自己紹介

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2020年8月9日日曜日

35週目:8月10日~8月16日のリーディングマラソン予定

前週、34週:益田ミリ「言えないコトバ」、恩田陸「夜のピクニック」、山田悠介「モニタールーム」、中 勘助「銀の匙」の計1,153ページ、34週目までの累計は38,774ページです。

 益田ミリ「言えないコトバ」は、芦田愛菜ちゃんが紹介をしていて面白そうだったので読んでみました。世間でよく耳にするけれど、気恥ずかしかったり抵抗があったりして自分ではうまく使えない、そんなコトバでの日常の体験談を書いたエッセイ本です。見開き1ページ文章で、次の1ページは漫画で構成されています。著者の言えないコトバのうち半分くらいは普段の生活の中で普通に使っていますが、残りは私も使えないというような言葉がありました。また、新しい言葉も学びました。「お水」のことを別の言い方で「お冷」ということ自体は知っていました。初めて知って驚いたのがお酒を飲む「バー」ではお水のことを「チェイサー」というそうです。「おあいそ」が「お会計」を表す言葉だったことも学びました。使い方によって分けている言葉もあります。自転車などがそうです。自転車を使うときは、チャリではなく自転車と言います。でも、自転車通学のことは、「チャリ通」といって自転車通学とは言わないです。普段何気なく使っている言葉でも意識してみると、とても面白かったです。また、場所によって同じことを表していても全く違う言葉を使うことも学びました。普段自分の使っている言葉について深く考えてみると新しい発見があるだと感じました。

 恩田陸「夜のピクニック」も芦田愛菜ちゃんが紹介していた本です。甲田貴子の通う北高には伝統行事があります。高校生活を最後を飾るイベント「歩行祭」です。それは、全校生徒が夜を徹して80キロ歩きとおすというものでした。甲田貴子は、3年間誰にも言えなかった秘密を清算するため、密かな誓いを胸に抱いて「歩行祭」にのぞんでいました。学校生活の思い出や卒業後の夢などたくさんのことを話しながら歩いていきます。貴子にはアメリカに行ってしまったクラスメイトがいました。そのクラスメイトのことで、貴子は色々話したくても話せないことがありました。この夜のピクニック中に今までの誤解が解けたり、最後の最後で意気投合して仲良くなったりと様々な出来事があります。物語の最後、アメリカにいるクラスメイトの弟が現れ、貴子の悩みがすべて解決します。この本を読んでいて私はこの「歩行祭」にとても憧れました。今までの思い出を語ったり将来について語ったり、とても楽しそうです。いつか私もやってみたいと思いました。

 山田悠介「モニタールーム」は、私の好きな作家さんである山田悠介さんの本です。今回の物語は、少しミステリアスだと感じました。主人公は「徳井」という大学を卒業したばかりの男性です。徳井は難病の妹の治療費を稼ぐためすぐに大金が必要でした。そんな時、「おいしい仕事」を見つけます。それは、刑務所の地下の地下にあるモニタールームで、いくつものモニタールームをただ見るという簡単なものでした。月収はなんと100万という破格の仕事です。徳井は不審に思いながらその仕事始めます。モニターをのぞき込んでみるとそこには、無数の地雷で隔離された地帯に住む少年少女の姿が映し出されていました。別のモニターには、中年の女性の姿が映し出されていました。無数の地雷地帯に囲まれた所で暮らしている少年3人と少女1人の4人は、生まれた時からここにいたため世の中のことを全く知りません。初めのうちは謎だらけでしたが、なぜこのようなことをされているか後半になって次第に明らかになっていきます。別のモニターに映っている中年の女の人は、過去に自分の恋人を殺した殺人犯です。この人に下された判決は、15年間地雷地帯にすむこの少年少女たちを見続けるということだったのです。またこの子供たちの一人の女の子は、中年の女性の子供だと嘘を伝えてありました。15歳に子供たちがなったとき、子供たち、自分たちの住んでいる地域とは全く違う世界を見ます。そしてそこに行けと言われます。あるはずのない、場所へ地雷地帯をわざととおらせていかせることが最後の刑でした。最後は、女の子だけ生き残ります。この本はとても短く、終わりは読者に続きを想像させるかのように曖昧なままで終わっています。この本を読みながら、地雷が埋められている地域に住んでいる子たちがこの地球上にいるんだ、物語の世界の話ではないんだと悲しい気持ちになりました。

 中 勘助「銀の匙」は、前から興味があったので読んでみました。舞台は明治時代の東京の下町です。病弱で人見知りで臆病な主人公を愛し、育ててくれた伯母を通して主人公が成長していくお話です。『銀の匙』という題名は、伯母との宝物が由来です。主人公は、伯母が自分のために特別に探し出してきてくれた珍しい形の銀の小匙を大切に書斎の本箱の中の小箱にしまっています。そこからきています。この本は、夏目漱石が絶賛している作品です。このお話になかなか入り込めなかった私ですが、読んでいて同じ年代に書かれた本よりは読みやすいと感じていました。大人でないと書けない内容ですが、子供が日々感じている言葉だけを使って書かれている本だから、とても私たちに響くものがあるんだろうと思いました。初めて読み理解が難しいところもあり、まだすべての内容を掴み切れていないのでもう一度読んでみたいと思いました。

35週目:8月10日~8月16日は次の本(計1,044ページ)でリーディングマラソンの予定です。
・星 新一「声の網」(角川文庫)P270
・早見和真「ひゃくはち」(集英社文庫)P366 
・岩井恭平「サマーウォーズ」(角川文庫)P328
・井上ひさし「少年口伝隊一九四五」(講談社)P80