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2021年2月6日土曜日

61週目:2月8日~14日のリーディングマラソン予定

 前週、60週;井伏鱒二「黒い雨」、三浦綾子「道ありき<青春編>」、伊坂幸太郎「仙台ぐらし」の計1,056ページ、60週目までの累計は68,060ページです。

 井伏鱒二「黒い雨」は、8月6日に起きた原子力爆弾投下」を題材に描かれている物語でした。まず重明の姪、矢須子の縁談がなかなか決まらないところから始まります。縁談が決まらなかったのは矢須子が原爆病を患っていると地元で噂になっていたからでした。8月6日、その日、矢須子は少し離れた場所へ荷物疎開に行っていたため被爆しているはずがないと思い、重明は証拠として矢須子の書いた日記を読んでもらおうと清書しだします。しかし、その日記には黒い雨について書かれているところがありました。本当は、矢須子は重松たちが無事を確かめるため広島市に向かうときに黒い雨を浴びていたのです。また、重松たちと再会した後、市内を逃げ回ったためたくさんの放射線を浴びていました。このことを縁談相手への手紙に書くべきか重明はすごく悩みます。そんな時、矢須子が原爆症を発症し病気が悪化してしまいます。私はこの本を読み被爆してしまった方の後の苦しみを少しですが知ることができました。広島市にいた人はもちろんそれ以外の市にも被害が及んでいることはあまり知らなかったです。福島第一原子力発電所の事故もそうですが空気や水は隙間からもれると思います。漏れた放射線や汚染された水によって少しずつ私たちの体に悪影響を及ぼしていると考えると恐ろしいです。今までも放射線に関する本は読んできましたが、今本を通しても新たな知識を深めることができたと思います。また『黒い雨』は映画にもなっているので見てみたいです。

 三浦綾子「道ありき<青春編>」は三浦綾子さんの人生が書かれた本でした。まず私は、三浦綾子さんが17歳という若さで教員となりそれからすぐに肺結核にかかったことを知りました。三浦綾子さんの闘病生活については少し知っていましたがこんなに若くでなられていたことに驚きました。そして13年間、病院での長い闘病生活をされたそうです。また、三浦綾子さんが教員を辞められた後、酒やたばこに手を出したり2人の男性と婚約したりしていたことを知りとても驚きました。また結核で倒れた日はの結納の日の日だったそうです。その後、13年間もの闘病生活中に幼馴染で同じ結核と戦っている前川正さんと再会し人生が変わります。三浦綾子さんが苦しくて自殺しようとしたときも前川さんがいつも励ましていました。また、前川さんの影響を受けて三浦綾子さんは洗礼を受けられます。前川さんは三浦綾子さんと再会した5年後に病気が回復せず亡くなってしまいますが前川さんの遺言書がこれからの三浦綾子さんの人生の支えなっていました。この本は三浦綾子さんが三浦光世さんとご結婚される場面で終わります。この本には三浦綾子さんの人生がとても細かく書いてありつらい経験を沢山なさっていたことを実感しました。また、前川さんという方にも感銘を受けました。前川さんは三浦綾子さんの人生にキーパーソンだと思います。私もいつも周りで私のことを支えてくれる人たちへ感謝し大切にしながら過ごしたいと強く思いました。

 伊坂幸太郎「仙台ぐらし」はエッセイ本でした。この本は著者が仙台で体験したことが面白く書いてありました。「タクシーが多すぎる」「機械任せが多すぎる」などです。また2011年になってからのエッセイには「震災」についても書いてありました。私が一番面白くて心に残ったのは「映画化が多すぎる」です。著者がある夫人と話をしているところから始まります。婦人は『ゴールデンスランバー』という映画のロケのせいで街が渋滞だったと愚痴をこぼします。この『ゴールデンスランバー』は著者の書いた本で幸太郎さんはロケには関わっていないのですが、彼は少し申し訳なく思っていました。するとまた婦人が『重力ピエロ』という映画を見たと話してきました。この『重力ピエロ』も著者の作品です。ふじんはこの作品について「暗い話で嫌になっちゃった」とこの本を書いた本人に言いました。もちろん婦人は伊坂幸太郎さん本人だとは気づいてはいません。これでまた幸太郎さんは申し訳ない気持ちになっているという冒頭の場面から面白かったです。伊坂さんはこのように小説作品が映画化されることが多いそうです。作者の約10年に及ぶ仙台での様々な体験や感じたことが細かく書いてあり、私もそこで生活していたような気持になりました。伊坂さんの優しい人格にも触れられた気持ちになり、もっとほかの本も読んでみたいと思いました。

61週目:2月8日~2月14日は次の本(計1,214ページ)でリーディングマラソンの予定です。
・一校舎国語研究会「日本・名著のあらすじ」 (コスモ文庫)P255
・一校舎国語研究会「日本・名著のあらすじ―精選40冊 」(コスモ文庫) P255
・星新一「マイ国家」(新潮文庫) P336
・辻村深月「スロウハイツの神様(上)」(講談社文庫)P368