自己紹介

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2020年8月2日日曜日

34週目:8月3日~8月9日のリーディングマラソン予定

前週、33週:山田悠介「ライヴ」、森下典子「日日是好日」、美輪明宏「ああ 正負の法則」、伊坂幸太郎「逆ソクラテス」の計1,061ページ、33週目までの累計は、37,621ページです。

 山田悠介「ライヴ」の主人公は大学生の直人です。物語の舞台は日本、そこでは感染すると必ず死に至るウイルスが流行していました。このウイルスを直すための薬は見つかっていません。直人の母親もこのウイルスに感染していました。

ある日、『未認可の特効薬が手に入った』という情報をネットで見つけます。そして、その薬を取りに行くため指定場所である区立スポーツセンターに足を運びます。感染者の家族の人々は、みんな平等に薬をもらえると思い集まっていました。しかし、薬の交換は謎の主催者によるトライアスロンレースの完走と引き換えだったのです。車いすの子や高齢者が何百キロもあるトライアスロンを完走できるわけありません。しかし、やらなければ薬は一生手に入らないのです。直人は挑戦することにしました。途中から、話になかった競技やガスなど命に関わる仕掛けも出てきます。私がこの本で好きな場面は、後半部分です。前半レースのスタート地点に向かうバスの中で、直人は2人の男女に出会います。一人は明るい同い年の男の人、もう一人はクールな女の人です。後半の部分は、この二人と再会し合流します。3人は助け合いながらゴールへと向かいます。この2人がいなかったら、直人の完走は難しかったと思います。3人のファインプレーがあったからこそ、薬を手に入れることができたんだと思います。直人の話だけをしましたが、トライアスロンに参加している選手の中には、薬を打ってお金持ちになろうとする人、自分の犯した犯罪によって親を苦しめてきたから親孝行がしたい犯罪者、その犯罪者を捕まえるために来た警察官・・・など様々な人が登場します。また、主催者がなぜこんな無意味なことをしたのかの理由も少し切なくなりました。

 森下典子「日日是好日」は、お茶、「茶道」についての物語でした。この本は映画にもなっています。私が一番心に残った言葉は、P61からの第3章『「今」に気持ちを集中すること』です。この場面では、「夏のお茶」と「冬のお茶」が出てきます。私もお茶をやったことがありますが、「夏のお茶」と「冬のお茶」ではお点前が全く異なります。一番大きく変わるのは「お釜の場所」です。夏は外に出ていますが、冬は炉という穴のようなところの中にあります。そのため、体の向きも違います。他にも使う道具や新しい道具が冬になると出てきます。主人公とミチコは、振出しに戻った気分で毎回お稽古を受けます。そして半年後、夏がやってきました。しかし、「夏のお茶」の方法を忘れてしまっているのです。また振り出しに戻った気持ちになってしまいました。そんな主人公たちに先生は「気持ちを切り替えて今、目の前にあることをしなさい。『今』に気持ちを集中するの」と言います。私も、この言葉を見習って過去にとらわれて、うじうじしているのではなく、気持ちを切り替えて何事も取り組みたいです。

 美輪明宏「ああ 正負の法則」は、父の本棚にあって以前から気になっていた本でした。第一章に『自分自身の〈正〉と〈負〉を知る』という章があります。顔が美しく整っていて、頭もよくて、何でもこなせる、いわゆる皆から完璧と言われ羨ましがられる人も、実はとても大きな欠点を抱えていたり、一見普通に見える人でも秀でた才能が有ったりと、人には必ず正(長所)と負(短所)があるということを具体例を用いてわかりやすく書いてありました。また、負が正に働くこともある、と書いてありました。私もどうして私はこうなんだろうと思うことがあります。どうしても、他人を羨ましく思ってしまう時があります。でも、あこがれの人を目標にしながらも自分自身の長所を伸ばしていきたいと思いました。目標にしている人も、誰だって短所があり、人知れず悩んでいることもあることを忘れないようにしたいです。また自分の長所を伸ばして増やしていきたいです。

 伊坂幸太郎「逆ソクラテス」は、父が強く薦めてくれた本でした。5つの物語が語られています。どれもとても面白かったです。その中でも私は、一番初めのお話『逆ソクラテス』が面白かったです。主人公が小学生だった時の場面と、大学生になった主人公が未来になって「その時」のことを先生や同級生と話す場面があります。主人公の加賀、気弱な性格の草壁、転校生の安斎、優等生の女の子、佐久間、先入観にとらわれている久留米先生が主な登場人物です。1話は、久留米先生の先入観を崩すために生徒たちが協力して立ち向かうお話です。久留米先生は、特定の生徒に対して先入観だけで判断をし、みんなの前でいじったりします。草壁は、成績は特別目立つほどではなく運動も苦手、おまけに気がとても弱い子です。これだけでも、草壁がからかわれる理由の一つなのですが、いじめを受ける上で大きな影響を与えているのは、久留米先生の草壁に対する態度や言動があります。例えば、草壁が薄いピンクのセーターを学校に来て来た時、久留米先生は「お前は女子みたいな恰好をしているな」というのです。それが原因で草壁はクラスのみんなから『クサ子』と呼ばれてしまいます。久留米先生は、勝手に人を決めつけることが多い先生、自分が常に正しい、と思い込んでいる先生なのです。この先生に自分の考えが本当に正しいのかと先入観を壊すために、安斎を中心に計画を考えます。物語の最後、完全ではありませんが少しだけ草壁のことを見直していたような気がします。この本を通して、全体的な偏見で物事を決めつけたりすることが世の中には、よくあるなと感じました。安斎のように、『僕(私)は、そうは、思わない』と意見を言える人間になりたいです。人それぞれ価値観が違うことを心にとめて発言や行動をしたいです。

34週目:8月3日~8月9日は次の本(計1,153ページ)でリーディングマラソンの予定です。
・益田ミリ「言えないコトバ」(集英社文庫)P165 *芦田愛菜さんの推薦
・恩田陸「夜のピクニック」(新潮文庫)P455 *芦田愛菜さんの推薦
・山田悠介「モニタールーム」(角川文庫)P311
・中 勘助「銀の匙」(角川文庫)P222