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2020年12月19日土曜日

54週目:12月21日~27日のリーディングマラソン予定

 前週;53週目:三浦綾子「細川ガラシャ夫人 上」,加納朋子「カーテンコール」、芥川龍之介「羅生門 蜘蛛の糸 杜子春  ほか18篇-現代日本文学館の計1,105ページ、53週目までの累計は59,956ページです。

 三浦綾子「細川ガラシャ夫人 上」は、三浦綾子さんの歴史小説です。細川ガラシャは明智光秀の子供です。今、「麒麟が来る」で明智光秀が話題になっているので読んでみました。ガラシャは、もともと明智玉子と呼ばれており何不自由のない暮らしを送っていました。小さい時から美人で賢かったそうです。16歳になった時に織田信長の命令で細川忠興のもとへ嫁ぎます。「麒麟が来る」では細川忠興の父、細川藤孝(幽斎)とガラシャの父、明智光秀はとても仲が良いです。玉子は嫁いだ後キリスト教に出会い洗礼を受けクリスチャンになります。この時代、女性は男の所有物でしかなく政略の道具として使われていました。そんな時に細川ガラシャは自分を人間らしい生き方を貫いていきます。この本(上巻)ではまだ織田信長が生きており、キリスト教は迫害をあまり受けていません。この本では私のあまり知らなかったガラシャの幼少期が描かれています。小さいころから自分の意見をしっかり述べるなど、ものすごくしっかりしていて頭の良かった方なのだと知りました。しかしこの後、信長を自分の父親が殺してしまいます。また、豊臣秀吉によってキリスト教が厳しく罰せられていきます。ガラシャがどのような生き方をしたのか早く下巻を読みたいです。

 加納朋子「カーテンコール」は学園ストーリーで心の温まる物語でした。舞台は私立萌木女学園という大学です。私立萌木女学園は、経営状態が悪化してしまい廃校を余儀なくされています。そんな中、大学側は単位をとれるようにしていたにもかかわらず、単位をとれず卒業できないかもしれない学生たちが10名ほどいました。理事長先生はこの10名を何とか卒業させるために半年間の特別補講合宿を行います。この補講合宿機関の間は、外出禁止で食事も用意されたものだけ通信機器も使用禁止、部屋は2人部屋に割り振られ半年間他人と過ごすというとても窮屈なものでした。最初はみんな不満ばかり抱えていました。しかし、この合宿に参加している人たちは、コミュ障、寝坊魔、腐女子、食いしん坊な子から拒食症、トランスジェンダー、自傷癖の方までと訳アリの子たちばかりでした。そのため少しずつ自分の悩みを共有しあえるようになっていきます。そして、コンプレックスやなぜ学業不振になってしまったかなどの意外なことがわかってきます。私はこの本を読んでまず、理事長先生がとても素晴らしい方だと思いました。この理事長先生はとても暖かくいつも生徒のことを思っています。理事長先生の「人生という名の舞台の主役は自分」というメッセージが込められた一言一言が生徒の励みになっているのを感じました。また、最初は敵対していた子や心を閉ざしていた子たちが卒業式の時は悩みを解決するために一致団結している姿に感動しました。私も友達と協力してお互いを高めあうことのできる学級、学校にしたいです!!

 芥川龍之介「羅生門 蜘蛛の糸 杜子春  ほか18篇」は短編集で、彼の作品のうち「羅生門」「蜘蛛の糸」「杜子春」「トロッコ」などの物語は知っていましたが、その他は初めて読みました。また、知っていたお話も絵本で読んだり、一部だけしか知らなかったりしたものが多かったので、この本で詳しく知ることができとてもワクワクする本でした。私が一番印象に残ったお話は「蜘蛛の糸」です。この物語は絵本や教科書などで何度も読んできましたが、はじめから最後まで読んでみて改めて良い手本になるお話だなと思いました。犍陀多は生前、大泥棒でしたが一匹の蜘蛛を助けたということをお釈迦様は思い出し、地獄から助け出してやろうとお考えになり蜘蛛の糸を地獄の血の池まで垂らします。それに気付いた犍陀多は天国まで行けるかもしれないと思いよじ登っていきます。しかし、犍陀多がのぼっていると後ろから他の亡者たちが後についてよじ登ってきました。犍陀多一人でさえ切れそうなのに、こんな大人数が登ったら糸が切れて落ちてしまう、と考えた犍陀多はみんなを蹴落とそうとします。この様子を見たお釈迦様は、悲しそうな顔をしながら犍陀多のところで糸を切ってしまいます。私は生前に行った犍陀多の善い事は見習おうと思いました。しかし、地獄にいた時の犍陀多のように欲を張って他人を蹴落とすような人にはならないように気を付けたいと思いました。その他「杜子春」や「羅生門」などにも一つ一つメッセージがある良いお話だと思いました。今度は芥川龍之介の伝記も読んでみようと思います。

54週目:12月21日~12月27日は次の本(計1,342ページ)でリーディングマラソンの予定です。
・三浦綾子「細川ガラシャ夫人 下」(新潮文庫)P400
・三浦綾子「塩狩峠」(新潮文庫)P464
・夏目漱石「こころ 坊ちゃん ー 現代日本文学館」(文春文庫) P478