自己紹介

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2020年6月21日日曜日

28週目:6月22日~28日のリーディングマラソン予定

前週、27週:上橋菜穂子「鹿の王2」、安田浩一「学校では教えてくれない差別と排除の話」、レイチェル・カーソ「沈黙の春、キャスリン・カドリンスキー「レイチェル・カーソン -沈黙の春をこえて」の計1,103ページ、27週目までの累計は30,562ページです。

 上橋菜穂子「鹿の王2」は、先週の1巻に引き続き読みました。今回は、王族たちが黒狼熱にかかり、たくさん亡くなりました。オタワル王国の末裔であるの天才医師ホッサルは、以前から東乎瑠の貴族の不治の病を治してきたためみんなから尊敬されていました。しかし、東乎瑠の医療方法は神様が基準のため話がホッサルと大きくずれてしまいます。また、襲ってきた黒狼が猟犬に見えたことから、誰かが仕組んだのではないかと疑いが出てきます。この後「ヴァン」がどうなるか、ホッサル達は黒狼熱に効く薬を開発できるのかなど次回の第3巻がとても楽しみです。

 安田浩一「学校では教えてくれない差別と排除の話」は、ヘイトスピーチやいじめについて筆者が実際に体験したことと共に書いてありました。私が心に刺さった部分はP111~の「噴き上がるネトウヨ」です。今までの本を読んだりニュースを見たりしてそのような人がいて「死ね」や「うざい」などと心無い言葉を平気で言っているということは知っていました。でも、普通は見知らぬ人や他人に平気で「消えろ」や「死ね」と発言することなんてできません。なぜ、この人たちは平気でそういう発言ができるんだろうと不思議でしょうがなかったです。ネット右翼の人たちには、様々な人がいますがみんな共通しているのは『奪われた感(被害者意識)』を持っていることです。「日本人の生活保護費を奪っているのは朝鮮や韓国の人だ!!」などです。でも実際は、生活保護費を受給している97%は日本人です。ただの偏見だと思います。私はこの話を読んで、朝鮮人が!韓国人が!などと批判をしている人たちは、生活に苦しんでいる日本人の方に何をしているのだろうと思いました。だいたいそういうことを言っている人たちは、家がしっかりある生活には不自由のない人たちです。また、「死ね」などと発言している人たちが、若い人だけでなく、おじいちゃんおばあちゃんなど、高齢者が多いということに驚きました。その年齢の世代の方々の、ご両親は戦争を経験していて礼儀作法や言葉遣いに対しての考え方がたいへん厳しいと思っていたからです。少し発言が上品でない方もいると思いますが、さすがに「うざい」や「消えろ」「きもい」という今の汚い言葉は使わないと思っていたからです。注意しないといけない側の人が使ていることにショックを受けました。こういうことは、韓国人だからや日本人だからという問題ではなく、そういう人間だからだと思います。もう少し冷静になって考えてほしいです。少し、今の世の中に、大人にがっかりしました。私は、そのような言葉を使わないように心がけたいです。

 キャスリン・カドリンスキー、上遠恵子 訳「レイチェル・カーソン -沈黙の春をこえて」は、レイチェルカーソンの伝記でした。私は、レイチェルカーソンの生涯いてあまり詳しく知らなかったので、とても勉強になりました。まず私がすごいと思ったことは、レイチェルカーソンの物事に対しての考え方です。小学生のころから、先を見通して自分のやるべきことを実行し、他人に何を言われようが自分の意思を曲げない姿にとても尊敬しました。何事もまじめに取り組み、自分の好きなことを広げて、夢を実現させ、世界の役に立つ仕事をする。そのようなことを小さい時からわかっていたことに驚きました。レイチェルカーソンは自分の好きな生物学者を将来やりますが、才能を生かしてベストセラー本になる、本をたくさん書いていることは、すごく理想です。私も何をやっても完ぺきにこなし、自分の好きなことができるような大人になりたいです。

 レイチェル・カーソン「沈黙の春」は、全世界で起きている環境破壊について書かれた本でした。少し難しかったです。私の今年の研究テーマが「環境問題」で、私は「原子力」など人間と自然の関係について調べます。この本は、はっきりと人間のしてきた過ちが書いてあるのでとても参考になりました。レイチェルカーソンがこの本を出していなかったら、私たちがこの環境破壊について気付くのが数十年遅れていたかもしれないとも言われています。それほど全世界に大きな影響を与えた本なんだと実感しました。どの章も初めて知ることや人間の恐ろしさに驚き心に深く残っていますが、特に心に残った場面は、P205~の「空からの一斉爆撃」です。これは、1950年代後半にアメリカで起こった2つの大量スプレー計画を例に書いています。1950年代後半、外国から入ってきたマイマイガとヒアリを突然駆除しよう農務省防除局が発表します。私は、その駆除の仕方に驚きました。今まで使っていた薬よりもより強力な毒薬を、その適性量も他の生物の影響も調べずに上からただ闇雲にスプレーのようにまき散らしたというのです。当然、長年自然で生きているマイマイガとヒアリを完全に駆除できず失敗に終わってしまいます。しかし、ここでは終わらず、《マイマイガを1匹残らず根絶しよう》言い出します。何度もそのようなことを繰り返し、各地では、苦情の声が相次ぎます。そんな声も無視して毎年のようにやります。マイマイガは森林にすむため、都会や、畑、牧場にはいないのに一面無差別に毒薬を浴びせかけました。畑仕事をしていた主婦や、遊んでいる子供たちの体は殺虫剤で濡れ、自動車にしみが付き、鳥も馬もカニもすべて皆殺しになりました。また、スプレーをかけないと嘘をついてかけたり、裁判の訴えを無視したりしました。結果、目的であるマイマイガは、ほとんど死んでいません。私は本当にひどい話だと思いました。これが現実に行われたこととは信じられません。農務省の人たちは自分の住んでいる場所がもしそんな目にあったらどう思うのでしょう。無謀なことを自分たちとは全く関係のない場所でやってもなんとも思わない心がかわいそうになりました。そこには、都市などに作った農作物を打って生活している人がいるのに、もしその人たちが農作物を作れなくなったら困るのは食料の入ってこない都市なのに、と思いました。こんなことが平気で繰り返されていることを知らなかったので、とてもショックを受けました。発展した社会で車の排気ガスなど完全になくすことのできないものはあると思います。でも、このように人間の勝手でやっていることをなくせばもっと自然は豊かになると思います。本にも書いてありましたが、自然は、自然を傷つけた人間に対して復讐をします。必ず、いつか、するのです。人間はその愚かさと傲慢さ早く気づき、自然の前に謙虚になるべきだと思います。

28週目:6月22日~6月28日は次の本(計1,006ページ)でリーディングマラソンの予定です。
・上橋菜穂子「鹿の王3」(角川文庫)P270
・ブレディみかこ「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」(新潮社)P252
・高木仁三郎「新版 元素の小辞典」(岩波ジュニア新書)P219
・左巻健男「面白くて眠れなくなる元素」(PHP研究所)P265