことを学び後世に伝えていきたいです。

 小出裕章「100年後の人々へ」も、今年の私の研究テーマとつながるところがあると思い読んでみました。東日本大震災から3年後に書かれた本です。私がこの本を読んで初めて知り、驚いたことは放射線と人間の間に横たわる「時間の差」です。原子力を動かすためのウラン量が半分になるには4,500,000,000(45億)年もかかるということ。東日本大震災で被害にあった福島第一原子力発電所から放出された、セシウム137とストロンチウム90は、100年たっても10分の1の量にならないこと。1,000分の1になるために300年もかかるということ。また、今から原子力を地下に埋めてなくそうとした場合100,000(10万)年も隔離しないといけないということ。父と一緒に、徳川幕府を基準に、セシウム137が残る1,000年という時間と人間の時間がどれほどなのか計算してみると、徳川15代将軍で約250年の治世だったのだから、1,000年だと約60代もの将軍が必要になります。日本の歴史にそんな時代はないです(天皇家の場合は謎ですが)。長生きした人や若くして亡くなった人などがいるため、誤差がありますが、数十世代かかるのは確かだと思います。1,000年で60世代です…。この0の数がすごくて何が何だかわからなくなりそうでした。人類は、自分たちで手に負えるはずのないものを管理しようとしていることを知りました。特に、東電の責任者は、責任をしっかりと取るべきだと思いました。この人類の過ちは、忘れてはいけないと思います。

27週目:6月15日~6月21日は次の本(計1,073ページ)でリーディングマラソンの予定です。
・上橋菜穂子「鹿の王2」(角川文庫)P333
・安田浩一「学校では教えてくれない差別と排除の話」(皓星社)P221
・レイチェル・カーソン、青樹簗一 訳「沈黙の春」(新潮文庫)P394
・キャスリン・カドリンスキー、上遠恵子 訳「レイチェル・カーソン -沈黙の春をこえて」(祐学社)P125