自己紹介

<ユニセフ・フレンドネーションのチャレンジ型プロジェクト>で募金活動をしています。詳細は、上の[リーディングマラソン for チルドレンのページ]をクリックしてください。

2020年8月16日日曜日

36週目:8月17日~8月23日のリーディングマラソン予定

前週、35週:星 新一「声の網」、早見和真「ひゃくはち」、岩井恭平「サマーウォーズ」、井上ひさし「少年口伝隊一九四五」の計1,044ページ、35週目までの累計は39,818ページです。

 星 新一「声の網」は、私が星新一さんの本が好きなので読みました。私が今まで読んだ星新一さんの本は、小さな物語ごとの繋がりがあまりなかったです。しかし、この本のお話には繋がりがありました。すべてで12の短編が入っていて、その物語すべてに共通していることは「なんでもできる便利な電話網」です。この不思議な電話網の秘密が12の物語を通して明かされます。初めあらすじを読んだ時、「この電話はとても便利だからみんな喜んで使っているんだろう」と思っていました。しかし、この電話は突然聞き覚えのない声でかかってきます。また、誰にも知られていないはずのことを、突然言われるため電話がかかってきた側はとても不安になっていました。少しミステリアスで怖いお話ですが、ぜひ読んでみてください。もしこんな電話があったら怖いけれど、少しだけ利用してみたくなりました。またこの本の解説者が、先週読んだ『夜のピクニック』の作者恩田陸さんなのでそこも面白かったです!

 早見和真「ひゃくはち」の主人公は青野雅人です。青野雅人は仕事の関係で、東京本社から徳島分局に異動することになってしまいます。雅人には佐知子という彼女がいました。彼女は東京に住んでいます。彼女に異動のことを言うと、「付き合うずっと前、高校生の時に2人が出会っていた」という意外なことを打ち明けられます。雅人は甲子園の常連校、京浜高校の補欠野球部員でした。記憶をめぐるうちに、封印したはずの過去が甦ります。京浜高校野球部員同士のぶつかり合いや選抜メンバーからのはずし、練習の時の思い出などがたくさん詰まって書いてありました。今年は、新型コロナウイルスの影響で甲子園ができませんでした。しかし、出場が決まっていた高校だけ今、交流試合が行われています。今、甲子園の交流試合をやっているというのも、この本を選んだ理由の一つです。実際この本とは違うことが多いと思いますが、3年間いや、その前から毎日練習をして、甲子園を目指していることがよくわかりました。毎日練習していても選抜メンバーに選ばれないかもしれないし、選ばれたとしても、それまでに様々な試練や葛藤の中、甲子園に出場していることは本当にすごいことだと思います。補欠や選抜に選ばれなかった仲間の支えがあるからこそ強いチームになるのだとも思います。中学や高校の思い出は、貴重なものになると思うので大切にしたいです。これからも甲子園球児たちを心から応援したいです!

 岩井恭平「サマーウォーズ」の主人公は、小磯健二です。健二はあこがれの先輩篠原夏樹に「4日間だけフィアンセのふりして!」と頼まれ、長野の田舎に同行することになります。夏希の曾祖母を中心に親戚に囲まれながら大役を果たそうとする健二のもとに、謎の数列が届きます。数学が得意な健二は答えを夢中で導き出します。しかし、これは世界でたくさんの人が利用している「OZ」というゲームアプリの管理IDだったのです。翌朝OZは、高校生の犯人に乗っ取られていました。この危機を救うため暗号を解いた健二と夏希、そして親戚が立ち上がります。健二も何も知らないまま暗号をといてしまったので、その罪悪感と戦いながら解決していきいます。協力しながらやっていて、とても情熱的かつ優しさを感じる物語でした。また、わたし自身は、もっともっと数学を頑張ろうとも思いました。少しでも知識があれば将来困ったときに数学の知識が助けてくれると思ったからです!

 井上ひさし「少年口伝隊一九四五」は戦争のお話です。短いですがとても心にしみた本です。先日の8月15日は、日本の終戦日、敗戦日でした。そのため、この本を読んで戦争について考えようと思いました。この本の舞台はヒロシマです。広島の原爆についてのお話です。英彦、勝利、正夫の3人が主人公です。この3人は通っていた学校は違いますが、家が近かったため顔は知っていました。3人とも家族皆原爆で亡くなりました。一人では生きていけないため、3人は一緒にいることにします。ある日3人は、中国新聞の記者花江さんと再会します。口伝隊をやっているうちに家族の消息がつかめるかもしれない、と考えた3人は『少年口伝隊』として活動し始めます。短い期間でしたが様々な日本の情報を知ることができました。私がこの本を読んで初めて知ったことがあります。それは、この当時命を多くの犠牲者を出した自然災害です。『山津波』です。戦争に夢中になっていた人は近くにある山々の手入れを怠っていました。その上、山々の土が原爆の熱で焼かれてもろくなっていたため、大量の雨を注ぎ込まれてはげ落ちた山土が杉木もろとも町めがけて滑り落ちていきました。また、町に注ぎ込まれようとしていた水が押し戻されて川へ逆流したため町は泥水と化しました。これにより、2,012名の命が湖に沈んだそうです。その中の一人が勝利でした。混乱している中、山津波が起きたらひとたまりもありません。このことを知った時はこんなことがあったんだと驚きました。また、正夫はその2日後に英彦は15年後に原爆症で亡くなっています。今年で戦後75年が経ちました。私を含め実際に戦争を経験した方、生きた方たちが減ってきています。それでも、日本はこの戦争のことを忘れてはいけないと思います。特攻兵もそうですが、大切な命がこんなにたくさん亡くなったことはとても悲しくなります。私も積極的に講演や現地に行って忘れないようにしたいです。アメリカの方にも真実を知ってもらいたいです。また戦争は、日本以外の国で今も起きています。子でもが大勢亡くなっていることもあります。私たちが平和に暮らしている時に、同じ地球には爆弾におびえながら暮らしている方がいることを忘れないようにしたいです。早く戦争がなくなることを祈り、そのために何をしたらいいか考え、行動したいです。

36週目:8月17日~8月23日は次の本(計1,017ページ)でリーディングマラソンの予定です。
・石井貴士「やってはいけない英語勉強法」(きずな出版)P225
・若松丈太郎、アーサー・ビナード「ひとのあかし」(清流出版)P137
・新潮日本文学アルバム6「石川啄木」(新潮社)P111
・長谷川英祐「面白くて眠れなくなる生物学」(PHP文庫)P225
・盛山正仁 著、福岡伸一監修「生物多様性100問」(木楽舎)P319