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2020年5月24日日曜日

24週目:5月25日~31日のリーディングマラソン予定

前週:有川浩「別冊 図書館革命IIー図書館戦争シリーズ6」、山田悠介「スイッチを押すとき」、瀬尾まいこ「あと少し、もう少し」、鶴見俊輔「大切にしたいものは何?ーみんなで考えよう1」の計1,191ページ、23週目までの累計は26,220ページです。

 有川浩「別冊 図書館革命IIー図書館戦争シリーズ6」は、結婚をした郁と堂上教官の暮らしと、郁が図書隊に入る前の堂上教官や小牧の様子について描かれていました。私がとても面白いと思ったお話は、P64からの「昔の話を聞かせて」、郁が図書隊に入る前の堂上教官の様子がたくさん書いてある章です。堂上教官は図書隊になるために図書大学に入学します。大学在学中は二人の間に何か特別な関係があったわけではなく、成績でいうと堂上教官は次席、小牧は首席で卒業しました。2人が知り合ったのは、卒業後、同じ防護部に配属されたからでした。初め堂上教官は、小牧が首席だったためライバル心を持っていました。しかし、最初の任務で一緒になり少し仲が深まります。それ以降、なぜかよく同じところに配属され付き合いが長くなってきます。その中で印象的な逸話が出てきます。ある日、爆弾が仕掛けられているとの情報が入り図書隊は出動します。そこで、堂上教官は怪しい人物を見つけ、小牧と一緒に追いかけます。しかし、まだ未熟だったため怪しい人物に気づかれてしまい、犯人に見つかった上、動けない状態にされてしまいます。幸い、すぐに他の隊員が助けてくれたものの、今の郁のようで、教官の言われている人も、最初はこのような恥ずかしい失敗を色々としてきたのだなと思いました!これで図書館戦争シリーズは終わり。またいつか改めて読みなおしてみたいと思わせる小説でした。

 山田悠介「スイッチを押すとき」は、少しミステリーな小説でした。2007年が舞台です。物語の場所は「青少年自殺抑制プロジェクトセンター」というところ。近年若い人たちの自殺が増えているため、自殺を減らすため実験の対象となった子ども達の精神状態を調べるために作られた施設です。ここには、たくさんの少年少女が収容されています。ここにいる子ども達には「赤いスイッチ」が持たされます。このスイッチは、自らの命を絶つことのできるというスイッチです。たった一人で小さな部屋に入り、決められた時間にご飯を食べる。外に出てもいいが敷地内だけで遊具も何もない状態、という極限状態で軟禁され、孤独に勝てず、子どもたちは次々にボタンを押して死んでいきます。毎日、身体チェックをし、万が一、病気があれば子どもに知らせます。それも実験の対象になるからです。しかし、たくさんの子たちが死んでいく中、4人の少年少女達だけは7年間もスイッチを押さないのです。異例のことでした。監視員として勤務する「南 洋平」は、このような状況下でどうして自殺したくならないのかを4人に聞きます。実は、その4人には「願い」がありました。南たちは、その子たちの願いを聞き入れるため脱出を図りますがこのことが警察に知られていまい、追いかけられます。最終的にみんな死んでしまうのですが、ほかの子達とは違い最後だけでも理想の生活が出きました。この本は自殺のつらさや大変さを世の中に訴えているのだと思います。、この本に出てくる子供たちは、置かれた世界に対して絶望的になり、生まれ変わりたいと強く願って自殺をしてしまっている子どもたちが多かったです。世の中でこういう思いを日々感じていることを心に留めながら、自分の置かれた場で精一杯生きていきたいと思います。

