自己紹介

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2020年3月22日日曜日

15週目:3月23日~3月29日のリーディングマラソン予定

前週:予定どおり、椋鳩十「椋鳩十まるごとシカ物語」、高橋源一郎「答えより問いを探して」、エーリッヒ・ケストナー「飛ぶ教室」、寮美千子・奈良少年刑務所受刑者「世界はもっと美しくなる」、マヤ・ムーア「失われた福島のバラ園」、佐々木成三「あなたのスマホがとにかく危ない」ジョセフ・ダグニーズ 文、渋谷弘子 訳「フィボナッチ~自然の中にかくれた数を見つけた人」の計1,207ページ、14週目までの累計は、計15,566ページです。

 椋鳩十「椋鳩十まるごとシカ物語」は、8つの鹿のお話が載っていました。私が一番面白いなと思ったのは、「子ジカほしたろう」というお話です。このお話は、主人公の花子が怪我をした子鹿を手当てし仲良くなるところから始まります。ほしたろうが立派に成長したある日、花子が野犬に襲われます。そこにほしたろうが来て怪我をしながら野犬を追い払ってくれます。私は、動物と人は心を通わせることができるのだ、と改めて思いました。

 高橋源一郎「答えより問いを探して」は、高橋源一郎さんの講演会の内容が書いてありました。そのため、高橋、生徒などと話し言葉で書いてあり、読みやすかったです。高橋源一郎さんのおすすめの本を説明に加えながら話していて、参考になりました。高橋源一郎さんが本を朗読し、その本の感想を指名された生徒が答える、という場面が何回か出てきますが私も、その場で講義に参加しているかのように読むことができました。私の意見と、全く違うことがありましたが、そういう見方もあるんだなぁと受け入れて読むことができました。1番学ぶことが多かった講座は1日目の「自分で探さなければ、先生には出会えない」というお話です。高橋源一郎さんの好きな本の一つが「ヴェニスに死す」だそうです。この本は5~6年に一度は読み返しているそうなんですが、気づいたら主人公の老人よりも歳をとっていたそうです。この本の中にいる先生の言いたいことにやっと気づけたと書いてありました。本を開いて読まなければ、その本の中の先生には出会えない。また、今もう亡くなっている作家が書いた本の方が、何十年、何百年も生き続けているから生き生きと話してくれる、と高橋源一郎さんは書いています。私も、たくさんのジャンルの本を手に取って読み、本の中の先生に出会っていきたいです。

 エーリッヒ=ケストナー「飛ぶ教室」は、作家の高橋源一郎さんが紹介していた本です。「まえがき」が2つあり、そのあと第12章まで話が続いています。この本は、最初第1章と書いてある所の横に校舎の壁を、窓から窓へわたる生徒、ダンスをならう少年たち、などと目次のように書いてありこの章では、こんなお話が書いてあるんだと見通しをつけて読めました。私は、主人公の友達であるマルチンが、最上級生に向かってはっきり意見を言っている姿が、とても勇敢だと思いました。先生とのいざこざや最上級生の理不尽な意見に向かっていく主人公、そしてマルチンたちを応援しながら読みました。
 
 寮美千子、奈良少年刑務所受刑者「世界はもっと美しくなる」は、17歳以上~26歳未満の人たちが収容されている、奈良少年刑務所の受刑者たちが、そこで、国語を教えることになった寮美千子さんの授業で書いた、詩が載っています。私が1番心に残った詩は、P40の「父と母から教わったこと」です。
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 「あんたなんか産むんじゃなかった」という母の言葉
 ぼくを湖に突き落として殺そうとした父の行動
 小さい頃からぼくは
 「生きていてはいけない人間」だと教えられました
 入水 首つり 薬の大量服薬......
 病院のベッドで 母からかけられる言葉は
 「まだ生きてたん?死ねばよかったのに」でした
 大人は 誰も助けてくれなかった
 僕には 生きる意味も価値もありません
 いまでも 考えは変わっていません
 ぼくは 必要のない人間です
 ただ 生きていくだけです
 これからも ずっと
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 衝撃でした。こんなことを自分の子供に言う親がいることが驚きでした。

 この詩を書いた人が自分は必要とされている、価値のある人間だということに気づいて欲しいです。犯罪者と聞くとすごく怖いイメージがあります。でも、この本を読んで、とても心が優しい人たちだと思いました。失敗しても、励ましたり、人と少し違う人のことも受け入れたり、自分の意見をはっきり言えたりと、私たちよりも心が広いと思いました。また、どの受刑者も早くに親が亡くなったり、親に暴力を振るわれていたり、家が借金まみれだったりと、それぞれ大変な思いをしていたことも知りました。これから、もしそのような人たちに会ったら、犯罪者だから怖いという偏見を持たずに悩みを聞くなどして普通に接したいです。

 マヤ・ムーア「失われた福島のバラ園」は、福島県双葉町にあった「双葉バラ園」の写真集でした。ここは、約750種類のバラが咲いていて年間約5万人もの人が訪れる場所でした。しかし、3月11日におきた東日本大震災によって荒れ果ててしまいます。このバラ園を作った岡田克秀さんは、17歳の時にバラと出会ってから約50年かけてバラ園を作り上げてきました。写真集には、「3.11前の姿」と「3.11後の姿」が両方載っていました。比べてみると、とても綺麗だったバラ園が雑草に覆われていました。双葉町のバラ園は、元の姿に戻るまですごく時間がかかります。私は、もっと早く「双葉バラ園」を知ることができたらと思いました。1日でも早く東北が復興できるようボランティアなどに参加したいです。

 佐々木成三「あなたのスマホがとにかく危ない」は、元警察の捜査一課の人がスマホによる被害を元にデジタル犯罪から身を守る方法について、書いてある本です。私は、スマホの危険について初めて知ったことがたくさんありました。Googleマップのタイムラインで1分単位で、位置情報が記録されていることに、驚きました。SIMカードにも、ロックを掛けておくと少し面倒くさいけど安全だということも知りました。スマホを正しく使いたいと思いました。

 ジョセフ・ダグニーズ 文、渋谷弘子 訳「フィボナッチ~自然の中にかくれた数を見つけた人」は、「フィボナッチ数」を見つけたレオナルド・フィボナッチについて書かれた絵本でした。私は、初め数学者なら小さい時から頭がすごくキレていたのかなぁと思っていました。しかし、実際には「のうなし」と呼ばれていたことに驚きました。本当は、授業が退屈で外にある様々なものを数えていたみたいですが、周りから見るとほんやりとしているようだったんだと思います。その時代に、インド文字を使うなど人とは違うことをして、みんなからのうなしといわれながらも、自分の好きなことに没頭して、新たな発見をしたことに尊敬しました。

3月23日~3月29日は次の本(計1,401ページ)でリーディングマラソンの予定です。
・温又柔「『国語』から旅立って」(新曜社)P259
・レマルク・秦豊吉 訳「西部戦線異状なし」(新潮文庫)P338
・広島テレビ放送「いしぶみ〜広島二中一年生全滅の記録」(ポプラ社)P183
・篠原かをり「恋する昆虫図鑑」(文藝春秋)P207
・誉田哲也「武士道シックスティーン」(文春文庫)P414