自己紹介

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2020年4月5日日曜日

17週目:4月6日~4月12日のリーディングマラソン予定

前週:レマルク「西部戦線異状なし」、石川洋「13歳からの人間学」、椋鳩十「椋鳩十の名犬物語」、誉田哲也「武士道セブンティーン」の計1,166ページ、16周目までの累計は、17,795ページです。

 レマルク「西部戦線異状なし」は、先週読めなかったので今週読みました。正直、読むのにとても時間がかかりました。本文の解釈が難しかったからです。また、登場人物の名前が難しく、ややこしかったです。外国文学を日本語に翻訳された文章を理解することに、私自身がまだ慣れていないからかもしれません。
この本を読んだきっかけは、NHK番組『映像の世紀 第2集:大量殺戮の完成 塹壕の兵士たちは凄まじい兵器の出現を見た』です。この番組に第一次世界大戦中の塹壕での戦いの様子が出てきて、父が「こんな本があるよ」と紹介してくれました。私がこの本ので最も衝撃だったのは「主人公が戦死したこと」です。また主人公だけでなく共に暮らしていた戦友たちのほとんどが亡くなっていったことです。はじめ本を読んだ時に出てきた人たちは、読み進むうちに全員亡くなってしまうのです。また、このお話が映画化されているのもすごいことだと思いました。私は、本を読むときにその本の舞台を想像しながら読んでいます。でも、この本はあまりにも悲惨な場面が多く、そこで行われる兵士同士の休憩や喧嘩などが入り混じっている様子を想像するのがとても大変でした。「映像の世紀」を観た時にも思いましたが、戦争がはじまった1914年7月当初は、みんな「クリスマスまでには帰ってこれるだろう」と思っていて、戦争に行くときの顔が何だか楽しそうでした。この「西部戦線異状なし」にも、はじめ先生たちに口説かれて遊び半分で戦争に出兵していました。私は、戦争は本当にいけないものだと改めて思いました。人間は、時間が経つとその時の気持ちを忘れてしまうと思います。今年、日本にとって先の戦争が終結してから75年目を迎えます。あの時代に生きていた方たちもだんだんと亡くなってきて、あの時の後悔や恐ろしさの記憶が社会の中でだんだんとうすれてきていると思います。核開発も進んでとても危険なものなってきています。私たちは戦争についての本を定期的に読んで、戦争の恐ろしさを忘れないようにしなければいけない、と思いました。

 石川洋「13歳からの人間学」は、4つの章に分かれて書いてありました。第1章から3章は、3つの学校での講演で話した内容が書かれていました。第1章は、樹徳中学・高等学校。第2章は、京陵中学校。第3章は、東野中学校での講演内容でした。私が、この本を読み終えた後に一番心に残っているのは、第3章、P118の『中学時代は自分の色を作り出すとき』です。目次を最初に見ていた時から気になっていたお話です。まず初めに《青》について書かれていました。日本人は、空や海、信号機の色も青といいます。青のことを「アオシ」といいます。アオシとは、判然としないこれから自らの色になっていく色のことです。だから青年という言葉には「これから成長していく」という意味が込められている、と書いてありました。青年といえば「初々しい」「若い」というようなイメージがあり、そこまで深い意味まで考えたことはありませんでした。
さらに中学時代のことを「青雲の志」といいます。この本には、「一生の基礎作りの時期」だと書いてありました。そして、私たち中学生は「緑が濃くなってくる状態」だと書いてありました。ここから自分をどう作っていくかは自分次第です。
最後に、生まれた以上は死ぬまで学び、次世代の人のために尽くしていくものだと書いてありました。私も今、たくさんの知識を身につけ将来社会に貢献できる人になりたいと思いました。