 瀬尾まいこ「あと少し、もう少し」は、陸上部の部員が駅伝を目指す青春物語です。市野中学に通う設楽という少年が主人公です。入部する部活に悩んでいた時、小学校の頃に陸上をやっていたことから強引に陸上部に入部させられます。顧問の満田先生は、熱血で追い込みがすごいため、本格的に走れる部員がほとんどいないにも関わらず、何とかギリギリで県大会に出場していました。しかし、満田先生は学校を異動してしまいます。代わりに顧問として赴任したのは、陸上について何の知識もない美術部の上原先生でした。美術部は部員が足りなく廃部になり、どこにも所属しなくなった女の上原先生をとりあえず陸上の顧問にしたのでした。そんな不安な状態で始まった一年、特に心に残った場面を紹介します。P114の「2区‐6」です。この本は章が1~6区まであり試合でそれぞれの区を走る人目線で同じ出来事について書かれていました。1区は設楽が走るので設楽目線。2区は大田が走るので大田目線、という構成です。2区の大田目線、大田は小学校のころからヤンキーでみんなから怖がられている存在でした。駅伝に誘われた時も他のメンバーからは怖がられていました。時間が経つにつれ、徐々になじんでいきましたが、メンバーの間ではそれぞれ壁がありました。この2区‐6は、駅伝の前日に全校で開かれる壮行会での出来事です。みんなの前に立ち校長や代表者が「生徒の代表だ」「明日は全校で応援する」などと言っている時、大田はみんなの視線を感じていました。自分だけ金髪で乱暴者でみんなの誇りに思うような人間ではない、みんな心の中できっと馬鹿にしている、と考えるとじっとしていられず出口に向かって歩き出します。そして、注意をする他の部員に怒りをぶつけます。その時、「いい加減にしろ」という声が響きます。声の主は、普段はどんなことでも引き受けてしまう気の少し弱いジローでした。ジローは、どんなに大田が威嚇しても全く動じませんでした。ばつが悪くなり大田はその場から走り去ります。これだけ見ると大田が一方的な気持ちしかわかりません。でも、この本は3区でジロー視点でこの出来事が書いてありました。ジローはなぜ大田が怒っているのかわからないため、前日に投げ出した大田にとても腹が立ちます。大田に抗議している時少しも怖くありませんでした。壮行会が終わった後、みんななぜか、あの場で大田を怒らせてしまったジローを責めます。ジローの言っていることが100%正しいのに、と思っていると、ジローのライバルである渡辺がフォローをしてくれみんなの中が少し深まります。この場面が印象に残った理由は、一つの大変な出来事の裏に、仲が深まったり心を入れ替えたりと様々な成長があったからです。瀬尾まいこさんの本への関心も深まりました。他の著書も読んでみたいと思います。

 鶴見俊輔「大切にしたいものは何?-みんなで考えよう1」は、鶴見俊介さんと中学生13人の話し合いがまとめられた本です。「むかつくことって何?」「塾って何?」「マンガって何?」「大切にしたいものって何?」の第4章に分けられて書いてありました。私がすごく共感した章は1章の「むかつくことって何?」です。すべてが共感できました。一つ目は、「今の若者は」という口調についてです。お話の中には、いくつか例がありましたが、『おじさんがタクシーに一人で乗ってきた私に対して自分の自慢話をし今の若者はとブツブツ言う』『痴漢にあったときそんな恰好で歩いているからだと、被害者が責められる』などでした。一つ目の例については、もちろん昔のほうが今よりもしっかりしている部分があったとは思うけれど、時代も流行りも環境も変化してきている中で、年長の人々が生きた時代と同じように今を生きている私たちにはできないことを理解してほしいと思いました。言葉遣いや目上の方への態度などは見習う点がたくさんあるけれど、すべてを今の年長の時代を基準にされても経済が発展しないし困るなぁと思いました。2つ目の例については、確かにこんな時間に遊んでいたらと思うことは最近多いです。しかし、この本で書いてあったこの例は、真夏の昼間ワンピースで歩いていた時にあったそうです。仮に、その女の子が露出のある服を着ていても痴漢は絶対にやってはいけないことだと思います。その子の警戒心が薄かったのも原因ですが、露出のある服を着ているか着ていないかや、警戒心があるない関係ないのではないかと正直思いました。女の子がどんな服を着ていようが自由だし、しっかりとした服装を着ていれば痴漢に合わないというわけではないので周りの人や警察官も考えてあげてほしいです。痴漢にあったことだけでも深い傷を負ったのに勘違いや偏見で周りから、噂されたりいじめを受けるたりするのはおかしいです。本当はそういう被害者の心に寄り添ってあげるべきなのにと思いました。私が色々なことについて意見を持ち始めたころ、SNS上や駅やバスで「これだからキッズは」「これだから若者は」というような発言を耳にします。正直、そういうことを言っている大人の人よりも、もっとしっかりとした若い人はたくさんいると思うこともあります。年齢は大事だけど、それに見合った精神年齢を自分で成長させなければならないことを学びました!

24週目:5月25日~5月31日は次の本(計1,090ページ)でリーディングマラソンの予定です。
・山田悠介「ニホンブンレツ」(文芸社文庫)P341
・左巻健男「面白くて眠れなくなる人類進化」(PHP研究所)P205
・高槻成紀「野生動物と共存できるかー保全生態学入門」(岩波ジュニア新書)P209
・石田淳「図解うまくなる技術ー行動科学を使った自己成長の教科書」(まる出版)P189
・河野進「ぞうきん」(幻冬社)P146