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2020年12月13日日曜日

53週目:12月14日~20日のリーディングマラソン予定

 前週、52週目:赤瀬川源平「新解さんの謎」、三浦しをん「光」、太宰治「斜陽 人間失格 桜桃 走れメロス ほか7篇-現代日本文学館」の計1,254ページ、52週目までの累計は58,851ページです。

 赤瀬川源平「新解さんの謎」は、父からとても面白いと勧められたので読んでみました。辞書の中から突然「新解さん」という謎の男が現れます。新解さんは電話で「今、新明解にいる」といい、辞書の話をし始めます。「今、***ページの***という言葉のところにいるよ」という感じで、辞書を本のように読んでいる感覚になりました。またこの本の登場人物?は実在していて作者、赤瀬川源平さんの知人の弟子が「SM嬢」で文藝春秋の編集者である鈴木マキコ(氏名のイニシャルが "SM")(=現名:夏石鈴子)のことだったそうです。この本を読んで新解明国語辞典で紹介さfれている例文のおもしろさから辞書を味わって読むことの楽しさ、また、辞書は辞書でも4版と7版とではこだわりや内容が違うことや辞書の面白さを知ることができました。これからもっと普段から辞書を引いてみようと思いました。

 三浦しをん「光」は中学生が主人公の物語でした。中学生の信之と美花は島に暮らす同級生で付き合っていました。しかし、ある日この島に津波が襲い信之と美花、幼馴染の輔、数人の大人だけが生き残ってしまいます。そして島を離れる最後の夜、美花を守るために、信之と美花は山中という男を殺してしまいます。そして、それから25年たち信之は公務員として働き、妻と幼い娘と共に平穏に暮らし、美花は篠浦未喜という名前でミステリアスな女優として活躍をしていました。そんな信之の前に肉体労働に身を費やしている輔が現れます。輔は山中の持っていたカメラで信之たちが殺人を犯した瞬間をカメラに収めていました。そしてその写真を使って執拗に付き纏い、美花のことも脅迫し始めます。この本の登場人物には一人一人思い悩みがありました。私が驚いたのは、信之の妻が浮気をしていたことです。また、輔は親から虐待を受けていてずっと孤独感を抱いていました。暴力や浮気などいろいろな闇が描かれていました。でも、家庭の談話などの光を描かれていてとてもいい作品だと思いました。また、この本は映画にもなっていて、瑛多さんや南果歩さんが出演しているそうなのでぜひ見てみたいと思いました。

 太宰治「斜陽 人間失格 桜桃 走れメロス ほか7篇-現代日本文学館」は、タイトルにもあるように斜陽や人間失格などの太宰治の代表作と、「ダス・ゲマイネ」「満願」「富嶽百景」「葉桜と魔笛」「駆け込み訴え」「トカトントン」「ブヨンの妻」の7作が入っていました。今まで太宰治を読んでこなかったため、読んでみたほうが良いと思いこの本を選びました。どのお話も面白くてスラスラ読むことができました。私が1番心に残ったのは「走れメロス」です。ずっと国語の授業でやってきた「走れメロスが」先日終わったのですが、すこし内容や表現が違うところが面白かったです。教科書に載っている走れメロスは少しわかりやすくしてあるからか抜粋されているところもありました。逆にこの本には、メロスが荒れ狂う皮を鎮めようとしたときに、ゼウスという神に祈ったり、メロスが町について刑場に向かって走っているときに町の人々がセリヌンティウスのことについて話しているところを聞いたりする場面がありました。このように見比べながら読んだり授業でやったことを振り返りながら登場人物の気持ちになって読めたので物語にのめりこむことができました。他の物語も様々なところを舞台にして書かれていて面白かったです。

53週目:12月14日~12月20日は次の本(計1,105ページ)でリーディングマラソンの予定です。
・三浦綾子「細川ガラシャ夫人 上」(新潮文庫)P341
・加納朋子「カーテンコール」(新潮社)P280
・芥川龍之介「羅生門 蜘蛛の糸 杜子春  ほか18篇ー現代日本文学館」(文春文庫) P484