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2021年6月20日日曜日

80週目:6月21日~6月27日のリーディングマラソン予定

前週、79週目;瀧本哲史「僕は君たちに武器を配りたい」、島村英紀「人はなぜ御用学者になるのか―地震と原発」、内田 樹、中沢新一、平川克美 「大津波と原発」、北村博司「原発を止めた町 新装版―三重・芦浜原発三十七年の闘い」、小畑幸子・小畑太刀「生きた証」の計1,151ページ、79週目までの累計は88,697ページです。

 瀧本哲史「僕は君たちに武器を配りたい」は世の中の理不尽さや、その壁を乗り越えるためにどうすれば良いかについて書かれていました。私が一番将来を切り開いていくために勉強になったのは次の部分です。現代の資本主義社会では、組織や製品に大きな差がなくなりつつあるそうです。そんな中では、高学歴であるなど高いスキルを持っていても代替えが可能なものになってしまいます。そのためこれからは、誰にも代替えすることのできない自分だけの個性を持ったスペシャリストになることが大切だと筆者は言っていました。学歴や人の見よう見まねだけではなくそこから自分だけのものを作り出せるようになりたいです

 村英紀「人はなぜ御用学者になるのか―地震と原発」。御用学者とは政府などの権力者の都合の良い事だけを言う専門家のことを言います。もともとは幕府にやとわれて歴史の編纂などの学術研究を行っていたものをさすそうです。この本には専門家の方たちのことだけではなく地震予知のための本質的な知識と要領についても詳しく書かれていてとても勉強になりました。現在、オリンピックの開催とその感染対策で議論になっている中でも、感染症だけでなく、経済学や社会学、政治学の「専門家」としてメディアで発言している人たちがいますが、果たしてどの人が御用学者で、どの人が「本当の専門家」なのか見分ける力を身につけたいと思います。

 内田樹、中沢新一、平川克美 「大津波と原発」は著者の3人の対談がまとめられた本でした。この対談は東日本大震災から約一か月後に行われました。原発について語られているというよりは、大津波が来た後、原発事故の後の日本社会がどのようになるのか、それはなぜなのかを日本人の思想史や歴史、社会学、宗教学などの立場がから議論されています。津波による原発事故の際、原発のような高度な科学技術が集まった建物に何台もの消防車のホースで一斉に放水して冷却しようとしている画面が何か大きなものに竹槍で突っ込んでいる日本的神話の世界のように見えたとするところは「日本的」でおかしかったです。他の本に比べて分厚くなくわかりやすい本だったと思いました。

 北村博司「原発を止めた町 新装版―三重・芦浜原発三十七年の闘い」は三重県芦浜原発を阻止するために一般市民の方々が手を挙げ勝利するまでを密着して書かれた本です。
中部電力が原発候補地に芦浜を選んだことにより原発反対派と推進派に分かれ親戚同士や友達同士の中にも亀裂が入ることになってしまいます。私は反対派か推進派かに分かれただけで37年間友人や親せきと敵対するほど大きなことだったことに驚きました。でもこの原発候補地は愛知県からもあまり遠くはなく地盤にはプレートのある地域だったのでもし個々の原子力発電所ができて地震が起きたらと思うと反対派が勝ってよかったなと思いました。一方、都市部には作らず、地方に原発を作ってきたこと考えると、地域格差というか何か差別的なものを感じました。

 小畑幸子・小畑太刀「生きた証」の筆者は東日本大震災で旦那さんと息子さんをなくしました。筆者は犬を飼っておりその犬がこの本の文章を書きました。震災後の平成23年から26年までの毎日の様子を詩のように書き章の間に文章でその時の様子が詳しく書かれていました。津波とその後の生活で亡くなった夫と息子さんがこの世に生きていたことを言葉、歌として残そうと、飼い犬の「太刀くん」と語るように短歌で歌っています。第三者のワンちゃん視点から筆者の感情や入院した時など様子が表されていたので精神的にも肉体的にもすごくつらい思いをなさっていたことがわかりました。

80週目:6月21日~6月27日は次の本(計1,339ページ)でリーディングマラソンの予定です。
・新潟日報社 特別取材班「原発と地震-柏崎刈羽「震度7」の警告」(講談社)P282
・鎌田慧「日本の原発危険地帯」(青志社)P344
・尾池和夫「新版 活動期に入った地震列島」(岩波科学ライブラリー)P129
・渡辺勝巳、JAXA宇宙航空研究開発機構「完全図解・宇宙手帳―世界の宇宙開発活動『全記録』」(講談社)P584