自己紹介

<ユニセフ・フレンドネーションのチャレンジ型プロジェクト>で募金活動をしています。詳細は、上の[リーディングマラソン for チルドレンのページ]をクリックしてください。

2021年6月13日日曜日

79週目:6月14日~6月20日のリーディングマラソン予定

前週、78週目は、週末に体調を崩してしまい、ほぼ1週間静養していました。コロナ渦で普段より心配しましたが、先日の検査でも問題なく、現在回復に向かっています。
ご心配をおかけいたしました。

矢部宏治「日本はなぜ、『基地』と『原発』を止められないのか」、広瀬隆「原子炉時限爆弾」、本間龍「電通と原発報道-巨大広告主と大手広告代理店によるメディア支配のしくみ」、海渡雄一「原発訴訟」、追加で・堀江邦夫「原発労働記」(講談社文庫)P366、鈴木智彦「ヤクザと原発~福島第一潜入記~」(文春文庫)P284の計1,708ページ、78週目までの累計は87,546ページです。

 矢部宏治「日本はなぜ、『基地』と『原発』を止められないのか」は、なぜ米軍基地はなくならないのか?なぜ事故後も原発を続けようとするのか?などの日本のアメリカからの(実質)占領状態について戦後七十年のさまざま謎について詳しく深く書いてある本でした。私はこの本を読んで世界中の独立した主権国の中で日本だけが、自国の領空を他国の軍用機が飛び回っているということを初めて知り驚きました。この本の筆者は、なぜそのようになったか、そのようなおかしな状態が現在も続いているのかの理由について様々な研究をもとに明らかにしています。なぜ、このような状態から脱するために国会は議論しないのか、学校や社会で教えないのか、不思議です。幕末に不平等条約を結ばされ、それを明治の時代を通して解消していった先人たちから学び、リーダーたちは実行してほしいと思いました。今のリーダーができない、期待できないのであれば、わたしたちで何とかしなければいけないのか、とも思いました。

 広瀬隆「原子炉時限爆弾」。今原子力発電所がクリーンエネルギーとして注目されている中、地球では地震などの災害が活発に起こっています。特に地震の多い日本は今大きな災害が起きると首都圏崩壊や全土が廃墟となる可能性が高いそうです。この本ではこうした事故の可能性を予想して原子力の危険性を訴えていました。この本は、東日本大震災が起こる前年2010年に発行されています。これだけのことが予測できているのに、なぜ、十分な対策をしてこなかったのだろう、なぜ、あの史上最も過酷な原発事故を「想定外」と言えるのだろう、と不思議に思います。被災した人々は同じ日本に住む隣人なのに、見たくないこと、都合の悪いことはすぐに忘れてしまおう、と思っているのかもしれません。とても残念ですし、この本に書かれているようにどこでも地震が起こる日本で、もし、東京を中心とした首都圏で大地震が起こったらどうするのだろう、それに対して本当に備えができているのか、と思いました。

 本間龍「電通と原発報道-巨大広告主と大手広告代理店によるメディア支配のしくみ」は事故から約1年後に書かれた本です。この本は元博報堂勤務に勤務していた著者が自身の体験を通して感じた広告代理店について書かれてありました。私は報道の中でも広告代理店などに視点を置いたことがあまりなかったのでとても参考になりました。「原発は安全だ」というイメージ、安全神話が大手広告代理店のメディア戦略によってわたしたちが信じ込まされてきた、また、今も同じようなことが進行中だと思いました。他人事ではない、と思いました。

 海渡雄一「原発訴訟」は原発の建設や運転を止めるために国や電力会社と戦ってきた原発訴訟について詳しく書いてありました。係争中の浜岡原発訴訟などを約30年間にわたって関わってきた弁護士の方が事故後の日本の政治家や東電の様子。反原発の方々の活動など日本の原子力発電所事故への対応がよく分かりました。原発問題は、これまで長年に渡って日本各地で提起され、裁判でも争われていたのに、また、チェルノブイリ事故など海外でも大きな事故があったにも関わらず、なぜ、そういうことから十分学んでこなかったのだろう、と暗い気持ちになりました。

 堀江邦夫「原発労働記」は追加で読みました。この本の著者は原子力発電所の最善である現場で働いてた方です。この本を読んで現場で度々「事故が起きないほうが不思議だ」という会話がされていたことに驚きました。専門家の方々が原子力発電所が危険だ、と忠告しているのは知っていますが、一番近くの現場で働いている方たちが「事故が起きないほうが不思議だ」というほど原子力発電所は人間の手におえなくて危険なもので安全対策を怠っていたということが分かりました。

 
 鈴木智彦「ヤクザと原発~福島第一潜入記~」も追加で読みました。この本の著者は暴力団専門ライターの方です。著者がジャーナリストとして初めて福島第一原子力発電所に潜入したとき4ミリシーベルトを浴びてしまい防護服のため熱中症でこん睡状態になるという体験をされました。このような過酷な状況やヤクザと原子力発電所の深い関わりなどをすべて自身の体験で書かれた本でした。ヤクザと原発がこんなに関係があることを知って驚きました。何か普段の生活、新聞などのニュース報道ではこういうことが表に出てこないのだなと思いました。2冊とも著者が一番近くで働いていたからこそ感じることなどが詳しく書いてあり参考になりました。

79週目:6月14日~6月20日は次の本(計1,151 ページ)でリーディングマラソンの予定です。
・瀧本哲史「僕は君たちに武器を配りたい」(講談社)P296
・島村英紀「人はなぜ御用学者になるのか―地震と原発」(花伝社)P251
・内田 樹、中沢新一、平川克美 「大津波と原発」(朝日新聞出版)P120
・北村博司「原発を止めた町 新装版―三重・芦浜原発三十七年の闘い」(現代書館)P228
・小畑幸子・小畑太刀「生きた証」(大槌新聞:大槌ぶんこ)P256