自己紹介

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2020年12月27日日曜日

55週目:12月28日~1月3日のリーディングマラソン予定

前週、54週目:三浦綾子「細川ガラシャ夫人 下」、三浦綾子「塩狩峠」、夏目漱石「こころ 坊ちゃん ー 現代日本文学館」の計1,342ページ、54週目までの累計は61,298ページです。

 三浦綾子「細川ガラシャ夫人 下」は、先週読んだ本の続きです。私がこの本で印象的だった場面は『ガラシャがクリスチャンになったことが忠興にばれた場面』です。ガラシャがキリシタンになったと夫・忠興が知ったときはすでに豊臣秀吉によってキリシタン弾圧が進められていました。そのため、忠興はガラシャに信仰を捨てるように命じます。しかし、ガラシャは自分を殺してもいいから信仰だけは捨てないといいます。この他にも忠興は侍女たちのことを迫害します。それでもガラシャは信仰を捨てませんでした。私はこのガラシャの信仰の深さに感動しました。自分の命を差し出してまでも信仰を捨てないのは本当にすごいことだと思いました。私もはりつけにされても信仰を捨てないなど当時の人々の精神を見習いたいです。

 三浦綾子「塩狩峠」もキリスト教についての物語でした。主人公は永野信夫です。信夫は父の貞行、祖母のトセと東京に暮らしていました。信夫は実の母は死んでいるとずっと思っていましたが実は生きていて、クリスチャンであったためキリスト教嫌いな祖母に別居をさせられていたことをしります。やがて祖母が死んでしまいます。これがきっかけで母の菊、妹の待子と暮らし始めます。はじめは信仰を持つ菊や待子との生活にとまどっていましたが平和に暮らしていました。そんなある日、親友となる同級生・吉川と知り合い仲が深まります。また、吉川の妹のふじ子にも特別な感情を抱きます。ふじ子は体が不自由です。吉川はそれからしばらくして北海道に引っ越してしまいます。しかし、その間も文通を続けます。また、信夫が中三になった時、母の甥・隆士が大学に行くため信夫と一緒に暮らすようになります。信夫は男らしく遊び上手な隆士のことが大好きになり、また自分が揺さぶられていきます。しかし、父の貞行が急死してしまいます。働き手が家からいなくなってしまったため信夫は中学校を卒業後、裁判所に就職します。そして、隆士の紹介で作家・中村春雨に出会います。クリスチャンでもある彼を通して信夫は罪や許しについて深く考えるようになります。吉川の祖母の葬式で、吉川が東京に来て再会をします。そして北海道にあこがれを抱きます。23歳になった信夫は北海道に移住し鉄道会社に就職します。そこでの仕事はうまくいきます。しかし、吉川の妹ふじ子は身体がどんどん弱くなっていってしまいます。そんなふじ子に信夫はあらゆる手を尽くします。また信夫は駅前で伊木に出会い神への信仰を自覚します。ここで私がおもしろく素晴らしいと思った場面があります。ある日同僚の給料を三堀という人が盗んでしまいます。しかし、キリスト教の教えにある隣人への愛をもつことを誓い一緒に旭川へ転勤します。そして旭川で洗礼を受けます。また信夫は、旭川へ行く前にふじ子にプロポーズします。そして結納の日、信夫の乗った札幌に向かう電車が事故を起こしてしまいます。最後尾の列車が分裂してしまい塩狩峠の斜面を落ちてしまった事故です。初め信夫はハンドルを使って列車を止めようとします。しかし、塩狩峠の斜面を下る客車は止まらず、カーブに入れば客車は転落し、乗客は助かりません。信夫は決心をし線路に飛び込みます。列車のタイヤは信夫を下敷きにして止まり、あとの乗客はみんな助かります。私はこのお話を読んだ時、信夫の人柄に感動しました。小さい頃はキリスト教に興味がなかった信夫ですが、徐々に感銘を受けキリストの教えをとても大事にしていることが伝わりました。またこのお話が実話をもとにしていることに驚きました。明治時代に塩狩峠で同じような事故があり、信夫のように自分が下敷きになることで列車の暴走を防いだ長野政雄さんというクリスチャンの方がいたそうです。私にこのような勇気はまだないと思います。隣人を愛し他人を救うために、命を差し出せるような心を持った人間になりたいです。

 夏目漱石「こころ 坊ちゃん ー 現代日本文学館」は、夏目漱石の代表作が入っていました。私は、『こころ』を読んだことがなかったのですべて読むことができてよかったです。『こころ』は簡潔に言うと親友Kを自分(先生)が恋愛を優先したことによって失った罪の意識から自殺を選んだ人の生涯が描かれていました。この本は半分が主人公にあてた先生からの書簡です。私は、はじめこの本がとても面白い本だとは思ったのですが伝えたい意図が分かりませんでした。しかし、この本が明治天皇がなくなりそれに殉死した乃木希典をきかっけに書いたものだと知り、明治時代の終わりを描いたお話のように感じました。明治という日本が大きく変わった時代が終わりまた新たな時代が始まることを表していると思いました。また余談ですが私は日本語で遊ぼうを通してしった「心よでは行っておいで しかしまた戻っておいでね やっぱりここがいいのだに 心よでは行っておいで」はこの夏目漱石の『こころ』の一部分だと思っていましたが、これは『八木重吉 こころよ』の死だったことも初めて知りました。

55週目:12月28日~1月3日は次の本(計1,117ページ)でリーディングマラソンの予定です。
・磯田道史「無私の日本人」(文春文庫)P384
・村岡恵理「アンのゆりかご 村岡花子の生涯」(新潮文庫)P431
・辻村深月「盲目的な恋と友情」(新潮文庫) P302