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2021年3月14日日曜日

66週目:3月15日~3月21日のリーディングマラソン予定

 前週、65週;石黒圭「論文レポートの基本」、アンドレス・ダンサ、エルネスト・トゥルボヴィッツ、大橋 美帆(翻訳)「ホセ・ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領」、カルミネ・アバーテ、関口 英子(翻訳)「ふたつの海のあいだで」、河野 進「河野進詩集」、香山哲「ベルリンうわの空」の計1,130ページ、65週目までの累計は73,822ページです。

 石黒圭「論文レポートの基本」は先週に引き続き中学3年生の卒業研究に向けて読みました。この本は大学生の論文について書いてありましたが、テーマ決めや構成など参考になるところがたくさんありました。まず論文というものは、自分で問いを立てて自分でこたえるものだというレポートとの違いを学びました。論文は序列の1)問う、2)調べる、3)資料と方法を選ぶ、4)本論の結果と分析を確かめる、5)考察、結論、6)まとめる、という6つの基本構成で成り立っています。まず調べ学習をするときに大切なのは「問い(Research Question)」を明確にすることです。またテーマと問いの違いについても学びました。「~について」はテーマでありそこからもっとくわしく「・・・は***なのか」という形にしたものを問いといいます。まずテーマを決めたらそれに当てはまるキーワードをたくさん出していきます。そこで問いを小さくしていきます。研究のサイズを小さくすることで、見通しを立てることができるそうです。そして最後に問いを洗練させます。問いに使われている語を定義することによって、答えを出しやすくなります。私は、3番目の問を洗練させるということを初めて知りました。テーマはだいたい決めたので答えを1年で出せるかなどのことを踏まえて、問いを立てて研究を進められるようにしたいです。

 アンドレス・ダンサ、エルネスト・トゥルボブィッツ、大橋美帆「ホセ・ムヒカ 世界一番貧しい大統領」は南米ウルグアイの前大統領ホセ・ムヒカ氏の生涯を描いた本でした。ムヒカさんは1935年に生まれ2010~2015まで大統領として就任していました。ムヒカさんは貧しい家庭で生まれ幼いころに父親は亡くなっています。そのため小さいころからパン屋さんとお花屋さんなどで働いていました。そして10代から政治活動を始めます。また、1960年代初期に独裁社会に反抗する非合法政治組織トゥパマロにも加わります。この時ムカヒさんは何度も投獄されています。そして出獄した数日後に「許すこと過去を盛り超えることがとても大切」だと説きました。1994年に下院議員に選出されトゥパマロ出身の初の国会議員になります。そして2012年の国連会議でのスピーチが世界中から注目され「世界で一番貧しい大統領」と話題になりました。いまムカヒさんは85歳です。今もなお月1000ドルで暮らしているそうです。私はムヒカさんの生涯を知り、投獄を何回も繰り返していたことに驚きました。貧しい家で生まれ育ったからこそ、大統領になっても生活に困っている方々の気持ちにより沿うことができたのだと思います。たくさんお金をもらえるような立場になっても、自分のことではなくすべての国民のことを考え行動しているムヒカさんを見習いたいです。

 カルミネ・アバーテ、関口英子「二つの海の間で」は、桜蔭中学校の入試問題で取り扱われていたため買った本です。この本では《いちじくの館》という所がキーワードになっています。昔、イタリア南部のティレニア海とイオニア海を見下ろす場所に《いちじくの館》という場所がありました。しかしこの《いちじくの館》は焼失してしまいます。この宿の再建を目指す祖父と孫がこの本の主人公になります。この《いちじくの館》の主の血を引くジョルジョ・ベッルーシはこの《いちじくの館》の債権を望んでいましたが、ある日突然逮捕されてしまいます。そんな祖父の孫フロリアンは祖父の行動や言動に反抗しながらも協力し心を動かされてきます。数世代かけていちじくの館を中心に物語は進んでいきます。私は《イチジクの館》が何度も何度も災難に見舞われながらも、辛抱強く完成してく姿が心に残りました。はじめはダイナマイトで爆破させられてします。また、祖父にお金を要求しに来た人によって壊されてしまったり、家の財政を支えていた食物や家畜が殺されてしまったりと、主人公たちの苦労が凄く伝わってきました。今回はあまり時間がなくて深く読むことができなかったので再度読み直したいです。

 河野進「河野進詩集」は日常の何気ない行動や景色と母親への想いを書いた詩集でした。私が一番心に残ったのはP74の

『ほかに』という詩です。

何が楽しいといって
泣いても笑っても怒っても
おさなごの顔ほど
明るく微笑ませて
くれるものは
ほかにありますか
天の父さまの
最高の贈り物です

 まず「天の父さまの最高の贈り物です」という箇所がいいなと思いました。人間はみんな幼子という時期を体験しています。その幼子の顔が天からの贈り物ということは「一人一人の顔や個性は神様からの贈り物だよ」というメッセージが込められているのではないかと思いました。大きくなっていろいろな考えを持つようになっても、お互いの良いところを尊重しあえるような人になりたいです。また、この河野進さんはクリスチャンで牧師さんでもあります。ハンセン病療養所に約50年間貢献したりマザーテレサの〈おにぎり運動〉にも携わっています。牧師さんが書かれた詩なので、聖書や神様という言葉が出てきてとても心にしみました

 香山哲「ベルリンのうわの空」は漫画でとても面白い本でした。この本はベルリンの面白い生活や日本と違うところなどについて、筆者の体験とともに描かれていました。私が日本にはないベルリンでよいと思ったのは「人々の親切さ」です。お酒に酔っぱらっている人がいると声をかけて話を聞いてあげたり、スリなどにあうと周りの人が助けたりと人々のかかわりが凄く深いと感じました。また、動物の殺処分が禁止だったり、リサイクル制度が盛んだったりと、環境のためにも様々な工夫がされています。私はとくにこのリサイクル制度が面白いと思いました。空のペットボトルを入れるとその店で使える金券が出てくるというものです。リサイクルに出さなければ損をするという制度を作ることによって、リサイクルするということが日常になっているのです。また、無職で困っている方たちのためにわざと下に置いていくときもあるそうです。私はごみによって動物が苦しんでいたり、飼い主の無責任さによって殺されてしまう動物がいることがとても悲しかったです。それをベルリンでは禁止にしていたり、対策をしていたりととても貢献をしていて素晴らしいと思いました。ベルリンに行ってみたいという気持ちが強くなった本でした。

66週目:3月15日~3月21日は次の本(計1,163ページ)でリーディングマラソンの予定です。
・金菱清(ゼミナール)編集「私の夢まで、会いに来てくれたー3.11 亡き人とのそれから」(朝日新聞出版)P271
・若松丈太郎「福島原発難民―南相馬市・一詩人の警告 1971年‐2011年」(コールサック社)P158
・小出裕章「この国は原発事故から何を学んだのか」(幻冬舎ルネッサンス)P224
・宮台真司、飯田哲也「原発社会からの離脱 自然エネルギーと共同体自治に向けて」(講談社)P208
・矢部太郎 「大家さんと僕」(新潮社)P128
・矢部太郎 「大家さんと僕 これから」(新潮社)P174