 椋鳩十「椋鳩十の名犬物語」は、全部で5話の名犬の話が載っていました。最後には、椋鳩十さんと名犬のお話が少し書いてありました。私はこの本を読んで心に残ったお話が2つあります。1つ目は、最初のお話である「犬塚」です。鹿児島の紫尾山が舞台です。ある猟師が犬塚を見つけるところから始まります。お話は、そこから60年前にさかのぼります。ある村に「清どん」という猟師がいました。清どんは「アカ」という日本犬を飼っていました。アカの母親はとても姿の良い日本犬でした。アカの兄弟犬たちは生まれてすぐ犬好きの人にもらわれていきました。しかし、アカをもらっていった人は犬好きではなく、良い日本犬を育てて高い値段で売り付けてお金儲けをしようと考えている人でした。アカは成長するにつれ尾がしっかりと巻いていなかったり、耳が片方垂れ下がっていたりと、変な犬になってしまいました。そこでアカは子犬の頃に捨てられ、野良犬になったためとても汚い犬になり、みんなから嫌われるようになりました。ある日、アカはお腹がとても空き清どんお家の庭に潜り込みます。清どんはとても汚いアカにとても優しくしてくれます。そして、アカは清どんに飼われることになります。清どんは、他にもイノシシ犬の「ロク」という犬を飼っていました。ロクは、アカに色々なことを教えてくれました。3年後、アカは立派な「イノシシ犬」になっていました。普通イノシシ狩りは何人もの猟師と犬がいないとできません。しかし、アカがとても優秀だったため清どんはいつも1人で大きなイノシシを捕まえてきました。
この町には、カタヅメというとても大きく賢い歳を取ったイノシシがいました。清どんは、アカとともにカタヅメを狩りに行きます。カタヅメの住処を見つけ、あと一歩というところまで追い詰めます。しかし、怒ったカタヅメからの攻撃をよけた拍子に清どんは足を滑らせ崖の下に落ちてしまいます。意識はあるものの体が動きません。アカは、清どんの危機を感じ急いで家に帰りおばあさんに知らせようとします。しかし、家には清どんの孫が来ていてその孫が高熱を出しバタバタしていました。そんな時にアカがやってきて吠えるのでおばあさんは叱りつけて返してしまいます。清どんとアカは、3日たっても帰ってきません。おばあさんは、その時初めてアカが何かを知らせに来たんだと知ります。大捜索をしますが清どんとアカは見つかりませんでした。2年後、ある猟師が崖の下を歩いていると、人の白骨とそれに横たわる犬の白骨を見つけます。清どんとアカの姿でした。村の人たちは、この犬のために石を積み重ねた塔を作りました。私は、アカが動けなくなった主人のために、最後まで見守り続けて死んでいったことに強く心を打たれました。人間も動物もこの世界に生きる仲間です。私も生き物には優しくしたいと思いました。

 誉田哲也「武士道セブンティーン」は、先週読んだ「武士道シックスティーン」の続きでした。「強さは力」という考えの積極的な香織と「お気楽不動心」の早苗は、自分の目指す剣道に向かって練習をしています。私が一番心に残った場面は、P375からの『24 決闘を申し込みます』です。この章は一番最後の章です。主人公の早苗が剣道のとても強い黒岩伶那に決闘を申し込みます。早苗は、通っている福岡南高校の剣道の指導が自分に合っていないと感じていました。そのため、その前に通っていた東松高校に戻ろうと考えます。しかし、東松高校の磯山さんにまた戻ってもいいかと聞くと「黒岩伶那に負けっぱなしで、尻尾を巻いて逃げてくるような奴は、入れてやらない」と言われてしまいます。そこで、伶那に「果たし状」を書き、決闘を申し込みます。私がなぜこの場面が一番に残ったのかというと、実力に大きな差のある2人の決闘の様子が約5ページにわたって細かく書かれていたからです。伶那の剣が有利な時と、早苗があと一歩というところが繰り返されてどちらが勝つのだろうとドキドキしました。私は、早苗を応援していましたが負けると思っていました。でも最後の最後に勝ってびっくりしました。来週は、最終巻の「武士道エイティーン」を読んでいこうと思います。

4月6日~4月12日は次の本(計1,183ページ)でリーディングマラソンの予定です。
・森 絵都「カラフル」(文春文庫)P259
・オリヴァー・サックス 斉藤隆央 訳「タングステンおじさんー化学と過ごした私の少年時代」(早川書房)P386
・エラ・フランシス・サンダース 前田まゆみ 訳「翻訳できない世界のことば」(創元社)P110
・誉田哲也「武士道エイティーン」(文春文庫)P428